「功罪」とは大袈裟ですが。
先日、桂米朝さんが亡くなられました。
お高齢とはいえ残念です。
もちろん何度も高座をうかがい強い印象があります。
現代の数少ない名人でしたね。
○
私はどうしても志ん朝を思い浮かべます。
二人とも理知的で、演出をきちんとされ、笑いも多いが
中に引き込ませる噺もまた素晴らしい。
現代に古典を生かす腕もさすがでしたね。
ただ、お叱りを受けるかもしれませんが、個人的には
志ん朝のほうが好きでした。
一つには関西で米朝を聞いていないという点もあるかとは
思います。
実は米朝さんの体質も江戸落語向きではなかったか?
上方落語にある、こてこて、べたべたな部分は
知性の米朝にはきついものがあったのではないでしょうか。
客にもコテコテ文化があれば乗ってくれるとは思いますが。
○
落語を現代の営業的に成り立たせるための力も
米朝さんは発揮されました。
ホールで沢山の客を集める落語です。
これで落語が生き返ったのです。
漫才の添え物からも抜け出せました。
ただし噺が変質します。
お互いのやり取りがあってこそ成りたつのが「はなし」
ホール落語は演劇風な世界に近づきます。
大事なものが抜け落ちちゃった。
志ん朝も同じことが言えました。
本当の古典の世界がホール落語で可能か?
亡くなる前のある種のスランプは、そのままの志ん朝では
八代目文楽や円生という目標に届かないと思えたからでしょう。
本当の大物と並ぶとどこかひ弱でした。
兄の馬生にすら及ばないのです。
独演会の輝きが出ません。
彦六の若いころ、彼にマキざっぽで追いかけられた、
どこかにそれが抜けないで残っていたのでは?
○
米朝の上方らしくなさ、
それも理知が邪魔をしていたのかもしれません。
米朝ワールドだから、それは良い、のかもしれないけれど。
○
私の好きな八代目正蔵のような、小屋掛けで聴く
昔ながらの噺は、もう消えてしまっているんでしょうね。
先日、桂米朝さんが亡くなられました。
お高齢とはいえ残念です。
もちろん何度も高座をうかがい強い印象があります。
現代の数少ない名人でしたね。
○
私はどうしても志ん朝を思い浮かべます。
二人とも理知的で、演出をきちんとされ、笑いも多いが
中に引き込ませる噺もまた素晴らしい。
現代に古典を生かす腕もさすがでしたね。
ただ、お叱りを受けるかもしれませんが、個人的には
志ん朝のほうが好きでした。
一つには関西で米朝を聞いていないという点もあるかとは
思います。
実は米朝さんの体質も江戸落語向きではなかったか?
上方落語にある、こてこて、べたべたな部分は
知性の米朝にはきついものがあったのではないでしょうか。
客にもコテコテ文化があれば乗ってくれるとは思いますが。
○
落語を現代の営業的に成り立たせるための力も
米朝さんは発揮されました。
ホールで沢山の客を集める落語です。
これで落語が生き返ったのです。
漫才の添え物からも抜け出せました。
ただし噺が変質します。
お互いのやり取りがあってこそ成りたつのが「はなし」
ホール落語は演劇風な世界に近づきます。
大事なものが抜け落ちちゃった。
志ん朝も同じことが言えました。
本当の古典の世界がホール落語で可能か?
亡くなる前のある種のスランプは、そのままの志ん朝では
八代目文楽や円生という目標に届かないと思えたからでしょう。
本当の大物と並ぶとどこかひ弱でした。
兄の馬生にすら及ばないのです。
独演会の輝きが出ません。
彦六の若いころ、彼にマキざっぽで追いかけられた、
どこかにそれが抜けないで残っていたのでは?
○
米朝の上方らしくなさ、
それも理知が邪魔をしていたのかもしれません。
米朝ワールドだから、それは良い、のかもしれないけれど。
○
私の好きな八代目正蔵のような、小屋掛けで聴く
昔ながらの噺は、もう消えてしまっているんでしょうね。