呑む気オヤジ/蔵王山麓蓬莱庵便り

蔵王山麓暮らしのオヤジの日記。合唱も映画もドライブも温泉も、たまには俳句も・・・😄

父のこと

2011-07-30 | 家族のこと

父のことをもう少し書いておきたい。

父は子供をベタベタ可愛がるタイプではなかった。でも殆ど残っていない僕の小学校前の記憶の中でも、父は結構遊んでくれたと思う。
幼児番組でやっていた「空とぶジュータン」の真似をして座布団に僕を乗せて部屋のなかを走り回ってくれたり、デパートの屋上の遊園地で、僕の大好きな電動自動車に乗せてくれたり。
小学1年生の時に、保土ヶ谷から横須賀までバイクの前に乗せて連れていってくれたり(思えば乗り物ばかりで、それで僕は乗り物好きになったのか?)。

若い頃は相当短気だったらしいが、その片鱗はごくたまにしか見せなかった。どちらかというと大人しくて、無理やうるさいことを一切言わないタイプだった。
僕が高校生のとき髪を伸ばし、バンドに夢中になってもなにも言わない。大学は東京の私立にすることに決めたときもなにも言わない。
あとから母に聞けば、父も息子にはいろいろ言いたいこともあったようだ。でも息子の意思を尊重して、良い意味での放任主義を貫いてくれた。今考えてもありがたいことだと思う。

30代から腎臓を患い、だましだまし凌いできた人生だった。でもその割にはいろいろな事に興味を持ち、特に定年後はありとあらゆることをやってきた。
剣道はまさに父のライフワーク。学生時代に剣道部で3段を取ったらしいが、40代でまた始めて、70代前半までは毎週どころか週に2回は道場や警察、消防署に通っていた。最後は小学生の指導に夢中になっていたが、結局「教士8段(年配者で指導者に与えられる資格?)」を取得したと思う。
剣道では飽き足らず、居合道にも夢中になっていた。生来の凝り性の性格もあって、本物の日本刀まで打ってもらったっけ。これが法華三郎氏の「大和伝」一ノ蔵の酒の名前にもなっている。

その他、挙げたらキリがないぐらいいろんなものに凝って手を出した。
お城、模型、バードウォッチング(立派な双眼鏡と三脚がある)、天体観測(立派な天体望遠鏡と三脚がある)、ハングル語講座(祖父の仕事の関係で、父はソウル生まれ。韓流ブームのずいぶん前から)、山(DVDや写真集がいっぱい)…。
母によれば、昔医者からは「定年まで命が持つかどうか」と言われていたそうだ。それでもここ10年間人工透析を繰り返しながら、散々やりたいことをやってきた。それで86歳まで生きたんだから、幸せな人生だったのだろう。
僕もここ数年のうちに山好きの父を上高地・西穂高、草津白根山に連れて行けたので、ちょっとは親孝行ができたと思う。
ただ、父は僕が仙台に戻ることを心待ちにしていたようだ。仙台転勤の内示が出たその夕に逝ってしまい、朗報を聞かせられなかったのは、なんとも残念だ。それだけが心残りではある。


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父逝去、そして転勤

2011-07-22 | 家族のこと

「父の容態悪化」の知らせを受け、土曜日に息子たちと仙台に帰った。同じように、弟家族も揃って仙台に来た。
父が緊急入院した病院に、久しぶりにY家が勢揃いだ。
父の容態は取り敢えず落ち着いていた。意識もしっかりしていて、僕ら息子や孫のことはちゃんと分かり「なんだみんな揃って。じいちゃんが臨終だと思ったか?」などと憎まれ口を利くこともできた。
でももうすっかり弱っていることは一目瞭然。僕の息子や弟家族は、翌日の予定もあり、日帰りすることに。その後の夕方、父は意識が混濁して昔のいろいろなシーンを思い浮かべるような独り言を言い始めた。まさに幻覚や幻聴を見聴きしているみたいだ。
あぁ~、もう長くないなぁ~。母と僕は覚悟を決めた。

