石田芳恵のツボ

フリーアナウンサーのお仕事日記のはずが、大好きな映画・音楽・本のレビューに。感動とやさしい気持ちをお届けしたいです。

牛窓のtereyaカフェで素敵時間

2008年09月29日 22時30分33秒 | 出張・おでかけ
岡山県瀬戸内市牛窓にあるtereyaカフェへ初めてお邪魔しました。
9/12にルネスホールで行われた「カルメン」の会場で、
オーナーの小林氏とご縁があり、ずっと行きたかった念願のカフェ。

趣きのある民家で懐かしい雰囲気、
そしてほっとくつろげる優しい場所です。
ギャラリーとして作家さんの作品も展示されています。
穏やかな空間の中に、作家さんたちの体温が伝わる作品が調和していて、
これまた居心地がいい。

そして、温かいお人柄のオーナーとお話していたら、
あっという間に時間がたってしまいました。びっくり。


その間、
若い女性や親子連れ、おじさんたち・・・といったいろんなお客さんたちが
お店を訪れてはのんびりと笑顔で過ごされているご様子。
地元の人たちにすごく愛されているカフェなんだな~と感じました


小林さんとのお話も楽しく、
ぜひぜひ、また遊びに行きたい素敵な場所です。

tereya cafehttp://tere-ya.at.webry.info/

映画「イントゥ・ザ・ワイルド」、映画は出会う年齢が大切です

2008年09月28日 12時58分40秒 | 映画の感想
映画「イントゥ・ザ・ワイルド」

優秀な青年が、全てを棄ててアラスカの大自然の旅へ。そして衝撃の結末。
アメリカで実際に起きた事件を追ったノンフィクションが原作です。
それに感銘を受けたショーン・ペンが映画化を熱望したという本作。


人間が本来持ち合わせている「繊細さ」と「大胆さ」を感じとれる映画でした。

アメリカの自然の厳しさと美しさが主人公の青年の精神と重なり、都会の空気の汚
さが今の社会での生きにくさを象徴しているかのよう。
この清濁併せ飲めない感覚は、10代後半から20代前半の若者の多くが感じることではないでしょうか。
もし私が、主人公と同じ23歳でこの映画を観ていたら、激しく彼に共感していたと思います。
しかし、彼が「最後に出した結論」を当時の私はまだ気が付かなかった。
幸せとは何か・・・
主人公(エミール・ハーシュが素晴らしい)が、自然と本気で格闘し、自然の中で本当の厳しいさと孤独を経験したからこそ導かれた「結論」。
彼がノートに書きとめる言葉の重み、説得力に、号泣です。


人生に迷う若者はもちろん、生きていく意味を見出せない大人たちも必見の映画だと思います。
ぜひぜひ、映画館の大画面で!


音楽もどれをとってもいい曲ばかり。
サントラも渾身の構成。
オリジナル・サウンドトラック“イントゥ・ザ・ワイルド”

BMG JAPAN

このアイテムの詳細を見る



★★★★☆
(星4つ!心が洗われた。
 もし私が20歳だったら星5つをつけていたと思います。
 映画って出会う年齢が本当に大事。少しでも早くいい映画を観なければ!)
07年 アメリカ 2時間28分
監督・脚本 ショーン・ペン
原作 ジョン・クラカワー
出演 エミール・ハーシュ ウィリアム・ハート
9/25 シネマクレール丸の内


拝啓、麻生総理大臣。

2008年09月26日 00時32分18秒 | つぶやき
総理ご自身による組閣人事の発表、ラジオ中継で拝聴しました。

2世議員が多く占める坊っちゃん集団だと揶揄されておりますが、総理の口から発表されたことは、注目も集めながら考えをダイレクトに伝えられる方法でした。


しかし、どうしても気になる点がございまして、筆を取った次第であります。

環境相を公表される際のコメント、あれはいかがなものでしょう。
台風などを例に出しながら「みなさんも環境がなんとなく違うぞとなんとなくお思いでしょうが…」とおっしゃいましたが、国民の多くは環境問題を「なんとなく」とは捉えていないと思います。逆に、危機的な異常事態という考えの方が大多数です。
環境問題に関して「なんとなく」というフレーズを連発する総理に、不安を感じずにいられません。興味がおありでないのか、勉強不足なのか、もしくは総理の掲げる景気対策に環境問題は相容れないのか(まるで某大国の某大統領になってしまいます)…という印象を与えかねません。

