漢字の音符

漢字の字形には発音を表す部分が含まれています。それが漢字音符です。漢字音符および漢字に関する本を取り上げます。

音符 「我ガ」 <のこぎり歯の戈(ほこ)>

2016年12月03日 | 漢字の音符
 ガ・われ・わ   戈部ほこづくり        

解字 のこぎり歯のある戈(ほこ)の象形。のこぎりとして使用したと思われる。しかし、この字は、のこぎりの意では使われず、発音が同じだった「われ」の意味の一人称代名詞に仮借カシャ(当て字)された。我を音符に含む字は、のこぎりの意味を残し「ぎざぎざとした」、のこぎりを使うとき「かたむける」イメージを持つ。
 われ(我)。わが。自分。「我流ガリュウ」「自我ジガ」「忘我ボウガ

イメージ  「われ(仮借)」 (我)
       「ぎざぎざした」 (餓・峨・蛾)
       のこぎりを使うとき刃を「かたむける」 (俄)
       「ガの音」 (娥・鵝)
音の変化  ガ:我・餓・峨・娥・蛾・俄・鵝

ぎざぎざした
 ガ・うえる  食部
 断食するブッダ像[ラホール博物館所蔵]
解字 「食(たべる)+我(ぎざぎざした)」 の会意形声。食物が不足して、胸板がぎざぎざと骨ばること。
意味 うえる(餓える)。うえ(餓え)。「飢餓キガ」「餓死ガシ
 ガ・けわしい  山部
解字 「山+我(ぎざぎざとした)」の会意形声。ぎざぎざしてけわしい山。ぎざぎざしたなかで最も高い山をいう。
意味 (1)けわしい山。けわしく高い山。「嵯峨サガ」(①高低があって不ぞろいのさま ②山の高くけわしいさま)「峨眉山ガビサン」(中国四川省にある高く美しい山) (2)地名。「嵯峨野さがの」(京都市西郊の山麓一帯の地名。風光明媚で観光地として知られる)
 ガ・ギ  虫部
解字 「虫(こんちゅう)+我(ぎざぎざした)」の会意形声。幼虫のとき胴がぎざぎざした虫で、羽化しても胴にぎざぎざのあとが残る蛾。
意味 (1)が(蛾)。蚕の成虫。チョウ目の蝶以外の昆虫の総称。 (2)蛾の触手に似た美しい眉毛まゆげ。「青蛾セイガ」(まゆずみで描いたみどりの眉。転じて、美人) (3)ギの発音。義に通じ「虫+義」で、あり(蟻)の意。羽のあるアリをいう。

かたむける
 ガ・にわか  イ部
解字 「イ(人)+我(かたむける」 の会意形声。人が前に身体を傾けお辞儀をする形。お辞儀をするしばらくの間から短い時間の意となり、さらに転じて、にわかに・たちまちの意となった。
意味 (1)しばらく。「俄刻ガコク」(しばらくの間) (2)にわか(俄か)。たちまち。ほどなく。「俄然ガゼン」(にわかに。突然)「俄雨にわかあめ」(急に降ってすぐやむ雨)「俄頃ガケイ」(にわかに) (3)国名。「俄羅斯オロス」(ロシアの音訳字。オロスは中国語発音) (4)[国]にわか(俄)。「俄狂言にわかキョウゲン」の略。素人が行なった即興の滑稽寸劇。

ガの音
 ガ・うつくしい  女部
解字 「女(おんな)+我(ガ)」 の形声。ガという名の女。甲骨文字では自然神のひとつの名、および女性の名として用いられた[甲骨文字辞典]。のち、月に住むという神話の女の名となり、美しい意ともなる。
意味 (1)美しい。みめよい。「娥眉ガビ」(美しい眉まゆ) (2)神話の女神。「常娥ジョウガ」(月に住むという女神の名) (3)月の別名(常娥が月に住むことから)。「娥影ガエイ」(つきかげ)
鵝[鵞]  ガ・がちょう  鳥部
解字 「鳥+我(ガ)」の形声。ガーガーと鳴く鳥。がちょう。鵞とも書く。
意味 がちょう。カモ科の水鳥。「鵝鳥ガチョウ」「鵝毛ガモウ
<紫色は常用漢字>

