漢字の音符

漢字の字形には発音を表す部分が含まれています。それが漢字音符です。漢字音符および漢字に関する本を取り上げます。

音符 「臼キュウ」 <うす> と 「臿ソウ」 <さしこむ>

2016年10月12日 | 漢字の音符
 キュウ・うす  臼部             
 けやき臼

解字 U字型にえぐってくぼませた形の象形。木や石などをくりぬいて穴をあけた器で、中に穀物を入れキネでついて、精白したり粉にする。また、餅をつく。臼は部首となる。音符として使われるときは、キュウの音の形声になる。
意味 (1)うす(臼)。うすつく。「石臼いしうす」「茶臼ちゃうす」「唐臼からうす」(臼を半分土に埋め、固定した横杵を足で踏んで搗く臼。踏み臼) (2)うすの形をしたもの。「臼歯キュウシ」(表面がくぼんだような形の奥歯)「臼砲キュウホウ」(砲身が短く臼の形をした大砲。射角が大きく城攻めなどに用いた)
参考 キュウは、部首「臼うす」になる。常用漢字は臼1字のみだが、便宜的に臼部に属する字として、興コウがある。常用漢字以外では、臿ソウ(さしこむ)・舀ヨウ(臼から手で米をとりだす)・舂ショウ(杵で臼をつく)・臽カン(人が穴におちる)があるが、これらはすべて音符となる。舅キュウは、男が部首にないため臼が便宜的に部首となる。

イメージ  「うす」 (臼) 
       「キュウの音」 (旧・舅)
音の変化  キュウ:臼・旧・舅

キュウの音
[舊] キュウ・ふるい  日部 
解字 旧字は舊で 「萑カン(みみずく)+臼(キュウ)」 の形声。キュウという名の鳥。もと、鳥の意であるが、久キュウ(ひさしい・長い時間)に当て、古い・むかしの意にもちいる。新字体の旧は、もと臼の略字として使われていた。
意味 (1)ふるい(旧い)。もとの。「新旧シンキュウ」「旧暦キュウレキ」 (2)もと。むかし。過去。「懐旧カイキュウ」「復旧フッキュウ」 (3)古いなじみ。「旧友キュウユウ
 キュウ・しゅうと  臼部
解字 「男(おとこ)+臼(キュウ)」 の形声。キュウは久キュウ(ひさしい・長い時間)に通じ、年上の男の意。夫または妻の父、また、母の男兄弟に当てる。この字は臼キュウが音符なので部首は男となるはずであるが、男は部首字でないので音符の臼が部首を兼ねている。
意味 (1)しゅうと(舅)。夫または妻の父。「外舅ガイキュウ」(妻の父。文語の表現) (2)おじ。母の男兄弟。


           ソウ <さしこむ>
 ソウ  臼部        

解字 「干(二また状の棒)+臼(うす)」の会意。臼の中に二また状の棒をさした形。古い形は臼でなく穴(あな)の象形だったと思われる。棒を土にさしこむ意で、鍤ソウ(すき)の原字。さす・さしこむ意を表わす。
意味 (1)さす。さしこむ。 (2)すき。(=鍤)

イメージ  「さす・いれる」 (挿・鍤・歃)
音の変化  ソウ:挿・鍤・歃

さす・いれる
[插] ソウ・さす  扌部
解字 旧字は插で 「扌(手)+臿(さす)」 の会意形声。手でものをさしこむこと。新字体は臿が、千を日に通した形の挿に変化。
意味 さす(挿す)。さしこむ。さしはさむ。「挿花ソウカ」(花を生ける。また、花かんざし)「挿絵さしえ」「挿入ソウニュウ」「挿話ソウワ」(エピソード)
 ソウ・ショウ・すき  金部
解字 「金(金属)+臿(さす)」の会意形声。田畑にさして耕す金属製のスキ。鍬ショウ・シュウ(すき・くわ)は、鍤ショウの同音代替字である。
意味 (1)すき(鍤)。土を掘り起こす農具の一種。 (2)はり。まち針。
 ソウ・ショウ・すする  欠部
解字 「欠(口をあける)+臿(いれる)」 の会意形声。口をあけて汁を入れる(吸う)こと。
意味 すする(歃る)。吸ってのむ。「歃血ソウケツ」(血をすすって約束を誓うこと)
<紫色は常用漢字>

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