環境問題そのものが多岐に渡り仮説も多く、一概に環境云々を全肯定できませんが、それでも「なんとなく」という悠長なニュアンスは配慮に欠けるように思われます。

もしくはあえて本音だったのかもしれませんが、ここは一国の首相、言葉の重みを再認識して頂きたい。
メディアが発達した昨今、ちょっとした一言が大事に至ってしまいます。

日本を何とかしていただきたい今、大きな仕事を成し遂げるときに、小さな一言で足元を救われては元も子もありません。


国民の期待に応える以前に、国民をがっかりさせないで頂きたいものです。
どうかよろしくお願い申し上げます。

最後になりましたが、季節の変わり目、体調に気を付けてくださいね。


敬具

足守メロンとわくわく子どもまつり

2008年09月24日 23時32分31秒 | アナウンスのおしごと
テレビの収録。
今日はゲストが多いのでいつもより時間がかかりましたが、楽しいお話もたくさん聞けて充実した収録となりました。


「第19回足守メロンまつり~陣屋町あしもり大発見!~」
荒木実行委員長、番木事務局長、メロン栽培農家の板野さん、そして収穫された足守メロンをスタジオにお迎えしました。
くだもの王国の岡山、白桃やぶどうだけではございません!足守メロンも絶品なのです。
山間部のため昼夜の気温差がある足守で作られたので糖度が抜群。
この足守メロンが市価の2~3割安でお買い求めできるのがこのイベントです。
そして足守藩侍屋敷や北政所さまゆかりのお寺など歴史ある町並みも散策したいところ。
ちなみに・・・
メロンが若い頃にヒビが入り、それを自分の力で修復したのが、あのメロンの網目模様だそうな!
だから回復力の象徴として、お見舞いの品としてぴったりなのですね。納得。



「わくわく子どもつりin岡山ドーム」
久世英一実行委員長をお迎えして11月2日に開かれる子どもまつりについての話題。
このイベントは何が凄いかというと、【地元の人たちによる】子どもまつりだということ。
地方公共団体主導ではなく、完全に市民の手作りなのです。
市や県からの資金なしで行っているのは、全国でもなんと岡山市だけ!!
参加団体60、ボランティア500人以上が市民ネットーワークという形で続けているのは素晴らしいことだと思います。
当日はバルーンアートで子どもたちに大人気という久世委員長。
町と子どもたちについて、目を輝かせながら笑顔でお話してくださる様子が印象的でした。
(当日が衆院選挙になるのでは・・・と心配もされていましたが、オトナは早めに投票して子どもたちと一緒に岡山ドームへレッツらゴーです!)

<詳しくはoniビジョン10月からの放送です>

映画「グーグーだって猫である」を観てぐ~ぐ~zzz・・・

2008年09月23日 22時14分31秒 | 映画の感想
映画「グーグーだって猫である」


映画が始まって1時間…

…寝てしまった(-_-)zz


いや、かなり最初の1時間は頑張って欠伸をこらえてはいたのですが、耐えきれず沈没(ρ_-)ノ…グーグー


小泉今日子さんは素敵だし、猫のグーグーもニャンダフル。吉祥寺の町も温かい。キャストも豪華だ。
だけどリズムが合わなかったのか、画面に集中できませんでした。

映画館で寝るなんて、「マディソン郡の橋」に続き、史上2度目。ある意味、貴重です。

小泉今日子さんの優しい語り口、グーグーの可愛いらしさ、細野晴臣氏のおだやかな音楽に癒されて、ウトウトしてしまったのかもしれません。



★★☆☆☆(星2つ!それでもキョンキョンはやっぱり輝いていた!)
08邦画(1時間56分)
監督・脚本 犬童一心
原作 大島弓子
出演 小泉今日子 上野樹里 森三中 加瀬亮
音楽 細野晴臣
シネマクレール丸の内

