散日拾遺

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朝の道しるべ

2017-07-27 06:50:52 | 日記

2017年7月23日(日)に戻って・・・

 悪をなす者のゆえに、心を悩ますな。 (詩編37篇1節)

 לדוד ׀ אל־תתחר במרעים אל־תקנא בעשי עולה

 ここで「心を悩ます」というのは、うらやんだり、怒ったりすることです。人は悪を行う者に対し、怒りすぎて足をすくわれるのです。こだわり続けるより、自分のなすべき善を行うこと。

 悪にいらだって悪を克服することはできません。

小島誠志『朝の道しるべ』(ヘブル語原文は石丸付記)

 

  『朝の道しるべ』、聖句断想366日という副題付き。2011年、震災の年の刊行で、誰が買ったものか長らく本棚にあったのを、少し前から朝ならぬ夕食前に日毎たどっている。ときどき赤鉛筆の傍線や「?」の書き込みがあるのは父の筆跡らしい。

 「悪にいらだって悪を克服することはできない」 ー 返す言葉なくうなだれる。悪というものの恐ろしさは、悪に対して怒るというそれ自体正しげな反応のうちに、次なる悪が確実に胚胎するところにある。このように生み出される悪の鬼子は、元々の悪の親玉よりいっそう悪質で骨太なことが少なからず、このように悪は「正当な」感情を餌にどんどん太っていく。戦争なども大概こうした連鎖反応の産物で、その出発点は今日の自分のあの苛立ちだったのだ。

 『朝の道しるべ』に毎夕くりかえし打たれるのは、言葉と思想の正しさ深さとともに小島(おじま)誠志先生の人柄を知るからでもある。難しい時代に日本基督教団の議長の重責を担い、その時期を含め多年にわたって愛媛・松山番町教会を親しく牧された。尊名通り誠志の人で、信徒と御家族をこよなく大切になさり、本屋通いが何よりの楽しみ、土曜にカープが負けると日曜の説教の乗りが悪いと囁かれるほどの鯉ファンでいらっしゃる。昨年来、さぞ乗りの良さを楽しんでおいでだろう。

 引用された箇所は、新共同訳では「悪事を謀る者のことでいら立つな」と訳され、「不正を行う者をうらやむな」と続く。原文に沈潜しながら、時に瞳をあげて断想を紡ぐ御様子が浮かぶようである。「うらやみ」こそ、まさしく諸悪の根源だ。37篇の全文を転記しておく。

***

【ダビデの詩】

悪事を謀る者のことでいら立つな。不正を行う者をうらやむな。
彼らは草のように瞬く間に枯れる。青草のようにすぐにしおれる。
主に信頼し、善を行え。この地に住み着き、信仰を糧とせよ。
主に自らをゆだねよ/主はあなたの心の願いをかなえてくださる。
あなたの道を主にまかせよ。信頼せよ、主は計らい
あなたの正しさを光のように/あなたのための裁きを/真昼の光のように輝かせてくださる。
沈黙して主に向かい、主を待ち焦がれよ。繁栄の道を行く者や/悪だくみをする者のことでいら立つな。
怒りを解き、憤りを捨てよ。自分も悪事を謀ろうと、いら立ってはならない。
悪事を謀る者は断たれ/主に望みをおく人は、地を継ぐ。
しばらくすれば、主に逆らう者は消え去る。彼のいた所を調べてみよ、彼は消え去っている。
貧しい人は地を継ぎ/豊かな平和に自らをゆだねるであろう。
主に従う人に向かって/主に逆らう者はたくらみ、牙をむくが
主は彼を笑われる。彼に定めの日が来るのを見ておられるから。
主に逆らう者は剣を抜き、弓を引き絞り/貧しい人、乏しい人を倒そうとし/まっすぐに歩む人を屠ろうとするが
その剣はかえって自分の胸を貫き/弓は折れるであろう。
主に従う人が持っている物は僅かでも/主に逆らう者、権力ある者の富にまさる。
主は御自分に逆らう者の腕を折り/従う人を支えてくださる。
無垢な人の生涯を/主は知っていてくださる。彼らはとこしえに嗣業を持つであろう。
災いがふりかかっても、うろたえることなく/飢饉が起こっても飽き足りていられる。
しかし、主に逆らい敵対する者は必ず滅びる/献げ物の小羊が焼き尽くされて煙となるように。
主に逆らう者は、借りたものも返さない。主に従う人は憐れんで施す。
神の祝福を受けた人は地を継ぐ。神の呪いを受けた者は断たれる。
主は人の一歩一歩を定め/御旨にかなう道を備えてくださる。
人は倒れても、打ち捨てられるのではない。主がその手をとらえていてくださる。
若いときにも老いた今も、わたしは見ていない/主に従う人が捨てられ/子孫がパンを乞うのを。
生涯、憐れんで貸し与えた人には/祝福がその子孫に及ぶ。
悪を避け、善を行えば/とこしえに、住み続けることができる。
主は正義を愛される。主の慈しみに生きる人を見捨てることなく/とこしえに見守り/主に逆らう者の子孫を断たれる。
主に従う人は地を継ぎ/いつまでも、そこに住み続ける。
主に従う人は、口に知恵の言葉があり/その舌は正義を語る。
神の教えを心に抱き/よろめくことなく歩む。
主に逆らう者は待ち構えて/主に従う人を殺そうとする。
主は御自分に従う人がその手中に陥って裁かれ/罪に定められることをお許しにならない。
主に望みをおき、主の道を守れ。主はあなたを高く上げて/地を継がせてくださる。あなたは逆らう者が断たれるのを見るであろう。
主に逆らう者が横暴を極め/野生の木のように勢いよくはびこるのを/わたしは見た。
しかし、時がたてば彼は消えうせ/探しても、見いだすことはできないであろう。
無垢であろうと努め、まっすぐに見ようとせよ。平和な人には未来がある。
背く者はことごとく滅ぼされ/主に逆らう者の未来は断たれる。
主に従う人の救いは主のもとから来る/災いがふりかかるとき/砦となってくださる方のもとから。
主は彼を助け、逃れさせてくださる/主に逆らう者から逃れさせてくださる。主を避けどころとする人を、主は救ってくださる。

Ω

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