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音符 「殳シュ」 <つえぼこ>

2016年12月01日 | 漢字の音符
 シュ  殳部るまた

解字 甲骨文字は先がふくらんだ棒状のものを手でもつ形。棒はまっすぐもあれば曲がっているのもある。これを含む字には、打楽器をバチで打つかたち(㱿カク)や、槌を手でもち穴をあけるかたち(鑿のみ)などがある。金文以後は棒状のものが大きく曲がった形になったが、意味は甲骨文第一字のまっすぐな棒から派生したと思われる「つえぼこ」などの意に用いられる。現代字は上部が几に変化した殳になった。殳は部首になる。
意味 ほこ。つえぼこ。やりに似た武器。先端に刃のあるものと、ないものがある。「殳杖シュジョウ」(つえぼこ)「殳書シュショ」(ほこ等の兵器に書きこむ書体)
参考 シュは漢字の右辺に置かれたとき部首「殳ほこづくり・るまた」になる。ただし、左辺にポピュラーな部首(扌・彳・言・月・骨・彳・疒など)が来たとき、その部首が優先される。意味は甲骨文字で用いられた「うつ・たたく・こわす」などになる。常用漢字で7字、約14,600字を収録する『新漢語林』では36字がある。主な字は以下のとおり。
  部首と音符にはっきり分けられる字は、殴オウ(殳+音符「区ク・オウ」)くらいで、あとは殳と一体化した字が多い。段ダン・殺サツ・殻カク・殿デン・毀・毅・殷インなど。このうち、段ダン・殻カク・殿デン・毀・殷イン、は音符にもなる。

イメージ  「杖ぼこ(やりに似た武器)」 (殳・投・骰・役・疫・設) 
       「同音代替」 (股)
音の変化  シュ:殳  セツ:設  エキ:役・疫  コ:股  トウ:投・骰

杖ぼこ
 トウ・なげる  扌部
解字 「扌(手)+殳(杖ぼこ)」 の会意。杖ぼこを手でなげること。
意味 (1)なげる(投げる)。なげつける。「投下トウカ」「投球トウキュウ」 (2)なげすてる。「投降トウコウ」「投棄トウキ」 (3)いれる。おくる。「投稿トウコウ」「投函トウカン
 トウ・さい  骨部
 羊のくるぶしのさいころ(オーストラリア・アボリジニー)
解字 「骨(ほね)+殳(=投。なげる)」 の会意。牛や羊のくるぶしの骨を投げる賭けごとや遊び。上に出た骨の形で取り決めをした。のち、立方体に点や数字を刻む形になった。
意味 さい。さいころ。「骰子トウシ・さいころ」(角や象牙などの小さな立方体に数字を記したもので、双六や賭けごとに用いる)
 ヤク・エキ  彳部
解字 「彳(ゆく)+殳(杖ぼこ)」 の会意。杖ぼこを持って辺地を守りに行く意で「いくさ・兵役」の意味となる。のち、しごと・つとめ・つかう意味にもちいる。
意味 (1)使う。使われる。「使役シエキ」「雑役ザツエキ」 (2)人民に課する労働。「服役フクエキ」「賦役フエキ」 (3)つとめ。仕事上の位置。「役職ヤクショク」「役員ヤクイン」 (4)いくさ。戦争。「戦役センエキ」「軍役グンエキ
 エキ・ヤク  疒部
解字 「疒(やまい)+殳(=役。広範な人を苦しめる戦争)」 の会意。広くすばやくひろがり多くの人々を苦しめる病気。
意味 流行病。えやみ。「疫病エキビョウ」「検疫ケンエキ」「疫病神ヤクビョウがみ
 セツ・もうける  言部
解字 「言+殳(=役。人を使う)」 の会意。言葉で人を使ってこしらえさせる。
意味 もうける(設ける)。しつらえる。そなえる。「設営セツエイ」「設備セツビ」「設問セツモン

同音代替
 コ・また  月部にく
解字 「月(からだ)+殳(コ)」 の形声。コは胯(また)に通じ、身体の脚のつけねを表わす。跨(∧型にまたぐ)と同系のことば。
意味 (1)また(股)。足のつけね。「股間コカン」「股旅またたび」(旅をしてあるく) (2)もも。「股引ももひき」 (3)二股になっているもの。
<紫色は常用漢字>