映画「天井桟敷の人々」を映画館で観る幸せ

2008年09月20日 23時15分44秒 | 映画の感想
天井桟敷の人々

ピーエスジー

このアイテムの詳細を見る


映画「天井桟敷に人々」


名作中の名作として題名は知っていても、実際に観るチャンスがなかったこの作品。
シネマクレール石関が閉館するに伴い、今日、特別上映されるということで、足を運んでみました。

上映20分前に到着したのに



・・・立ち見!



すごい人気です。
愛着ある石関が閉館する寂しさと、往年の名画の上映ということで
多くの方が駆けつけてこられたのでしょう。



さて休憩をはさんで3時間半近くにわたって上映されたこの「天井桟敷の人々」、本当に本当に、映画館のスクリーンで観られて、良かったと思いました。

長い物語なのに、スピード感があって豪華。
時代を超えてニヤリとしてしまうユーモアと、胸が締め付けられるような切なさ。
舞台となる19世紀半ばのパリの街を、私も自由に闊歩しているかのような一体感。

そして、映画から出てくるキラキラとまぶしいばかりのパワー・・・


本作は第二次世界大戦のドイツ軍占領下のフランスで、ドイツ軍に隠れて撮影されたそうです。
(当時の状況で、あんな豪華絢爛な映画がつくれることも驚きです)
だからこそ、作品に携わったフランス人の「映画を撮りたい!」「おもしろいものをつくりたい!」という、命をかけた思いが映画に溢れているのだと思います。
「情熱」って「目に見える」し、映像に「残る」んですね。


ただただ、脱帽。


映画のおもしろさもさることながら、執念に近い情熱を感じて圧倒されました。




そして、会場を占めていた60~70歳代の方々から、
「あ、思い出した」「うーん、懐かしい」という声が聞こえてきました。
こんなに素晴らしい映画を何年も前にご覧になっていたことが、羨ましい。
そして今日、この映画に出会えたことに感謝。
そのチャンスを与えてくれたシネマクレール石関が閉館することはなんとも寂しいですが、心からありがとうと言いたいです。
   


★★★★★(評価するのもおこがましい名作ですが、星5つの満点ハナマルで)
45年 フランス 3時間15分
監督 マルセル・カルネ
出演 アルレッティ



映画「おくりびと」で笑って泣いて、胸いっぱい

2008年09月19日 01時16分20秒 | 映画の感想
おくりびと (小学館文庫 も 3-4)
百瀬 しのぶ
小学館

このアイテムの詳細を見る


映画「おくりびと」

モックンが10年ほど前からずっと、遺体を棺に納める「納棺師」という仕事に興味を持っていたことが、この映画の企画に繋がったそうです。

小説やコミックが原作の映画が多い昨今、映画のための企画・映画のための脚本・映画のためのロケ・映画のためのキャスティングが純粋に行われていることが、新鮮であり、かつなんとも魅力的であることを実感させられた本作。
現場の本気度が伝わってくる素晴らしい作品です。


遺体をまるで生きている人のように丁重に扱うのは、日本ならではの死生観だとか。
「この世」と「あの世」との境い目で、あの世へ送り出す担い手として「納棺師」が描かれています。
そしてチェロ奏者という仕事を失い、納棺師として仕事をしていく上で、生きていく意味を見つけ出す主人公の「人生の再生」の物語でもあります。

決して重くならずに「生死の現場」をユーモアを交えたテンポのいい展開。


本木雅弘さんの納棺師としての所作の美しさは、息を飲みました。
死に対する畏敬と尊厳が感じられる、無駄のない「型」が美しい所作となっているのだと納得してしまう、そんなモックンの手の表情。