月曜日に主治医の説明を聞くために急遽会社を休んだ。
先生が言うには、加齢と長年の人工透析のために心臓はボロボロだという。透析の効果もほとんど出なくなっているらしい。体中に水が溜まると心不全になる。水分を抜くと血圧が下がる(?)。食事をほとんど摂らないので体力も落ちる。
このまま体力が落ちたり、呼吸困難になった時にどこまで措置をしますか?ということだ。母と話し、人工呼吸器や管による栄養の補充等の無理な延命措置はやらないようお願いした。
父は若いころから腎臓を患い、何度も入退院を繰り返していた。僕はもう家を出ていたのであまり記憶はないが、50台のころには心筋梗塞なども発症し、医者の伯父には「定年まではもたないかもしれない」と言われていたらしい。
その割には剣道を70代後半までやり、凝り症であらゆることに興味を持って挑戦して来た。もう随分いろんなことをやってきたから、これ以上無理することはないよね、透析も大変だし…。これが僕ら親子の結論だ。

父の状態は一応安定していたので、僕も取り敢えず川崎に戻ることにした。明後日はいよいよ人事異動の内示日。会社を休むわけにはいかない。
火曜日は出社したが、水曜日の明け方に母から電話が入った。また父の容態が悪化したという。
一旦出社して異動の内示を受けてから仙台に向かおうとも思ったが、万一間に合わなくて後悔したくない。途中で会社に連絡を入れることにして、仙台に帰ることにした。弟も帰るという。
会社にはメールで父の状況と休暇することを伝え、11時ごろに仙台駅に到着してから上司に電話をした。上司は父のことを聞いていたらしく「大変だね。こんなときだけど君の異動の内示をします。仙台支店業務グループです」
はぁ~、なんか力が抜けた。あんなに希望していた仙台支店への転勤。昨秋の転籍挑戦に失敗した時、父は相当がっかりしていたらしい。それがこのタイミングで決まるなんて。
父は息子の異動のことを理解できるだろうか。そんな思いを胸に病院に急いだ。


その日の午後5時2分、父は永眠した。享年85歳。あと10日で86歳の誕生日だった。
僕が駆け付けた時は酸素マスクをして息が荒く苦しそうだった。もう意識はなく、僕の呼びかけにも反応しない。
何とも残念ながら、あれだけ望んだ息子の仙台支店転勤は、父の最後の意識には残らなかったようだ。



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ワシントン ナショナル・ギャラリー展

2011-07-21 | 徒然なるままに

この前時間が間に合わなかった「ワシントン ナショナル・ギャラリー展」を観にいった。金曜の夜にも拘わらずそれほど混んでいなかったので、じっくり鑑賞することが出来た。
音楽と比べると、僕は絵画にはそれほど興味がなかった。でもそんな僕でも名前をよく知っている印象派の画家の作品が80点も揃うというのだから、これは観ておかないと!
そう、感性に磨きをかけることは大切です( ̄^ ̄)

いやぁー、観に来て良かった~。印象派からポスト印象派につながるモネ、マネ、ルノワール、ゴッホ、ロートレックなど、僕が知っている画家の作品が目白押しだ。名前も知らなかった画家の絵も、とても良い。
良い絵って、観ていると絵の中の人物や風景が自分に向かって語りかけてくる気がする。心が落ち着き気持ちがじわ~っと弛緩していく。特に印象派の絵がそうなのかな。
これからはもっと積極的に美術の世界にも触れていこうと思った一時でありました。

素晴らしい芸術に触れ満足して、同行者とパスタでア赤ワインなどを楽しんでいたら、実家から父の容態悪化の電話が入った。
息子たちにも連絡を取り、翌日一緒に帰ることにした。奇しくも親子3人で4年振りに仙台行きの新幹線に乗ることになった…。



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八重洲南口・タイ料理「沌」~空芯菜炒め

2011-07-07 | 食べ物・お酒の話

先週の金曜日のこと。この前ご紹介した「ワシントン・ナショナルギャラリー展」を観に行こうと友人Hと約束をした。会社を5時半に出れば、6時半ぐらいから観ることができるか…、と思ったんだけど、その日に限って仕事が長引き、結局間に合いそうもなく、普通の呑み会に切り替えた。残念!
東京駅で待ち合わせて、さぁ何を食べようか。Hも僕も大好きなタイ料理にした。
「八重洲口の“沌”は行ったことがあるよね」
「行ったことないよ、誰と間違えているのよ!?」
「え~、行っただろうよぉ~」
「行ってない!」

