「通訳は忍者である」。
最近読んだ英語通訳者の松本道弘氏の本「同時通訳」で見つけた言葉です。通訳はよくその役割から、歌舞伎などの「黒子」に喩えられますが、「忍者」というのはなるほど納得のいく比喩です。
著者によると、「通訳者という忍者が、表の世界のサムライと闘うには、サムライ以上のインテリジェンスが必要」だとか。
すなわち、通訳者は言葉だけを操っているのでなく、通訳するにあたって、対象の情報(インテリジェンス)を広範囲に調べ準備します。いわゆる諜報活動ですね。
また、「通訳者は透明人間。表の人間には見えない。しかし裏の人間からは表の人間がよく見える」とも。
通訳の準備をする時に、担当するテーマの専門用語・関連知識のみならず、話者のバックグラウンドもできるだけ調べ上げます。ですので、話者には通訳のことが分かりませんが、通訳からは話者のことがある程度分かっている状態で通訳に臨みます。
さらには、「忍者には『法』はない。しかし『掟』はある」と。
掟とは、例えばエージェントの頭越しにクライアントと直接仕事をしないということ。エージェントをすっ飛ばせば、そこで抜かれているマージン分を取り戻すことはできますが、それを行うと通訳業界の秩序が乱れ、さらには通訳サービスの安売り競争にも発展しかねず、結果的には通訳自身のマイナスになるということです。
通訳が忍者なら、この業界には女性が多いので、「くの一」が活躍する世界ですね。そして、話者に存在を感じさせず、その人になりきるための通訳訓練の極意は、さしずめ「忍法 葉隠れの術」の習得でしょうか。
最近読んだ英語通訳者の松本道弘氏の本「同時通訳」で見つけた言葉です。通訳はよくその役割から、歌舞伎などの「黒子」に喩えられますが、「忍者」というのはなるほど納得のいく比喩です。
著者によると、「通訳者という忍者が、表の世界のサムライと闘うには、サムライ以上のインテリジェンスが必要」だとか。
すなわち、通訳者は言葉だけを操っているのでなく、通訳するにあたって、対象の情報(インテリジェンス)を広範囲に調べ準備します。いわゆる諜報活動ですね。
また、「通訳者は透明人間。表の人間には見えない。しかし裏の人間からは表の人間がよく見える」とも。
通訳の準備をする時に、担当するテーマの専門用語・関連知識のみならず、話者のバックグラウンドもできるだけ調べ上げます。ですので、話者には通訳のことが分かりませんが、通訳からは話者のことがある程度分かっている状態で通訳に臨みます。
さらには、「忍者には『法』はない。しかし『掟』はある」と。
掟とは、例えばエージェントの頭越しにクライアントと直接仕事をしないということ。エージェントをすっ飛ばせば、そこで抜かれているマージン分を取り戻すことはできますが、それを行うと通訳業界の秩序が乱れ、さらには通訳サービスの安売り競争にも発展しかねず、結果的には通訳自身のマイナスになるということです。
通訳が忍者なら、この業界には女性が多いので、「くの一」が活躍する世界ですね。そして、話者に存在を感じさせず、その人になりきるための通訳訓練の極意は、さしずめ「忍法 葉隠れの術」の習得でしょうか。