さらに山崎努さん演じる社長の胡散臭さ・人間臭さは、この映画の大切な要です。
彼なくしてこの物語は成立しないのでは、と思ってしまう説得力。不思議です。凄いです。


生活の中であまり「死」を意識することはありませんでしたが、「生きることはいずれ死ぬこと」であり、我々の風土や慣習に根付いたものであり、要するに身近なこと。誰もが通ること。だからこそ、周囲の人たち・残された人たちの「思い」って大切なんですね。
どういう思いで故人を送り出してあげるかで、残された人たちの心って変わってくるはずなんです。
納棺の最後の最後に、故人に対する気持ちが変わるかもしれない。
そんな、残された人の気持ちの整理の場に立ち会う納棺師。
きっと映画以上のドラマが、現実の世界では起こっているんだろうな、と思ってしまう映画でした。


★★★★★(星5つ!今年の邦画の大本命です!素晴らしい)
08年 日本(松竹) 130分
監督 滝田洋二郎
脚本 小山薫堂
音楽 久石譲
出演 本木雅弘 広末涼子 山崎努

高校放送部で私もお勉強

2008年09月18日 23時51分08秒 | アナウンスのおしごと
今日は母校・玉野高校へ、放送部の指導です。
指導といっても、私自身がまだまだ発展途上なので、高校生の皆さんと一緒に勉強させて頂いている、と言った方が正しいかもしれません。


「読みたい原稿をそれぞれ自分で探して用意してきてね」

ちょっと難しい宿題だったかな?と思いましたが、部員のみんなはちゃんと用意してきてました。
好きな小説、評論、新聞記事、コラム、国語の教科書など…
いやはや、偉いっ!
選択のセンスにそれぞれの個性や人間性が表れていて、これまた興味深い。



上手に読むことも大事ですが、「自分の意志で何かを選ぶ」ということもとても大切なことだと思います。自分が何が好きで何がやりたいか考え、そして決めたのだから、愛着と責任が発生します。だからこそ、選んだことを真剣に取り組んでほしいな、と思います。

その期待にきっちり答えてくれた彼ら、
自主性と行動力のある10代がとても頼もしく見えました。



そして、彼らの個性が原稿読みを通してどう磨かれていくのか、楽しみです。

(ついつい超Sなキビシイ指導にならないよう、気を付けねば。でも時間と約束には厳しいからねΨ(`∀´#)グフフのフ)

道楽ざんまい至福の秋です!

2008年09月13日 00時19分53秒 | 出張・おでかけ
10日(水)
尊敬している大好きなご夫妻宅へお邪魔して、素敵なゲストの皆さんと楽しいディナーひととき。
岐阜からのゲストさんご自身が釣った鮎の炭火焼きや飛騨牛の朴葉焼き、湯葉…などなかなか食べられないものばかりで、私の口数はいつもの10分の1(^^ゞ
ひたすらガッツリ食べてました
そして、魅力的な方々と楽しいおしゃべり…なんとも居心地のいいワンダホオな時間を過ごし、充電完了!


11日(木)
次の仕事への移動時間に「今日の猫村さん3」を読破。
健気な猫村さんのように、しっかり一生懸命仕事を頑張ろう、と真面目に考える。


12日(金)
午前、高島屋の専敬流華展へ。母が生けているので、いつも見に行きます。私は最近、華道をサボりがちなんでちょっと反省。

昼からは急いで着物を着て、茶道のお稽古へ。濃茶のお点前を大先輩の方々と共に。私にとって大好きな時間です。ずっとおばあちゃんになってもやってると思います。

夕方からルネスホールでオペラ「カルメン」鑑賞しました。感動&刺激でスゴク良いテンション!(後日ブログでまた詳しく書く予定です)
オペラ最高!
音楽ブラボー!
文化的人生万歳\(^O^)/