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音符 「丏ベン」 <遮蔽物で足がとどまる>

2016年11月28日 | 漢字の音符
 ベン・メン  一部

解字 篆文は、「一(遮蔽するもの)+止(とどまるあしの変形)」 の会意。壁などの遮蔽物の後ろで止(あし)がとどまって進まないさま。止の字の右上の線が下にのびてとどまっているさまを表している。現代字は右下の線が弓の下部のような形になった。止(あし)の古い形については、音符「止シ」を参照。
意味 (1)遮蔽。おおい。(2)矢をさける短い土塀。土盛り。

イメージ  「遮蔽物でとどまる」 (丏・眄)
音の変化  ベン:丏・眄

遮蔽物でとどまる
 ベン・メン  目部
解字 「目(め)+丏(遮蔽物でとどまる)」の会意形声。人が遮蔽物の陰でとどまり、目を横に向けてみること。
意味 (1)横目で見る。流し目で見る。「眄視ベンシ」(横目で見る。流し目で見る)「右顧左眄ウコサベン」(右をふりかえって見たり、左を横目で見る。周囲の様子をうかがって決断できず、ぐずぐずする)

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音符 「巠ケイ」 <まっすぐのびる> と 「経ケイ」

2016年11月25日 | 漢字の音符
巠[圣] ケイ          
 
解字 織機にピンと張ったたて糸の象形。まっすぐ、たてにまっすぐの意を表わす。単独で用いられることはなく、まっすぐの意で音符となる。新字体では、巠→圣に変化する。

イメージ  機織りのたて糸から 「たてにまっすぐ」 (経・頸・脛・勁)
       「まっすぐのびる」 (径・径・茎・痙・軽)、 「同体異字」 (怪)
音の変化  ケイ:経・頸・脛・勁・径・径・茎・痙・軽  カイ:怪

たてにまっすぐ
 ケイ・キョウ・へる  糸部
解字 旧字は經で 「糸+巠(たてにまっすぐ)」 の会意形声。巠は、もとの意味がたて糸で、それに糸をつけて本来の意味を強調した。また、たて糸が布地をまっすぐ通り抜ける(経る)、横糸の間をかわるがわるくぐりぬけておさまる等の意味がある。
意味 (1)たていと。たて。「経度ケイド」(地球のたての線)「経緯ケイイ」(たてとよこ。いきさつ) (2)へる(経る)。まっすぐ通り抜ける。「経過ケイカ」「経口ケイコウ」 (3)おさめる。いとなむ。「経営ケイエイ」「経理ケイリ」 (4)つね。つねに変わらない。「経常ケイジョウ」 (5)不変のすじ道を説いた書。 「経典キョウテン」「五経ゴキョウ」(儒教で尊重される五つの経典) (6)仏陀のおしえ。「お経キョウを唱える」「経文キョウモン
 ケイ・くび  頁部
解字 「頁(あたま)+巠(たてにまっすぐ)」の会意形声。頭から下へまっすぐたてにのびる首すじ。
意味 (1)くび(頸)。「頸動脈ケイドウミャク」「頸椎ケイツイ」(頸の骨)
 ケイ・すね 月部にく
解字 「月(からだ)+巠(たてにまっすぐ)」の会意形声。膝から足首までまっすぐのびるところ。すね。
意味 すね(脛)。はぎ。ひざから足首の部分。「脛骨ケイコツ」(すねの骨)「脛布はばき」(すねに巻く布)
 ケイ・つよい  力部
解字 「力(ちから)++巠(たてに張った糸)」」 の会意形声。縦に張った糸に力を加え、強く張ること。強く張ってたるみがないさまをいい、転じてしっかりしてつよい意となる。
意味 つよい(勁い)。かたい。するどい。「勁草ケイソウ」(風に強い草。意志の強固なたとえ)「勁捷ケイショウ」(強くて動作がすばやい)「勁健ケイケン」(強くて丈夫)