確かにいろんな人と行っているけど、君とは行っていなかったか。
ちょっと高めだけど、ここのタイ料理は美味しいです。いろいろ食べたけど、写真を撮ったのは空芯菜の炒め物だけ。あとは旨いうまいと食べて呑んで、撮影を忘れた。
タイ料理は、辛くて味が濃いめでビールが進みます。今回はビールしか呑んでいないのに、それなりに酔っぱらった。幸せなことですね。
今度は、ぜひゴッホとモネとマネを観に行こう。9/5までやっているが来週からは仕事も忙しくなる。転勤にでもなったら、絶対行けないな。仕事サボって、いや当然の権利の半休を取って観に行こうかな。


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呑む気オヤジの、読む!~「プリンセス・トヨトミ」

2011-07-06 | 本の話
プリンセス・トヨトミ (文春文庫)
万城目 学
文藝春秋



♪「プリンセス・トヨトミ」万城目学著 文春文庫

今までも何度かお伝えしていると思うが、僕にとって面白い小説、傑作、感動作にはいくつかのセオリーがある。
それは…
・1ページ目、それも数行読んで、ぐいっと引き込まれること
・読んでいて、楽しくてワクワクして、次が読みたくて仕方がなくなること
・最後の1ページ、数小節、そして最後の読点まで読んで、思わずゾクゾクっとして「やられたぁ~!」と心の中で叫ばずにはいられないこと

この「プリンセス・トヨトミ」はその3つとも備えた、僕にとっては大傑作の小説だ。

国家予算(税金)の無駄遣いを調査する会計検査院の調査官3名は、大阪府とその周辺の社団法人の監査に訪れる。そこで見た前代未聞の歴史的事実…。う~ん、まさに前代未聞、驚天動地、荒唐無稽!(笑)
敢えて、詳しい内容には触れないが、読んでいて新鮮なびっくりの連続でとても楽しかった。これだけのワクワクする小説は久しぶりだ。
あり得ない!と心の中で叫びながら最後まで読み進めると、いくつかの心憎いカラクリもある。な~るほど、そういうことか。親子、特に父と息子の絆や母親と娘たちの慈悲深い懐の深さにホロッとする。
「そうか、だから大阪人って、何でもお笑いに変えてしまうんだ、ボケと突っ込みが出来るんだ。大阪のオカンは強いし明るいんだ!」と、フィクションを読んだにも拘わらず、妙に納得してしまう。
なんだ、大阪人って関東や東北の人間が考えたり想像したりするより、ず~っといい奴ばかりじゃないかと、思わず騙される(笑?)。
著者の非凡さ、関西人魂と気骨を感じるとることができる、まさに傑作。ぜひお読みください!めちゃくちゃ面白いですよ!星、5つ!!

映画もヒットしているようだ。元々僕は映画に興味があって、でも観る前に読もうかなという気持ちで文庫本を手に取った。
映画は登場人物の設定が少し(いや大分)違うようだけど、これはこれで面白そうだ。必ず観ようと思います!


追伸その1)
著者の万城目さんは「マキメ」と読み、本名だそうだ。北海道にはこの字を書いて「マンジョウメ」さんという方がいらした。同じ漢字でも、いろいろ読み方があるもんだね。

追伸その2)
この本は、直木賞候補になったが受賞は逃したのこと。専門家が評価すると、僕たち素人には良く分からない解釈があるようだ。これだけ面白ければ、直木賞間違いないと思うんだけど、この世界は難しくて大変だね。






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徒然なるままに~やっぱりTwitterよりブログかな!?