秋は良く働き、良く遊び、良く学ぶのだ!
o(^∇^o)(o^∇^)o

小説『蟹工船』は読み切れませんでした

2008年09月11日 18時04分53秒 | 本の感想(小説)
蟹工船・党生活者 (新潮文庫)
小林 多喜二
新潮社

このアイテムの詳細を見る


某全国紙のコラムに紹介されてから一気にベストセラーになった本書。
中学校の国語の授業で文学史をやった際に受験のために作家と題名を暗記したに留まっていた本書。
実は小林多喜二はエリートだったというトリビア知識があるくらいで、ちっとも興味を持っていなかった本書。

でも今の時代がなにか共鳴するものがあるのかしらん、と思って購入しました。


が!!!


私には描写が辛くて、30ページ行かずしてリタイア。



決して読みにくい文体の小説ではなく、逆に「読みやすい」書かれ方なんですが、ちょっと内容がきつくて読み進めることができませんでした。
それだけ分かりやすい表現力の小説、という意味では素晴らしいです。

けれど小説の中に描かれいることを頭で想像していくと、息がつまってページをめくれない。つらい。精神的にかなりつらい。
読破できず、こんな感想しか書けない自分が情けない。
それだけ、私自身が甘いのかもしれません。

この小説が現代の若者に本当に受け入れられているとしたならば、その事実もまた辛い。
「働く」ということに希望が持てない社会になってしまったのでしょうか。
今の時代は決して希望が持てる環境ばかりとは言えませんが、それでも自分の努力と現状を打破する知性とでもってすれば、現代はこの小説の世界よりはずっと恵まれていると思います。

私自身に甘さがあるゆえの実感なのは確かですが、それでも就職氷河期を経験し、人員削減・経費削減の現場も見ているのもまた事実。
そういう上であえて感じることを書くならば、「蟹工船」は法整備や当時の経済状況・社会の認識に問題があり、小林多喜二はそこをえぐり出したかったのでは、と思うのです(・・・まだ最後まで読んでませんが)。
つまり「社会」の問題であり、「個」の問題ではなかった。
そういう視点に立つと、当時と現在とで状況が同じと言えるでしょうか。
「社会」「環境」という面では重なる部分、彷彿とさせられる部分があります。
しかし、「個人」は当時と現代ではあまりにも違う。
だからこそ、この小説が共感されることに疑問を持っているのも確かです。


あ、でもまだ読破できていないので、何も言えないや。
もう少し時間をおいて、再度、チャレンジしてみたいと思います・・・

やっぱり音楽は水と空気のような存在です

2008年09月04日 01時01分02秒 | 音楽CD・LIVEの感想
「Lovin'you」といえば何度もCFなどに使用された名曲。

オリジナルのミニー・リパートンも大好きだけど、たくさんあるカバーもこれまたどれも素晴らしい。

楽曲の持つ美しさに対するリスペクトを感じるんです。


昨日からずっとボッサアレンジのLovin'youを聴いています。
夏の疲れを忘れさせてくれるような穏やかさに身を委ねています。幸せだなあ。


去年の今ごろまでは、なかなか音楽をじっくり心から楽しむ気持ちの余裕がありませんでした。

だけど、現在は心の底から音楽を欲してる。
スポーツの後に喉が乾いて仕方がないように、音楽をゴクゴク体にしみわたらせたい気分です。

音楽を楽しめる心の余裕ができる環境に感謝しつつ、今こそさらに音楽の勉強をしなくては!

「大使閣下の料理人」で食の深さにドキドキする

2008年09月02日 23時13分16秒 | 漫画
大使閣下の料理人 (1) (講談社漫画文庫)
西村 ミツル,かわすみ ひろし
講談社

このアイテムの詳細を見る


大学院時代の先輩からすすめられたので早速読んでみました。

深い!
料理って深い!
そして外交も深い!!