まっすぐのびる
 ケイ・みち  彳部
解字 旧字は徑で 「彳(ゆく)+巠(まっすぐのびる)」 の会意形声。二つの地点をまっすぐつないだ道のこと。
意味 (1)みち(径)。こみち。ちかみち。「山径サンケイ」 (2)さしわたし。「直径チョッケイ」「口径コウケイ」 (3)まっすぐ。ただちに。「直情径行チョクジョウケイコウ」(自分の思ったとおりまっすぐに行動すること)
 ケイ・くき  艸部
解字 旧字は莖で 「艸(くさ)+巠(まっすぐのびる)」 の会意形声。草のまっすぐのびる部分。
意味 くき(茎)。植物のくき。くきのような形をしたもの。「地下茎チカケイ」「根茎コンケイ」(地下をはう根状のくき)「茎若布くきわかめ
 ケイ・ひきつる  疒部
解字 「疒(やまい)+巠(まっすぐのびる)」 の会意形声。筋肉がピンとのびてひきつること。
意味 ひきつる(痙る)。つる。「痙攣ケイレン」(筋肉が急激に収縮しこわばること)「痙縮ケイシュク」(筋肉がひきつる(痙)のに対応して、手足が勝手に縮んでしまうこと)
 ケイ・かるい・かろやか  車部
解字 旧字は輕で 「車+巠(まっすぐに)」 の会意形声。まっすぐにすいすいと走る車。兵士だけが乗る軽くて速い戦車のこと。荷物を運ぶ車より軽いので、かるい意となった。
意味 (1)かるい(軽い)。「軽石かるいし」「軽減ケイゲン」(減らして軽くする)「軽傷ケイショウ」 (2)かろやか(軽やか)。身軽にうごく。「軽快ケイカイ」「軽妙ケイミョウ」 (3)かるがるしい。「軽率ケイソツ」「軽薄ケイハク」 (4)かろんじる。「軽視ケイシ

同体異字
 カイ・ケ・あやしい・あやしむ  忄部                  

解字 圣は 「又(手)+土(つち)」 の会意で、手でまるめた土のかたまり。塊カイと同じ。怪は 「忄(心)+圣カイ(=塊。まるい異様なかたまり)」 の会意形声で、異様なものを見てあやしむこと[学研漢和]。圣コツ・カイは、巠ケイ⇒圣(新字体)に置きかえられる以前からある元の字であり、巠(圣)とは異なる。
意味 (1)あやしい(怪しい)。あやしむ(怪しむ)。ふつうでない。「奇怪キカイ」「怪獣カイジュウ」「怪人カイジン」「怪訝ケゲン」 (2)ばけもの。もののけ。「怪談カイダン」「妖怪ヨウカイ」 (3)なみはずれた。「怪童カイドウ」「怪力カイリキ
<紫色は常用漢字>

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音符 「反ハン」 <石の武器で反乱をおこす>

2016年11月21日 | 漢字の音符
 私はこれまで反を[漢字源]を参考に「薄い板を手でおす形」として解字してきた。その理由は他の字典が 「厂(がけ)+又(手)」 で、ガケに手をかけてよじ登り聖地を侵して反逆する、などと言った説明に納得できなかったからである。今回、[甲骨文字小事典]と[甲骨文字辞典]で解字されている「厂は石の略体であり、反は石の武器をもちいた反乱」という説に共感を覚えたので、解字をやり直した。しかし、「薄い板を手でおす形」も、はねかえる・そるなどの意味が出るので捨てがたい。石の武器説が本来の説と思うが、漢字の覚え方として薄い板説も部分的に使えばいいと思う。

 ハン・ホン・タン・そる・そらす  又部 

甲骨文第一字は石の原字に又(手)を加えた形。石はもと三角形の石製打楽器(石磬セキケイ)を象ったもので三角形をしていた。第二字は「厂(石の略体)+又(手)」のかたち。甲骨文字で、反する・反乱を起こす意味で使われており、石を武器として手にもった形であろう[甲骨文字小事典]。金文から現代字まで第二字の反が続いている。意味は、そむく・さからうという本来の意味にくわえ、転じて、はねかえる・そるなどの意となった。
意味 (1)そむく。さからう。「反抗ハンコウ」「反旗ハンキ」「謀反ムホン」 (2)かえる(反る)。かえす(反す)。はねかえる。「反射ハンシャ」「反発ハンパツ」 (3)そる(反る)。そらす(反らす)。まがる。「反曲ハンキョク」(そりかえる)「反宇ハンウ」(軒のそり) (4)くりかえす。「反復ハンプク」 (5)正反対の。反対側。逆の。「反面ハンメン」「反比例ハンピレイ」 (6)たん(反)。単位の名。土地の面積・距離・布の長さ。「反物タンもの

