ひだまり徒然日記~心の病を抱えつつ~

いろいろと病気丸出しだけど、激しく生きてます!!そんなあたしの趣味やら感じたことなど書いてます。

ルイス・キャロルの詩

2005年10月14日 13時05分33秒 | ひだまり図書館

ぼくの妖精       
ぼくについてる妖精が      
眠っちゃいけないって言うんです      
あるとき怪我して叫んだら      
「泣いたりしちゃいけません」       
ついつい楽しくてニヤリとすれば      
笑っちゃいけないって言うんです      
あるときジンが飲みたくなると      
「ものを飲んではいけません」       
あるときご飯を食べたくなると      
「ものを食べてはいけません」      
勇んで戦に馳せ参じたら      
「喧嘩をしてはいけません」       
悩み疲れてぼくは訊く      
「していいこと なにがあるの?」     
 妖精しずかに答えていわく     
 「質問してはいけません」            
<教訓>汝・・・べからず
     


 MY FAIRY      

 I have a fairy by my side
Which says I must not sleep,
When once in pain I loudly cried
It said You must not weep.
If,full of mirth,
I smile and grin,
It says You must not Laugh;
When once I wished to drink some gain
It said You must not quaff.
When once a meal I wished to taste
It said You must not bite;
When to the wars I went to haste
It said You must not fight.
What may I do?at length I cried,
Tired of the painful task.
The fairy quietly replied,
And said
You must not ask. MoralYou mostn't.
      



ルイス・キャロルと名乗る前のチャールズ・ラトウィジ・ドジソンという本名で      
13歳の頃に創刊していた家族回覧用の詩誌「有用かつ教訓的なる詩」に掲載し      た詩です。半年ほど続いて15篇で廃刊となりました。現存する初期の作品ですが、
滑稽めかした書きぶりにもかかわらず、キャロルに終生つきまとう「汝・・・べからず」
とうい強迫観念がすでにあからさまとなっている作品です。      
表題が暗示する童話めいた感じとはうって変わって、「本能」が「超自我」によ      て暴君的に抑圧されている有様がありありと見えます。      
あたしがこの作品に出逢ったのは高校生のときでした。県の英語のスピーチで3位      になったときに、お祝いとして両親行きつけのジャズ喫茶のマスターに詩集をもら      い、その最初に載っていたものです。      
ルイス・キャロルは変人だと思っていましたが、彼の詩集を読んでさらに彼の心の      闇を垣間見た気がします。また、写真も載っていますが、アリス・リデルへの執着      っぷりには異常ささへ感じます。      
「ぼくの妖精」を読んだときは、なんとも言えない恐ろしさに鳥肌が立ったのを      覚えています。      
みなさんは、この詩を読んでどう思いましたか?