ベトナムの日本大使公邸の料理人が主人公のこのコミック、
政府要人や各国大使との食卓外交、そしてベトナムの市場のようすなど、
なかなか知ることのできない(興味を持つチャンスさえない)世界を描いています。
かなり脚色されているとはいえ、原案は西村氏自身の公邸料理人としての経験から。
正直、こんな仕事があるんだ、と驚かされました。
(そもそも大使と公使、領事の区別さえあやふやだったのですから)

時事ネタを交えながら進むストーリに、
料理が人の心をいかに動かすかということ、さらには政治さえも動かすということを実感させられます。

フレンチ、和食をベースに、ベトナム料理・タイ料理・中華・・・とアジアンフードの知識が増えていくのもおもしろい。



「食べる人の心に響く料理」を私も作ってみたくなりました。
(すぐには無理でも、そのつもりでお料理はしていきたい)

そして、作った人の気持ちを感じ取れるだけの「味覚と感性」も必要。

食べるって奥深い。
食べることは生きること。
そして、食べることは自分を理解し、相手を理解することなのかもしれません。



☆☆☆☆☆(星5つ!久々の夜なべ漫画です)
1998~2006年 『モーニング』




「田部美術館」で地方の底力をみる

2008年09月01日 21時32分27秒 | 絵画・芸術
松江旅行の一番の目的は、「田部美術館」。


松江城周辺の武家屋敷の中に、大名茶人・不昧公好みの茶道具をみることのできる「田部美術館」があります。
焼き物や茶道を愛している人たちの間では、憧れの美術館。
展示されている茶道具は、初秋にふさわしい取り合わせで、三島の茶碗や古瀬戸の水差し、そして乾山の手付鉢など、そりゃそりゃもう眼福の極みでした。

時代を経て残っているものには、説得力があると思います。
とくに乾山の自由な表現&無駄のなさは、美しく力強い。


お道具や書を見る楽しみは尽きないものです。
私が80歳になっても90歳になっても勉強する喜びのある世界だと思います。


そして、このような素晴らしい美術館が松江にあることに、地方の底力を見たような気がしました。
莫大な費用でもってされる全国巡回の企画展や都会での展示は、知名度も華やかさも集客もすごいでしょうが、
歴史ある場所で、その土地ゆかりの美術品や工芸品を見ることの素晴らしさは、また別格だと思うのです。


情報が東京に集中することは当然のことですが、文化や歴史はその地に足を運んでみないと分からないもの。
一極集中型の昨今、大事なものを見失わないようにしたいものです。


水の都・松江へ(島根県)

2008年09月01日 21時15分22秒 | 出張・おでかけ
岡山から日帰りできる距離でありながら、なかなか訪れることのなかった島根県・松江へ行ってきました。

小泉八雲が暮らした地としても有名ですが、静かで緑が多い素晴らしい場所でした。
松江藩7代藩主・不昧公により茶の湯の盛んな場所となった松江は、茶道をしている人たちにとって憧れの地でもあります。
なんたって、上品で美味しいお茶菓子の宝庫!
特に、四季の移ろいによってその緑色の濃さを変えている「若草」は絶品。
この後のお抹茶の味が引き立ちます。


武家屋敷を散策しながら、小泉八雲記念館や田部美術館(後述)を訪れ、そして松山城周辺の水路やお堀を船にゆられてのんびり探訪。

この水路めぐりは本当におすすめ!

ぜひ松江を訪れた際はチャレンジしていただきたい。
船頭さんが歴史と文化を語りながら案内してくれる水上の旅は、1時間。
水の都と呼ばれる松江は水路と橋がたくさん存在します。
上半身をぐっとかがめないと通れないような橋の下があったりと、ドキドキ度も満天。
途中、雨が降り出しましたが、船から見えるしっとりと雨に濡れる松江のまちは情緒たっぷりでした。


生活の根底に文化があり、丁寧さと思慮深さが感じられるまち。
小泉八雲が愛した日本の美しさは、これだったのかな?
心が優しくなれる旅でした。