大津市打出浜の大津パルコ横に建設予定だった厚生労働省の滋賀労働総合庁舎が、政権交代による公共事業削減のあおりで計画が事実上白紙に戻っていることが分かった。建設業者と結んだ契約も今年1月に解除。県から購入した一等地は2年半、更地のままになっている。厚労省は「全国に先駆けたモデルケースとして企画したが運が悪かった。断腸の思いだ」と話している。【稲生陽】
同省や国交省近畿地方整備局によると、同庁舎は鉄筋コンクリート6階建て延べ約5400平方メートルで計画(総工費約16億円)。当初は今年2月に稼動開始の予定で、労働局と労基署、ハローワークが入った全国唯一のワンストップサービス庁舎になる計画だったという。07年9月に約2000平方メートルの土地を県から5億5000万円で購入し、本体工事(約10億円)は昨年3月、大手建設業者と契約を結んだ。
ところが着工寸前の昨年3月下旬、内閣の地方分権改革推進本部が出先機関の統廃合に関する工程表を決定。都道府県単位の労働局廃止が今後の検討課題に上り、同省は急きょ工事を中断させた。8月の総選挙で出先機関廃止や公共事業見直しを掲げた民主党に政権交代したため建設業者との契約も解除したという。業者は作業費用の弁済について協議していると説明しており、厚労省も「必要経費は払わざるを得ない」としている。
一方、労働局などの現庁舎は老朽化が進み、同市御幸町の労働局は築42年。ハローワーク大津(同市中央4)と大津労基署(同市馬場3)もそれぞれ築38年経っており、狭さから利用者の行列ができることもある。同省地方課は「(民主党が設けた)地域主権戦略会議が6月にまとめる大綱で『廃止』となればすべてご破算。ダム建設さえ止められる中、計画実現は難しいかも知れないが、土地を買った以上どうするか考えなくては」と頭を抱えている。
(4月8日付け毎日新聞・電子版:9日付け朝日・電子版なども報道)
http://mainichi.jp/area/shiga/news/20100408ddlk25010448000c.html
【庁舎新築 1年余保留/厚労省の出先機関】
■労働局、統廃合検討で
厚生労働省が大津市に計画した出先機関の庁舎新築の着工が、1年余り保留されている。新庁舎に入居する予定だった滋賀労働局が統廃合の検討対象となったためで、労働局と同居するはずだった大津公共職業安定所(ハローワーク大津)と大津労働基準監督署だけを入居させる形で計画を練り直す可能性もあるという
厚労省は07年、大津市打出浜の大津パルコわきの約2千平方メートルを、県から約5億5千万円で購入。総工費約15億9千万円で鉄筋コンクリート6階建ての「滋賀労働総合庁舎」を建てる計画だった。
昨年3月に建設会社など3社と契約を締結。工期は今年3月までで、実現すれば労働局とハローワーク、労基署の3機関が同居するのは全国初だった。
ところが、契約した矢先に国の出先機関の統廃合の工程表を政府の地方分権改革推進本部が打ち出し、都道府県ごとにある労働局が検討対象となったため、着工を保留。昨秋には出先機関の原則廃止を掲げる民主党政権が誕生し、政府の最終的な判断を待つ状態が続いている。
このため、今年1月に建設会社などとの契約を解約。建設を担当する国土交通省近畿地方整備局によると、業者とは作業費用の弁済をめぐり協議中という。
滋賀労働局によると、3機関の現在の庁舎はいずれも築約40~50年で老朽化が目立つ。加えて、利用者が多いハローワークは駐車場のスペース不足が大きな課題となっているため、厚労省地方課は「仮に労働局が廃止されても、ハローワークと労基署の新築は課題として残る」としている。
(4月9日付け朝日新聞・電子版)
http://mytown.asahi.com/shiga/news.php?k_id=26000001004090002
同省や国交省近畿地方整備局によると、同庁舎は鉄筋コンクリート6階建て延べ約5400平方メートルで計画(総工費約16億円)。当初は今年2月に稼動開始の予定で、労働局と労基署、ハローワークが入った全国唯一のワンストップサービス庁舎になる計画だったという。07年9月に約2000平方メートルの土地を県から5億5000万円で購入し、本体工事(約10億円)は昨年3月、大手建設業者と契約を結んだ。
ところが着工寸前の昨年3月下旬、内閣の地方分権改革推進本部が出先機関の統廃合に関する工程表を決定。都道府県単位の労働局廃止が今後の検討課題に上り、同省は急きょ工事を中断させた。8月の総選挙で出先機関廃止や公共事業見直しを掲げた民主党に政権交代したため建設業者との契約も解除したという。業者は作業費用の弁済について協議していると説明しており、厚労省も「必要経費は払わざるを得ない」としている。
一方、労働局などの現庁舎は老朽化が進み、同市御幸町の労働局は築42年。ハローワーク大津(同市中央4)と大津労基署(同市馬場3)もそれぞれ築38年経っており、狭さから利用者の行列ができることもある。同省地方課は「(民主党が設けた)地域主権戦略会議が6月にまとめる大綱で『廃止』となればすべてご破算。ダム建設さえ止められる中、計画実現は難しいかも知れないが、土地を買った以上どうするか考えなくては」と頭を抱えている。
(4月8日付け毎日新聞・電子版:9日付け朝日・電子版なども報道)
http://mainichi.jp/area/shiga/news/20100408ddlk25010448000c.html
【庁舎新築 1年余保留/厚労省の出先機関】
■労働局、統廃合検討で
厚生労働省が大津市に計画した出先機関の庁舎新築の着工が、1年余り保留されている。新庁舎に入居する予定だった滋賀労働局が統廃合の検討対象となったためで、労働局と同居するはずだった大津公共職業安定所(ハローワーク大津)と大津労働基準監督署だけを入居させる形で計画を練り直す可能性もあるという
厚労省は07年、大津市打出浜の大津パルコわきの約2千平方メートルを、県から約5億5千万円で購入。総工費約15億9千万円で鉄筋コンクリート6階建ての「滋賀労働総合庁舎」を建てる計画だった。
昨年3月に建設会社など3社と契約を締結。工期は今年3月までで、実現すれば労働局とハローワーク、労基署の3機関が同居するのは全国初だった。
ところが、契約した矢先に国の出先機関の統廃合の工程表を政府の地方分権改革推進本部が打ち出し、都道府県ごとにある労働局が検討対象となったため、着工を保留。昨秋には出先機関の原則廃止を掲げる民主党政権が誕生し、政府の最終的な判断を待つ状態が続いている。
このため、今年1月に建設会社などとの契約を解約。建設を担当する国土交通省近畿地方整備局によると、業者とは作業費用の弁済をめぐり協議中という。
滋賀労働局によると、3機関の現在の庁舎はいずれも築約40~50年で老朽化が目立つ。加えて、利用者が多いハローワークは駐車場のスペース不足が大きな課題となっているため、厚労省地方課は「仮に労働局が廃止されても、ハローワークと労基署の新築は課題として残る」としている。
(4月9日付け朝日新聞・電子版)
http://mytown.asahi.com/shiga/news.php?k_id=26000001004090002