虚言回し

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オルビス 後3日 出発

2005-08-06 | ジャクム討伐。
「翼人探しにしゅっぱーつ!」
 元気良く風夏が宣言する。
 風夏が翼人の像を見つけたオルビスの街の西端に二人はいた。
「しゅっぱーつ!」
 昨日、翼人探索を決意した二人が夜まであちこちで情報収集してみると、魔法屋の主人も知らなかったらしい翼人の目撃談がいくつもあったことが分かった。オルビス開発の際に障害となるモンスターを退治していた冒険者などの目撃談がほとんどで、翼人は島のいろいろな場所で目撃されていた。
 それらはばらばらの全く関係性のない情報のように支馬には思えたが、しかし風夏は稀に見る情熱をもってそれらの情報の関連性を見出したのだった。
 そして、翼人のいる可能性が一番高いのはやはり街の西の建物の跡であるという結論に達し、翌日にも出発しようということになった。
 冒険に必要な基本的なアイテムは島で用意して持ってきてあった。風夏も支馬も卵とは言え冒険者の端くれであるからこれは当然のことで、少なくとも二人はそう考えてアイテムをそろえた。
 オルビスは浮遊島と言えどもかなりの広さがある。大体の地理を記した地図が街で売られていて、それを見る限り例の建物跡までも徒歩で数時間はかかる。帰りのことも考えた二人は出発を朝に決めた。
 そして一夜明けた朝、良牙の目を盗んで部屋を出た二人は今こうして出発の時を迎えている。
 雲とも霧とも着かないもやに地面は覆われていた。それも日が昇ると共に消え行くのだろうが冷たく肌に張り付く水滴が体温をどんどんと奪っていくような気がする。しっかりとした服で来たがそれでもかなり冷える。
「結構寒いなー」
 支馬がぼやく。寒いのは苦手だった。それでも翼人への興味から、そして冒険への嬉しさから心は躍っていたが。
「はいはい、ぼやかない。翼人見つけて兄ちゃん驚かせてやるんだから」
 風夏は元気なものだ。良牙を見返してやろうと躍起になっている感がある。
 はて、そんなに奪還作戦に関わりたかったのだろうか。支馬は不思議に思った。
 いつもとなんか違う。
 何となく違和感を感じた島だったが、しかしそんな事を考えたのも最初だけだった。
 浮遊島オルビス。
 空を見上げれば廃墟の上にはいくつもの小さな土台が浮いている。ほとんどは破壊され瓦礫と化しているが、ビクトリアでは見られないような特殊な紋様や形で造られる建物などがとても面白かった。割れた地面から下の空が見下ろせるような不思議な土地を歩く事が楽しくてしょうがなかった。初めての土地をこうして探検するのは全く最高の娯楽であった。
 人が乗れるふわふわとした雲の足場もあった。足元の感触が気持ちよく、二人は翼人のことも忘れて暫らく遊びふけったりした。
 そして、日が昇ってそろそろあったかくなってきた頃、二人はとうとうオルビスのモンスターに出くわした。
 スターフィクシ。それも複数匹。
 可愛らしい、帽子をかぶったお化けのような格好のモンスターは二人を認識すると手に持ったステッキの先から魔法弾を飛ばして攻撃してきた。
 街で聞いたとおりの攻撃で、何匹もまとめて相手にすると結構手ごわい事もあると聞いていたが、二人は自分達でも意外なほどあっさりとこのモンスターを倒す事が出来た。
「なんか、凄い体が自由に動く感じがする」
 支馬が原因だった。
 嵐太郎よってバランスを整えられた支馬の体は意識との誤差を無くして実に自由に動けるようになっていた。重心を意識した体はどんな体勢からも必殺の一撃を繰り出す事が出来た。元々器用な方である支馬は、基礎的な部分を矯正されることにより飛躍的にその能力を上昇させたのだ。
「凄いねぇ」
 風夏は支馬の成長を喜んでくれたが、その声に嫉妬の響きが混じるのは仕方がない事か。
 街から離れるほどにモンスターはその数を増していったが、支馬と風夏は力試しをするように嬉々として退治していった。
 そして、日が中天に差し掛かる頃、二人は目的の場所にたどり着いた。

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2 コメント

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Unknown (ふーか)
2005-08-07 04:24:00
何故かふーかは死んだ



「ぐわー」





おお勇者よ なさけない(ry
Unknown (シルヒト)
2005-08-07 14:24:49
ば、バカ!



そこは「ぬわーー!!」じゃないと(違