忍之閻魔帳

ゲームと映画が好きなジジィの雑記帳(不定期)。
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2006年の幕開けは「THE 有頂天ホテル」と共に

2006年01月12日 | 作品紹介(映画・ドラマ)


東宝
THE 有頂天ホテル スペシャル・エディション

年始に観るなら重苦しい映画よりも
軽めのコメディがいいという持論に基づき、
2005年の幕開けに「カンフーハッスル」を勧めた私だが、
2006年の幕開けは「THE 有頂天ホテル」を大プッシュしてみたい。
「THE 有頂天ホテル」は、
三谷幸喜作品と聞いて飛びつくコアファンはもちろん、
フランスやイギリス等の上質なコメディが好きという方から
「釣りバカ日誌」だけは毎回欠かさず観ているという方まで、
幅広い世代にお勧め出来る「ジャパニーズコメディ」の傑作である。

既に散々言い尽くされてきたこととはいえ、
それでもやはり言わずにおれない、秀逸過ぎる脚本の上を、
二度と揃わないのではないかというほどの超豪華キャストが
ドタバタと駆け抜けていく。
2時間16分もあるとは思えないスピーディーな展開に
瞬きすら惜しくなってしまうこと請け合いだ。

「THE 有頂天ホテル」は、大晦日の夜10時、
あと2時間で年が明けるという慌ただしさの中、
ホテル・アバンティに集う人達を描いている。
現実の2時間がそのまま映画の中の2時間になっているため、
観客は否応無しに劇中に引きずり込まれ、
いつしかアバンティに居る客の一人のような気にさせられてしまう。
解決に向かうどころかこじれていく展開に、
我が事のようにハラハラしてしまうのだ。

舞台女優としての素晴らしさが
ようやくスクリーンに収められた松たか子、
ダブダブと並ぶ狂言回し役として
八面六臂の活躍をする篠原涼子。
FAIRCHILD時代から13年ぶりに歌声を披露したYOU、
ほとんど「出オチ」状態の伊東四朗と西田敏行、
私的にはこの5人が頭ひとつ出て良かったが、
きっと観た人の数だけ意見が異なることと思う。
少なくとも、「下手」な人は一人もいなかった。
これ、当たり前のようだが、最近の邦画ではかなり珍しいことなのだ。
強いて言えば、原田美枝子が三谷作品のテイストと相性が悪いのか、
今ひとつ演りにくそうだったことぐらいか。

冒頭に登場する若い夫婦に見覚えは無いか、
館内ナレーションやダブダブの声に聞き覚えはないか、
三谷作品を観た方ならニヤニヤ出来る小ネタもしっかり盛り込んであるので、
2回目以降は重箱の隅を突くような楽しみ方もいいかも知れない。

舞台好きな方は、「どうせなら舞台で」と言うかも知れない。
実際、舞台向きの脚本だとも思う。
しかし私は、舞台では再現出来ないホテルという空間をフルに使い、
舞台ならではの楽しさを映画で表現してしまった三谷氏に
掌が腫れ上がるほどの拍手を贈りたい。

ひとりでも多くの方が劇場に足を運ばれんことを祈って。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
  タイトル:THE 有頂天ホテル
    配給:東宝
   公開日:2006年1月14日
    監督:三谷幸喜
   出演者:役所広司、佐藤浩市、戸田恵子、香取慎吾、他
 公式サイト:http://www.uchoten.com/
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
コメント (20)
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