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映画『東京家族』について

小学館版『日本の歴史』 の歴史。

2016年11月06日 | 映画『東京家族』
“入れ替わった9条提案 学習漫画「日本の歴史」 
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016110690070932.html
2016年11月6日 07時11分 『東京新聞 TOKYO Web』

 戦争放棄を盛り込んだ憲法九条は、日本側の意思でつくられたのか、それとも連合国軍総司令部(GHQ)に押し付けられたものなのか。長く論争となってきたテーマについて、読者の方から興味深い情報が寄せられた。小学館の学習漫画は当初、幣原喜重郎(しではらきじゅうろう)首相の提案と表現していたが、ある時からマッカーサーGHQ最高司令官の提案に変わったという。記載はいつごろ変わったのか、どんな事情があったのか、学習漫画を巡る「謎」を追った。
 学習漫画は「少年少女日本の歴史」。第一巻が一九八一年から刊行されているロングセラーだ。指摘された場面は第二十巻「新しい日本」の中で、四六年一月二十四日の幣原・マッカーサー会談を描いた一コマ。出版時期が違うものを探して比べたところ、絵柄はほぼ同じなのに発言内容が変わっていた。
 具体的には、九三年三月発行の第三十三刷は、戦争放棄を憲法に入れるよう提案したのは幣原としていたが、九四年二月発行の第三十五刷はマッカーサーの提案となっていた(第三十四刷は見つからず)。現在発行されている増補・改訂版は二十一巻で現憲法制定に触れているが二人の会談場面は描かれていない。
 漫画の表現変更は昨年夏ごろからツイッター(短文投稿サイト)で話題になっていた。その中から「国会前で『憲法は米国に押しつけられたのではなく、日本側が戦争放棄を提案したのです』と訴えるチラシをもらった。配っていたのはシルヒトマン氏」との書き込みを見つけた。
 その人は埼玉県日高市のドイツ人平和歴史学者、クラウス・シルヒトマン氏(72)。幣原や九条について何十年も研究し、日本語やドイツ語、英語で本も出している。幣原提案説に立つ。漫画の表現変更に気づき、新旧の描写を著書に載せたり、はがきにして首相官邸前デモで配ったりした。それが拡散したようだ。
 漫画の表現変更の理由は知らないという。記者も手を尽くしたが、監修した学習院大学元学長の児玉幸多(こうた)氏は二〇〇七年に死去。小学館広報室も「記録が残っていない。当時の担当編集も退社し、経緯は把握していない」との回答だった。
◆ドイツ人研究者指摘「湾岸戦争で世界の批判影響か」
 シルヒトマン氏=写真、朝倉豊撮影=に漫画の書き換えや憲法九条について聞いた。
 -幣原元首相や憲法九条になぜ興味を持ったのか。
 「ドイツの平和学会に入り、各国の憲法、特に平和に関する規定に興味を持った」
 -漫画の表現の書き換えに気づいた経緯は。
 「日本人に広く読まれている漫画で、どう表現されているのか興味を持った。最初に幣原がマッカーサーに(戦争放棄を)提案している方を見つけ、その後、真逆のストーリーになっていることに気が付いた」
 -表現が変わった理由をどう考えるか。
 「日本が湾岸戦争で国際的な批判を受けた後、漫画の表現が変わった。日本人が、改憲を現実的な問題として真剣に考え始めた証しではないか」
 -改憲勢力には、九条も時代に合わせて変えるべきだという意見がある。
 「九条は本来、国連が世界連邦として機能し、世界中で武装解除が進むという理想を見据えて策定された。現実はそうなっていないが、今は過渡期。変えたらすべて終わってしまう」
 -九条はむしろ世界に広げていくべきなのか。
 「戦力不保持を明記した九条は際立っている。この条文を各国の憲法に生かすことができれば、大きな起爆剤となるはずだ」
<憲法9条> 戦争放棄、戦力不保持、交戦権否認を明記し、平和憲法の根幹と位置づけられる。1946年1月24日、幣原喜重郎首相がマッカーサーGHQ最高司令官と会談した際に戦争放棄を入れるよう提案したという説と、否定する説がある。
<ニュース読者発> 今回の取材は、千葉県佐倉市の匿名の女性が送ってくださったファクスが発端です。表現が変わった理由は解明できませんでしたが、いろいろ気づかされたことがありました。(北條香子、安藤美由紀)”









 小学館版学習まんが『少年少女 日本の歴史』は、私の座右の書である(笑)。小学生だったときに刊行が始まったこの叢書は、一冊通常580円の第1巻と2巻が、「発刊記念特別定価」として480円で販売された。私はそれを親に説明して2冊とも買ってもらった。続く3巻と4巻もなんとか買ってもらえたけれど、私の方でも、無類に面白い原始時代の第1巻から、奈良時代、平安時代へと下るにつれ、歴史の事件が難しく複雑になっていき、購読は途絶えた。
 しかし小学校を卒業して遥かに時間が経ってから、歴史が身近に感じられるようになり、自分で古書店等をまわり少しづつ集めていった。だから全20巻が揃ったのはそう昔のことではない。以来歴史事項を確認したいときには、まずこの本を参照するのが私の習慣である。




 WEB版の記事ではわかりづらいが、今日(2016.11.6)の『東京新聞』の第一面に、問題の漫画と共に掲載されたこの記事は、相当のインパクトがある



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 早速第20巻の当該箇所を確認して驚いた。私のもっている版は偶然にも、幣原とマッカーサーの会話が変更される直前の、第34刷なのである。














 






 小学生時代に第4巻で購読が止まったもうひとつの理由を思い出した。「藤原種継の暗殺」事件に関連して出てくる早良親王の絵が、無性に恐かったのだ。























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