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博多陥没工事再開~福岡市は過失なし?

2017-06-10 21:15:16 | 博多陥没

前代未聞の陥没事故から7ヶ月、トンネル工事の再開に向けていよいよ動き出した。事故当時、埋め戻しの早さが評判となっていたが、言ってみれば突貫工事。流動化処理土の中には下水道管や信号機、ガソリン入り発電機などの産業廃棄物が埋まったまま。さらに、その下の部分には土砂や地下水が堆積している。現在、それらの抵抗力とトンネル上部からの圧力が均衡を保っているため、路面沈下量は数ミリ程度に留まっている。しかし、博多駅側のトンネル両脇には風化頁岩と呼ばれる軟らかい層が並走しているため、一気に水を抜けばバランスが崩れ、数センチの地盤沈下が起きる恐れもある、と九州大学安福規之教授は指摘している。そこで、今日から地盤の状態を把握するためのボーリング調査がはじまった。調査期間は3~4ヵ月、陥没場所周辺27ヵ所で実施される。(下図参照)福岡市交通局と大成JVは地質の状況を把握した後、地盤改良やトンネル坑内の水抜き、土砂撤去の施工方法、再掘削工法などを検討するという。

ところで、福岡市は6日、周辺店舗などへの損害賠償金や現場の復旧費用を、施工者の大成建設・佐藤工業・森本組・三軌建設・西光建設JVが全額負担することで合意したと発表した。発注者である市は、設計や監督に「過失はなかった」と主張し、表面上は大成建設JVがそれを受け入れた形になっている。これは国の第三者委員会が工法の選定に誤りはなかったと判定したことが大きく影響していると思われる。何故なら、福岡市は専門家からリスク(危険)を伴うと言われながらも、強引にNATM工法を推し進めたからである。

しかし、第三者委員会が今年3月にまとめた最終報告書では、NATM工法で掘っていたトンネルの上端付近で、岩盤の強度と厚さを実際より過大に評価して設計・施工したこと、高い地下水圧に対する安定性の検討が不十分だったことが、直接的な事故の要因だと判定している。つまり、設計者である福岡市の過失は”ゼロ”ではないのである。大成JVが損害賠償金を全額負担することと過失の問題は同列に扱ってはならないだろう。事故現場は、高島市長肝いりの国家戦略特区に指定された場所であり失敗が許されないところだった。福岡市と大成JVとの合意の背景には、こうした”特殊”な事情が影響していると思われる。

いずれにしても、今回の陥没事故で死者や死傷者がでなかったことは幸いだった。だからこそ、福岡市には「過失はあった」ということを自覚してほしい。来週13日からは6月議会がはじまる。陥没事故についての議員質疑もあるようなので、是非、ここのところをきっちり指摘してもらいたい。二度とこのような事故を起こさないために。


撮影日:2017.6.10 午後3時すぎ

陥没現場 写真右に博多駅





福岡市職員の姿も





コアが見える





コアボーリング ここでは崩落範囲の調査を行う(下図参照)

  

 

 

 27ヵ所のボーリング調査が行われる(日経コンストラクション:福岡市資料より)

 


道路陥没部断面図

埋め戻し後のボーリング調査などを基に推定されたもの。トンネル天端付近の崩落範囲やトンネル縦断方向の陥没形状などはまだ明らかになっていない。(日経コンストラクション:福岡市資料より) 

 

 

《関連記事》

博多陥没、七隈線の工事再開(西日本新聞 2017.6.8)

博多陥没で大成JVが全額賠償、市は「過失なかった」(日経コンストラクション 2017.6.9) 

陥没 改めてボーリング調査開始(NHK福岡 2017.6.10)

 

《関連資料》

福岡市交通局HP


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