いぬやしき◎たまにはコミック立ち読みでも

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いぬやしき第1巻のあらすじとレビュー

2017-07-10 03:21:51 | あらすじとレビュー(ネタバレ注意)
いぬやしきの一巻は引っ越しの風景で始まる。

定年間近の一人の男が、念願かなってマイホームを手に入れるのだが、妻も子供もありがたがる素振りすらない。

奥浩哉の漫画って不条理の世界ですね。いぬやしきにかぎらず、どの作品もそんなカンジ。当人の努力とか、能力とか現実の境遇に全く反映されてないです。

ですけど、このサラリーマン・犬屋敷壱郎(いぬやしき・いちろう)は、偶然巻き込まれたトラブルから、奇跡の生還を果たします。

ところが、その結果、誰にも言えない秘密を抱えてしまう事に。

58歳って言うとサラリーマン人生も終盤。あとは、退職して、なにがしか再就職をして・・・・って時期ですね。

それでいて、結婚の遅かった人はまだ、学生の子供を抱えているかもしれませんし、なかなか大変な時期です。

しかも犬屋敷壱郎は職業人としても凡庸で人望なんかない。それを受けて本人も希望どころか浅い悲観しかない。

しかもガンが見つかり、ますます希望のない土砂降り人生。

ただ救いがあるとすれば、犬屋敷壱郎は基本・善人だということ。

それで、本来なら死亡確定のところ、宇宙人の仕業で機械仕掛けのサイボーグとして再生したのち、人助けに没頭しちゃうわけです。

不運と不幸のジルバ転じて、冴えないビジュアルだけどスーパーマンって、なんだか救われた気分になるヒトって結構多いと思いますが。w

救われるだけでなく、ジンときて、スカっとする「いぬやしき」。この作品はアニメ化コミックであり、実写映画化コミックでもあります。

奥浩哉のマンガ

2017-05-17 09:29:40 | いぬやしき
『いぬやしき』は、奥浩哉による日本の漫画。

奥浩哉のマンガには「少年漫画」のイメージがあるけど、実はこの人、青年コミックばかりで少年漫画にはあまり縁がない。

ちょっと調べてみたら、WIKIにこんな記述があった。

「2015年4月22日発売の『週刊少年マガジン』第21・22合併号には、作者初の少年誌掲載となる出張掲載も・・・」

作品リストでも、ヤングジャンプ、ミラクルジャンプ、イブニングと、一貫して青年漫画誌で掲載されたマンガばかり。

絵柄もプロットも少年漫画っぽいんだけどね。

やっぱりか…奥浩哉作品だもんねぇ…

2015-06-03 20:18:23 | いぬやしき
漫画家・奥浩哉というと集英社のYJ(少年誌寄りのマンガ青年誌)と、思い込んでいた管理人なので、講談社の青年誌・イブニング(リーマン向けの青年コミック誌)にこの人の名前を見ても、GANZの作者だとしばし気づかなかった。

ま、それはさておき。

パッと見、じじいの主人公ってありうるか?ヒーローの犬屋敷壱郎は見た目からして、加齢臭漂う58歳。しかもキャラクターデザインは現実の58よりだいぶ加齢したビジュアルで、作者=奥浩哉の悪意を感じるくらいに老けてる。(笑)

さらに、この犬屋敷壱郎(名前が漢数字って昭和ヒトケタ生まれか!?)性格は実直だが、とても気弱でとにかくさえない。会社ではもちろん、大黒柱として尊重されてもよい家庭でも家族からはバカにされた扱いで、なかなかイタイポジションである。

これにいきなり落下物がヒット、奥浩哉お得意の不条理の世界だが、この人の作品に触れたことのない読者だとのけぞっちゃいそうな、唐突な展開。そして地球外文明の産物であるテクノロジーと融合することで強力なパワーを得てしまう爺さん。

このあとは勧善懲悪的な展開となるのだが、ゲットした超常能力を壱郎が悪用せず、勧善懲悪的に社会的な不良分子を懲らしめるのに使う。この辺りは奥浩哉作品らしいと言えばよいか。

ただし、懲悪の手法は結構えぐいもので、反省を促す的な性善説に基づくものでなく、社会的に抹殺するという、ある意味暴力で叩きのめすより冷酷なアプローチであるところが、これまた奥浩哉のマンガらしい。

後味さわやかとはいかないが、暗澹たる気分になることもないので、あまり考え込まずにあくまでも娯楽コミック作品として付き合うのがよろしかろう。

面白いか?いぬやしき

2015-06-03 10:17:03 | いぬやしき
「いぬやしき」、奇妙なタイトルのこのコミック作品、リーマン向け青年誌(成年誌?)のイブニングで連載中の人気コミック。というよりは、『いぬやしき』の作者があの奥浩哉=「GANZ」の作者って言ったほうが興味をひくかもしれない。

この漫画、一巻の最初で投げちゃう人もいをうだ。なんだか日常漫画のようなオープニングに、尋常らしからぬ雰囲気がちらほら見えて、コミックなのかシリアスなのか、スタートからして不思議な雰囲気が漂う。しかも、つかみが強力というわけでもないし、登場人物のキャラデがぬきんでて魅力的というわけでもない。

家庭では、家族の信頼厚いわけではなく、威厳もないから尊敬もさ。勤務先ではただ長く在籍しているだけでこれといった実績もない。もちろん出世もない。そんな冴えない58歳の「犬屋敷」。初老に至ってやっと建てたマイホームにしても、家族はたいして感謝もないし、ねぎらいのことばもない。

そんなないない尽くしのの主人公=いぬやしきにある日奇禍が襲う。あろうことか宇宙からの落下物にヒット!もちろん命を落としてしまう。ところが…、落下物は未知のテクノロジーを備えていた。かくして、いぬやしきは機械としてよみがえることに。

まー、最初で投げずに一巻の終わりぐらいまでは読んでみよう。GANZもそうだが、設定がオリジナリティあふれるというか、あふれすぎなのでダメな人はダメということで仕方ないが、「いぬやしき」は読者を引きずり込むエネルギーと面白さのどちらも持ったコミック作品だということは間違いない。