プリミティヴクール

シーカヤック海洋冒険家で、アイランドストリーム代表である、平田 毅(ひらた つよし)のブログ。海、自然、旅の話満載。

平戸島~五島列島の海旅 8日目 最終日

2016-11-07 23:04:06 | 平戸島~五島列島への海旅

前回記事「平戸島~五島列島の海旅 7日目」からの続き

 平戸島~五島列島の海旅 8日目 最終日 

 早朝暗いうちから北の風が5、6m出ていた。
 陽が昇るとこの倍は出るだろう。
 湾内でこれだったら最後の難所、玄魚鼻を越えられないんじゃないかと不安になる。
 
 久賀島の北西端「玄魚鼻」は200mほどの山がそのまま垂直にズドーンと落ち込み、断崖絶壁になっている。そこに北の風が入ると波ウネリがぶつかりクラポチス(複合波)となり、三角波を起こす。加えて田ノ浦瀬戸からの潮流の出入り口となっていて、海図でも激潮マークが記載されているゾーンだ。
 何度も言うが、潮流と波ウネリがぶつかるとデカく嫌な動きの波が発生する。
 毎回難所越えの際はナーヴァスになるが、とにかく行ってみるしかない。
 これ以上行ったらヤバいというところまで寄ってみて、危なかったらその直前で引き返す。
 行けると思ったら行く。
 
 久賀湾の外に出てみたら思ったより波は上がっていなかった。
 風も7m/sくらい。
 よしこれなら行けるぜ、と岬を目指す。
 さすがに岬先端の波はネチネチしていて嫌らしかったが、思ったよりすんなり岬越えに成功。

 やったぜ。
 安全地帯に入ったときの喜びと安堵感。
 その瞬間、山の向こうからこちらを歓迎するかのように朝日が昇ってきた。

 思えば平戸島から出発して以来、風と潮に翻弄され、結構きつい海旅となった。
 だけど無事ここまでやってこれた。
 もちろん五島列島を隅から隅までくまなく漕いだわけではないが、一つのセッションとして、なかなか奥深いものとなった。
 文字通り、この海とじっくり対話できたという実感がある。
 といっても誰が見てくれているわけでもなし、自分しか分からない手応えなのだけれど、朝日のみが見てくれ、祝福してくれているようだった。 
 何という美しい輝きなのだろう。
 永遠なる、黄金の朝日だ。
 
 ・・・・と悠長なことを言っているが、福江港まであと20キロほど残っている。
 だけどヤバい海域は過ぎさった。
 あとは景色をじっくり楽しみながらデイツーリング。
 久賀島の西側海岸は断崖、洞窟、奇岩、美しい浜と素晴らしい海岸線だった。ここでもう一泊キャンプしようかなと思った。だけど明日になるとおそらくフィリピン付近にある900ヘクトパスカルを切ろうかという勢いの台風からのでかいウネリが入ってくることだろう。また今後しばらく風も出そうだ。順調にゴールできるのは今日しかない。

 ゆっくり味わうように進み続ける。
 所々、4,5ノットの潮流ゾーンに出くわす。素直な流れなのでどうということはない。

 北水道を横切り、多々良島、尾根尾島、竹ノ子島という小島をはしごしながら渡りきり、福江港の北側にある漁港にてゴール。
 最後、南からのうねりが入ってきていた。
 遠くの台風ウネリだ。
 明日から結構でかいうねりが入ることだろう。
 絶妙のタイミングでゴールできてよかった。

次記事「平戸島~五島列島の海旅 まとめ」に続く

 久賀島西岸の野性的な光景。荒れた中でなく、穏やかな状態で見る絶景ほど楽しいものはない。

 

 久賀島西岸の洞窟。

 

 久賀島西岸の見事な海食崖。

 キャンプしたくなる浜がたくさんある。

 久賀島、田ノ浦近くの教会。田ノ浦は砂洲が伸びて湾口をふさいだ、天然の良港になっている。開発が進んだ内地にはもう残されていないタイプの砂嘴港があるのは、僻地中の僻地である久賀島ならではだろう。空海の乗った遣唐使船もここから出港したと言われている。

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