2011-07-05 | 徒然なるままに
Twitterも手軽で気楽でいいんだけど、どうも使いにくいというか、やりにくいというか…。まぁ、人のつぶやきを観る分にはいいけど、自分がしょっちゅうつぶやくのはどうもなぁ。
もちろん音楽界および合唱関係者の大御所の皆さんも盛んにつぶやいているので、そういう意味では情報収集手段には有効である。でもはっきり言って、その中にもダラダラと連続でつぶやいたり、仲間で長々とやりとりするものもある。そりゃ、仲間内でやっていれば楽しいですよ。でも所詮身内での盛り上がりで、他人は白ける。
ということもあり、こちらからは観に行きますが、あんまり自分でつぶやくのは止めようかなと考えている。
もちろん楽しい&ためになるつぶやきはリツイートしますけどね。

なので、今後はやっぱりブログで語ろうと思う。前にも書いたけど、あまり長文にならず、Twitter的に思ったことを感じたことをさらりと短文で…。
Twitterは、リツイートや返信機能でいろいろ対話もできるが、ブログだってコメントを使えば十分に可能です。これからもコメントくださいね!



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『歌おうNIPPON』プロジェクト~「前へ」(合唱・ぴゅあはーと)

2011-07-04 | 徒然なるままに
カワイ出版が始めた、合唱で東日本大震災の被災者を励まそうという「歌おうNIPPON」プロジェクト
著名な作曲家が曲を無償で提供し、希望する合唱団はその曲を全国で自由に歌い、また演奏をネットで公開する。そうやって被災者に聴いていただこうという趣旨だ。
たまたまTwitterで、女声合唱団ぴゅあはーとが歌っている「前へ」を見つけて、このプロジェクトを知った。なかなか気の利いたプロジェクトではありませんか!



女声合唱団ぴゅあはーとはまだ結成されて1~2年の新しい合唱団だ。でも男声合唱団お江戸コラリアーずの指揮者山脇氏が指導しているということで興味があり、演奏を聴いてみたかった。ぴゅあはーとのTwitterをフォローしていたら、この情報にたどり着いたというわけ。
YouTubeで公開されているのは佐藤賢太郎氏が作曲した「前へ」という曲。うん、曲も良いし、やっぱりぴゅあはーとは予想通り上手だ。結成当時は5~6名でスタートしたようだが、今は10名を超えた?
ぜひ、生演奏を聴いてみたい。

ついでと言っては失礼ですが、同じ「前へ」の男声合唱版。こちらは作曲者佐藤賢太郎氏自ら指揮をする明治大学グリークラブの演奏だ。我が団でも歌ってみたいね。




追伸)
新曲の楽譜を配られて、個人練習+ちょっと全体で合わせて、一応合唱として聴かせるようにする…。そういうレベルの合唱もやってみたい…。


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楽天ーソフトバンク戦 at 東京ドーム

2011-07-03 | 徒然なるままに

先週の火曜日は、友人 I のご招待により楽天ゴールデンイーグルスの東京ドームの試合を観に行ってきた。
昨年から、楽天は年に1回主催試合を東京で開催する。去年はオリックス戦だっけ?確か楽天が勝ったと思う。
今回は仙台の友人が勢揃い。SK夫妻、SH夫妻、A家族、両O嬢、そして僕。
僕は試合開始に間に合わず、7時ごろにドームに着いたけど、バックネット裏のなかなか良い席だったですよ。昼間は真夏日となり、ビールも旨い! I よ、いつもありがとう!

で、これで楽天が勝てば言うことなし…なんだけどねぇ~。
今年の楽天は、どうも踏ん張りが利かない。先取点を取っても簡単に逆転されたり、せっかく逆転したと思ったらすぐ追いつかれたり、リードしてもなかなか追加点が取れないうちに逆転されたり…。
僕は野球はあまり詳しい方ではないけど、それでもリリーフピッチャーの弱さとか、得点力不足とか、さすがにその辺は分かる。この日も、1点取られた後逆転したのに、そのあと小久保に逆転3ランを打たれたりで、結局結構の点差で負け。
岩隈も山崎も故障で戦線離脱。選手層の薄い楽天にとっては大変なんだろうけど、もう少し頑張ってほしいなぁ。パ・リーグは、3位以下はほとんど団子状態だ。十分に3位=クライマックスシリーズ進出の可能性があるんだから。
宮城の人だけじゃなくて、東北全体が期待しているよ。頼むぜ、楽天!


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