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名ばかりの議会改革~福岡市議会

2016-12-19 17:22:25 | 福岡市政

昨年9月、福岡市議会は、市民に開かれた議会をめざして「議会改革調査特別委員会」を設置した。これまで「常任委員会採決時の公開」と「発言残時間計の設置」が、そして今月7日、市議会広報としてDVDの作成が決まった。中でも「常任委員会採決時の公開」は、市民の悲願だった。福岡市では、委員会の採決時、傍聴している市民を部屋から追い出すという信じられないような行為が慣例とされていた。これには多くの市民から批判が上がっており、数十年間、多くの請願や陳情が出されていた。公開に反対していた自民党だったが、ついに市民からの声に押された形で公開は実現した。

議会改革調査特別委員会にはいくつかの調査項目がある。(下図参照)ところが、「採決時の公開」が決まって以降、ほとんど議論は進んでいない。「発言残時間計の設置」や「議会DVDの作成」など、自分たちに都合の良いことはさっさと決まるのだが、市民との関りが大きい「常任委員会議事録への発者名記載」や「常任委員会のインターネット中継」は遅々として進まず、挙句の果てに、棚上げにされた。福岡市の場合、常任委員会で発言した議員を〇△で表示しているため、どの議員が何を言ったのか全くわからない。とても議事録と呼べる代物ではないが、これに自民党などが発言時間に制限を設けなければ賛成しないと言っている。余程、自分の発言に自信がないのだろう。ちなみに、議事録に発言者名を記載していないのは、政令市の中で福岡市だけ。また、インターネット中継についても、自民党などが費用がかかるとか、中継してどれほどの市民が見るのかと言って結論を引き延ばしている。ちなみに、自民党光安会長は今年6月、西日本新聞の取材に対し、「委員会議事録への発言者名の記載や常任委のインターネット中継については、売名行為につながらないか。発言の多い野党系会派ばかりが目立っては公平性が保てない」と驚くような発言をしている。

「陳情を請願と同等に扱うこと」については、賛否両論があったものの、これまで通りとなった。北九州市では、陳情も請願同様に議会できちんと話し合われている。しかし、福岡市の場合、陳情は書類が回覧されるだけで、話し合われることはない。「継続審議の取り扱い」についても現状のまま、何も変わらない。共産党は、「請願審査時に請願者へ質問を行うこと」を議題にするよう要望していたが、バッサリ切り捨てられた。(賛成は共産党と緑ネットのみ)共産党中山議員は、「請願審査の中で請願者へ内容を確認するのは市民参加の観点から大変重要だ。(この結果は)大変遺憾に思っているが、見通しがないので別の場所で機会を探りたい」と悔しさを滲ませていた。

まさに、議会改革とは名ばかりの委員会。これで来年から議会基本条例について話し合うという。本気だろうか。

 

 

 

《関連資料》

議会改革調査特別委員会(日程アーカイブ) 

議会改革調査特別委員会(案件及び資料一覧)※12月7日の資料は未掲載


 



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