イメージ  「そむく・さからう」 (反・叛)
       意味(2)の 「はねかえる」 (返・販・板)
       意味(3)の 「そる」 (阪・坂) 
       意味(5)の 「反対側の」 (版)
       「同音代替」 (飯)
音の変化  ハン:反・販・叛・坂・阪・板・版・飯  ヘン:返

そむく・さからう
 ハン・ホン  又部
解字 「半の旧字(分かれる)+反(そむく・さからう)」 の会意形声。半は半分にすることから分かれる意。叛は(主君と)分かれてそむくこと。
意味 そむく(叛く)。さからう。手向かう。「謀叛ムホン」(国家・主君にそむくこと)「叛意ハンイ」(主君などにそむこうとする気持ち)

はねかえる
 ヘン・かえす・かえる  之部
解字 「之(こちらにくる)+反(はねかえる)」 の会意形声。之は通常は「ゆく」意だが、ここでは「くる」意。返は、はねかえってくること。
意味 かえる(返る)。かえす(返す)。もとへもどす。「返還ヘンカン」「返済ヘンサイ
 ハン・ひさぐ  貝部
解字 「貝(財貨)+反(はね返る)」 の会意形声。お金(貝)を受け取り、その対価に見合う品物を返すこと。物をうる、あきなう意となる。
意味 ひさぐ(販ぐ)。うる。あきなう。商売。「販売ハンバイ」「販路ハンロ」「販女ひさぎめ
 ハン・バン・いた  木部
解字 「木(き)+反(はねかえる)」 の会意形声。押すとはねかえる木の薄い板。
意味 (1)いた(板)。「板葺(いたぶ)き」「板書バンショ」 (2)はんぎ(版木)。「板行ハンコウ(=版行)」

そる(反る) 
 ハン・さか  阝部
解字 「阝(おか)+反(そる)」 の会意形声。反ったおかの意で、険しい丘が原義。日本で「さか」と訓じ傾斜のある土地をいう。阪は地名が多い。
意味 (1)けわしい。「阪岸ハンガン」(切り立つような岸)「阪険ハンケン」(けわしい所) (2)さか(阪)。地名に使うことが多い。「大阪おおさか」 (3)つつみ(堤)。
 ハン・さか  土部
解字 「土(つち)+反(=阪。さか)」 の会意形声。 阪(さか)の阝⇒土に変えた字で、宋代の辞書である集韻シュウインなどに至ってみえる後起の字。土地の「さか」に用いる。
意味 (1)さか(坂)。傾斜している道。「坂道さかみち」「急坂キュウハン」「坂東バンドウ」(箱根の坂より東。関東地方)(2)つつみ(堤)。土手。

反対側の
 ハン・ふだ  片部 
解字 「片(片方の板)+反(反対側の)」 の会意形声。片方の板と反対側の板をいい、土を突き固めて城壁などをつくるとき、両側に固定する型枠の板をいう。のち、字を彫って印刷に使う板の意になるが、これは反対側に刷る紙を置く板の意。また、片が小さい木片の意もあることから、字を書く木簡(ふだ)の意味ともなる。
意味 (1)型枠の板。「版築ハンチク」(型枠の板に土をいれて築(つ)く。) (2)文字などを彫り込んだ印刷用の板。「木版モクハン」「版木ハンギ」 (3)印刷して刊行する。「出版シュッパン」 (4)ふだ(版)。氏名などを書く木のふだ。名簿。戸籍簿。「版籍ハンセキ」(版も籍も戸籍の意、戸籍に載っている人民および人民が耕作している土地)「版図ハント」(版籍と地図。また、一国の領土)

同音代替
 ハン・めし・いい  食部
解字 「食(たべる)+反(ハン)」 の形声。ハンは盤バン・ハン(ここでは、はち・食物を盛る器)に通じ、鉢に盛られた食物の意。
意味 (1)めし(飯)。いい(飯)。まま。ごはん。穀物を煮炊きしたもので、多くは米のご飯をさす。「飯米ハンマイ」(飯(めし)に炊く米) (2)食事。「飯台ハンダイ」(ちゃぶだい。食卓)「飯店ハンテン」(食堂) (3)地名。「飯田市イイダシ」(長野県南部の市)
<紫色は常用漢字>

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