漢字の音符

漢字の字形には発音を表す部分が含まれています。それが漢字音符です。漢字音符および漢字に関する本を取り上げます。

音符 「巩(工凡)キョウ」<両手で工具をもつ> と 「恐キョウ」

2016年10月18日 | 漢字の音符
巩(工凡) キョウ  工部        

解字 金文は、「工(工具)+人が両手を出した形」 の会意。人が両手で工具を持つ形で、工具を用いて穴をあけたり、上下させて打つことを表わす。篆文は手が独立し、以後「工丮」を経て旧字で「巩」の形になったが、単独で使われることはなく、新字体で音符となるとき、「工凡」と表記される。※両手をだした形の丮ケキは、現代字では丸ガンに変化していることが多い。例:執シツ孰ジュク埶ゲイ。丮⇒凡に変化するのは珍しい。 

イメージ  工具であけた穴が 「つきぬける」 (恐・鞏) 
       工具で 「とんとんと打つ」 (跫・筑・築)
音の変化  キョウ:恐・鞏・跫  チク:筑・築  (※チクの音符は竹チク) 

つきぬける
 キョウ・おそれる・おそろしい  心部
解字 旧字は、「心+巩(つきぬける)」 の会意形声。心の中を穴がつきぬけたような激しい感じ。新字体で恐に変化する。
意味 (1)おそれる(恐れる)。おそろしい(恐ろしい)。おどす。「恐怖キョウフ」「恐慌キョウコウ」(恐れあわてる。パニック)「恐喝キョウカツ」(おどして金品をゆすりとる) (2)おそれいる。かしこまる。「恐縮キョウシュク
 キョウ・かたい  革部
解字 旧字は、「革(革ひも)+巩(つきぬける)」 の会意形声。革ひもを穴に通して固く縛ること。新字体に準じた鞏に変化。
意味 (1)かたくくくる。「鞏束キョウソク」 (2)かたい(鞏い)。「鞏固キョウコ」(鞏も固も、かたい意。=強固)

とんとんと打つ 
 キョウ・あしおと  足部
解字 旧字は、「足(あし)+巩(とんとんと打つ)」 の会意形声。足をとんとんと打つこと。足音をいう。新字体に準じて跫に変化。
意味 あしおと(跫)。人の歩く音。「跫音キョウオン」(あしおと)「跫然キョウゼン」(足音がよく聞こえるさま)
 チク  竹部 
解字 旧字は、「竹(たけ)+巩(とんとんと打つ)」の会意形声。この字で、音符は竹チクになるが参考のため重出した。竹でとんとんとたたいて鳴らす楽器のこと。新字体に準じて筑に変化。
意味 (1)中国の古代楽器。筝(琴)に似た形で、弦を竹の細棒で打って鳴らす。(2)筑紫国(つくしのくに)の略。「筑前チクゼン」(旧国名。今の福岡県の北西部)「筑後チクゴ」(旧国名。今の福岡県南部)
 チク・きずく  竹部
解字 「木(き)+筑チク(=巩。とんとんと打つ)」 の会意形声。木の棒を手に持ち、まんべんなく土をたたき固めて土台工事をすること。
意味 (1)つく。つきかためる。「築地ついジ」(土を突き固め瓦屋根を葺いた土塀)「築地つきジ」(海や沼を埋め立てて築いた土地)「築山つきやま」(庭園などに土を突き固めてつくる山)「版築ハンチク」(板で枠を作り、土を入れて杵で搗き固めること。この層を何層も重ねて城壁や土壇を造る)(2)きずく(築く)。建物をつくる。「建築ケンチク」「構築コウチク」「築城チクジョウ
<紫色は常用漢字>

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3 コメント

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一文字での表示 (通りすがり)
2016-04-29 21:14:37
巩「きょう」って打つと出ました。中国語で「巩固(鞏固)」という単語があります。意味は「揺るぎない」です。女優のコ・ンリーは巩俐(鞏俐)と書きます。
訂正 (通りすがり)
2016-04-29 21:16:03
^女優のコン・リー
Unknown (Unknown)
2016-10-18 16:06:24
ご教示ありがとうございます。巩「きょう」を入れて作り直しました。

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