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【1105/101:信楽高原鉄道】信楽鉄道事故20年 「安全の鐘」後世に

2011-05-14 01:19:55 | Weblog
【写真:妻を失った鉄道安全推進会議・TASK会長の吉崎俊三さん。「事故を風化させてはならない」と語る=兵庫県宝塚市(大塚聡彦撮影)】

 滋賀県甲賀市(旧信楽町)で平成3年、42人が死亡した信楽高原鉄道事故から14日で丸20年を迎える。事故で妻を亡くした吉崎俊三さん(77)=兵庫県宝塚市=は国や鉄道会社に遺族の声が届かなかった悔しさをばねに公的調査機関の設置を目指して活動、国の運輸安全委員会設立に道筋をつけた。「妻との思い出を胸に国や鉄道会社と闘い続けた20年だった。二度と同様の事故を起こさないためにも、風化させてはならない」と話す。

 ■「安全の鐘」後世に

 吉崎さんの妻、佐代子さん=当時(53)=は、信楽高原鉄道の列車と正面衝突したJR西日本の列車の1両目に乗り、帰らぬ人となった。が、JR西は一貫して「悪いのは信楽高原鉄道」と責任を認めなかった。吉崎さんは「(JRの)列車に乗らなければ妻は死ぬことはなかった。納得できない」と憤った。

 事故当時、鉄道事故の公的な調査機関はなく、遺族の原因究明の声は担当省庁の旧運輸省(現国土交通省)やJR西に届かず、補償交渉は鉄道会社の主導で行われたという。

 「個人でやっていてもだめだ」

 吉崎さんは事故の3カ月後、遺族5人で、公的な事故調査機関の設置を目指す鉄道安全推進会議(TASK)を設立。わずかの間に700人近い会員が集まり翌年、事故調査機関の設置が義務づけられている米国や欧州を視察。調査結果をすべて公開するという姿勢に衝撃を受けた。地道な運動を続け、事故から10年後の13年10月に、国内で初めて鉄道事故についての公的な調査機関となる「航空・鉄道事故調査委員会」が設立され、15年には、JR西がようやく事故の責任を認め、正式に謝罪した。

 「もう自分たちのような悲痛な思いをだれにもさせたくない」。心底思った。

 ところが、JR西の謝罪からわずか2年後の17年4月、兵庫県尼崎市のJR福知山線で脱線事故が発生。乗客106人が犠牲になる未曽有の大惨事となった。

 信楽鉄道事故でJRが謝罪するまでかかった年数は12年。吉崎さんは「JRがもっと早く責任を認め社の体質を改善していれば、福知山線の脱線事故を防げたかもしれない」という。

 一時は「自分たちの活動は報われなかったのか…」と苦しんだが、脱線事故でJR西と補償交渉にあたっていた遺族から「信楽鉄道事故の遺族の活動がなかったら、一から始めなければならなかった」と激励され、勇気づけられた。

 この言葉をきっかけに、ほかの鉄道、航空事故の遺族と交流するようになり、20年には520人の犠牲者を出した日航ジャンボ機墜落事故現場の御巣鷹の尾根(群馬県)に登った。

目にしたのが「安全の鐘」。遺族が打ち鳴らし、事故の風化を防ぐ象徴になっているモニュメントだ。

 信楽鉄道事故から丸20年を迎える14日、事故現場で新たに設置される「安全の鐘」(高さ約50センチ)が除幕される。約2メートルの支柱につるされ、遺族たちが打ち鳴らす。遺族を代表して吉崎さんが「慰霊のことば」を述べ、JR福知山線脱線事故や日航ジャンボ機墜落事故の遺族も参列する予定。

 TASKの活動はいまも続き、陸・海・空の事故の調査機関を統合した運輸安全委員会が20年に設立された。吉崎さんはこう思う。

 「TASKは90%は役割を終えたが、信楽の事故の記憶は受け継いでいかなくてはならない。『安全の鐘』はそのための大切なシンボルになる」


 【用語解説】信楽高原鉄道事故

 「世界陶芸祭」が開かれていた滋賀県甲賀市(旧信楽町)で平成3年5月14日午前10時35分ごろ、信楽高原鉄道(SKR)の単線区間で、SKRの普通列車とJR西日本の臨時快速列車が正面衝突し、42人が死亡、600人以上が負傷した。SKRの当時の運転主任ら3人が業務上過失致死罪などに問われ、執行猶予付きの有罪判決が確定。民事訴訟では、JR西とSKRの過失割合が争われた訴訟で、大阪地裁の「SKR7割、JR西3割」とする判決が今月確定し、すべての訴訟が終結した。

(5月13日付け産経新聞・電子版)

http://sankei.jp.msn.com/region/news/110512/shg11051213510005-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/region/news/110512/shg11051213510005-n2.htm
http://sankei.jp.msn.com/region/news/110512/shg11051213510005-n3.htm

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