滋賀県栗東市がたばこ税の確保のため、たばこ小売業者に2億5000万円の融資を決めた問題で、滋賀県は6月11日までに、栗東市に対し「融資は不適切」との判断を伝える方針を固めた。県は「特定業者を優遇してたばこ税を一極集中させる施策は、地方自治法などの趣旨に反する」としている。
県は、栗東市の融資について▽公益性が低い▽大口の小売業者を1カ所に集中させることは、税の偏在性を高め、地方税法などの趣旨に反する▽他市町の減収につながる-などと指摘。総務省も「雇用の促進などの公益性が認められない。業者に足元を見られる恐れがある」(市町村課)と融資の違法性を指摘している。
一方、栗東市は「融資の根拠となる条例では対象をたばこ小売業者に限定していないので、特定業者の支援には当たらず、問題はない」としている。
栗東市は2000年にたばこ税確保のための「市企業事業資金貸付条例」を制定。たばこ小売業者から低利融資を求められたことを受け11日、6月定例市議会に補正予算案を提出した。
■たばこ税 日本たばこ産業(JT)などが小売業者にたばこを販売する際、その本数に応じて課税される。小売業者の事業所の所在地である市町に納税される。栗東市内では小売業者4社が事業所を構えている。年間のたばこ税収入は24億円(2006年度決算)と、県内全26市町のたばこ税収入の2割を占める。
(6月13日付け京都新聞)
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008061200037&genre=A2&area=S00