BSE&食と感染症 つぶやきブログ

食品安全委員会などの傍聴&企業・学者・メディア他、の観察と危機管理を考えるブログ by Mariko

【中国の鳥インフルエンザ】北京大使館が「注意事項」を掲載 【121人死亡説に全世界注目?】

2005年05月28日 09時48分33秒 | 鳥インフルエンザ
ニッポンの「危機管理」をぼんやりと考えながら鳥インフルエンザの情報を。。。

北京大使館が在留邦人に対して「注意事項」を掲載しました。
その後の情報にご注意ください。

青海省における高病原性鳥インフルエンザの発生について(北京大使館)
(05.05.26)
http://www.cn.emb-japan.go.jp/jp/01top.htm
http://www.cn.emb-japan.go.jp/jp/ryojibu/eoj050527j.htm

なお、ProMEDなどで注目され、真偽を調査中の未確認報道は以下です。中国政府は否定しています。
中国青海省:鳥インフルエンザで121人死亡 家族集団失踪 
【大紀元日本5月27日】(05/05/27 23:14)
http://www.epochtimes.jp/jp/2005/05/html/d37714.html

最新情報はここにも集まっています。
笹山登生の掲 示 板
http://www.sasayama.or.jp/saboard/b_board.cgi
その他のメディアリンク
中国の鳥インフルエンザで死者が出たという報道?&台湾でSARS騒ぎがあった
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/5a153861f509cb376643edf863719268
鳥インフルエンザが新型に変化したら私達の生活はどうなる?
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/2a969806cf5d1e54bacad89ab27d9554

過去のものですが、手洗いなどで参考程度になりそうな情報を掲載したSARSの情報源はこちら
http://www.geocities.co.jp/Technopolis/7663/
過去の中国の報道規制の様子などがわかります。また同じ轍を踏まなければいいのですが。


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青海省における高病原性鳥インフルエンザの発生について(北京大使館)
(05.05.26)
http://www.cn.emb-japan.go.jp/jp/01top.htm
http://www.cn.emb-japan.go.jp/jp/ryojibu/eoj050527j.htm
1.今次発生の状況
 中国衛生部は5月26日、次の通り発表しました。
・ 青海省の青海湖内にある鳥島にて死んだ渡り鳥から、鳥インフルエンザ(H5N1型)ウイルスが確認された。
・ 5月14日専門家を現地に派遣し、疫病の監視・予防措置を実施。
・ 5月25日時点で、人への感染は確認されていない。

2.これまでの状況
 2004年1月から7月までに、中国において高病原性鳥インフルエンザは16省(自治区・直轄市)50カ所の発生が確認されました。家禽における感染が確認されており、人への感染は確認されていないとのことです。
 また、昨夏以降ベトナム、カンボジア、タイで死者が発生しているものの、人から人への感染は確認されていません。

3.日常生活上のご注意
 中国に滞在される方におかれましては、日常生活上次のようなご注意をされるようお願いいたします。
(1)手洗い、うがいなど通常の感染症予防対策を励行すること。
(2)鶏舎等への立ち寄りを避けること。
(3)生きた鳥(鶏等に限らず、鳥類一般)やその内臓への接触、生きた鳥を扱う市場への不用意、無警戒な立ち寄りを避けること。ウイルスに汚染された糞尿などから感染する可能性もありますので、生きた鳥を扱う場所にはなるべく近寄らないようにすること。
(4)インフルエンザウイルスは加熱(70度で1分間)により死滅しますので、調理の際は十分な加熱、卵や調理道具は十分洗浄すること。

4.高病原性鳥インフルエンザとは
 ヒトのインフルエンザとは別の鳥類のインフルエンザによる感染症のうち、感染した 鳥の致死率の高い特定の感染症です。鶏、あひる、七面鳥、うずら等が感染し、神経症状、呼吸器症状、消化器症状を呈します。

なお、青海省等に滞在されている方で、高病原性鳥インフルエンザについて特段の情報がありましたら、日本大使館(連絡先は上記URL参照)までご連絡をお願い致します。



[米国産牛肉]「輸入再開の条件は整っている」 by読売新聞社説

2005年05月27日 10時47分48秒 | マスコミと報道内容
ここはありがたいことに新聞記者さんも読んでくださっているのですが、社説って、新聞の顔ですよね?社説を読めばその新聞のレベルがわかる、と申しますよね?

読売新聞を読んでいたら、唸らせる社説がございましたので、その検証とともに米国牛の問題点の総ざらえをしてみることにしました。

■5月27日付・読売社説(1)[米国産牛肉]「輸入再開の条件は整っている」
http://blog.livedoor.jp/manasan/archives/23358833.html
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20050526ig90.htm

「米国の対応策は、日本が牛肉の輸入再開を認めるのに必要な条件をほぼ満たしている。食品安全委員会は迅速に結論を出すべきだ。」

Let's study
→米国北部に高度のBSE暴露リスク、米国農務省報告
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/bse/news/05050901.htm
アメリカ牛は本当に安全か? その2 鶏糞に糖蜜をかけた飼料とは?
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/462f08e8cc6a6919618c3b8acbedde00
昨年2月の食安委の議事録「1993年から米国はBSEに汚染されている」という報告
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/75a1947dbfa842f53eaa2d03873403c4
BSE最新と過去のニュース & アメリカ牛は本当に安全か?(EUによる米国評価)
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/18d64aa98bf84460a8424a70764212fb


「食品委は今月初め、日本が続けてきた全頭検査を見直し、20か月齢以下の牛の検査を免除しても問題はない、と結論付けた。検査で確認された最も若い感染牛が、21か月齢だったためだ。」

Let's study
→ 【もう絶句】行政による「科学」のねじまげ始まる。米国牛輸入問題:意見交換会に参加
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/2364c0b9046c5e63aed236944b9a9e33
これマジですか?―ペテンに走る食品安全行政
http://hideyukihirakawa.com/blog/archives/200505/210205.php
2005年1月21日 プリオン調査委員会傍聴記 その1 「20ヶ月齢記載は削除しろ」と委員
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/231654948ea4804c86cc0fd488153063


「検査なしでも構わないとする20か月齢以下の牛を確認する手法については、肉質による判定で十分可能、との認識で日米当局が一致している。」

Let's study
→『米国式格付けと月齢とを結びつける問題点をめぐって、高橋議員は「米国ではさまざまな交配種があり、肉質も違うのにアメリカが示したサンプルのデータが、どの牛の種類でも成り立つのか」と質問。牛の月齢判別に関する検討会座長の沖谷明紘日本獣医畜産大学教授は、年間約三千五百万頭という「全部の母集団を完全に反映しているとはいえない。それは不可能だ」と答えました。』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-05-21/02_02_0.html

→米国産牛肉には「米政府が提案中の肉の色による月齢確認は、精度に問題が残る」「米国は食肉処理法が日本と違い、危険部位の一部のせきずいが肉に付着しやすい可能性がある」などの指摘がある。(毎日新聞)
http://www.mainichi-msn.co.jp/keizai/wadai/news/20050527k0000m020083000c.html
→【もう絶句】行政による「科学」のねじまげ始まる。米国牛輸入問題:意見交換会に参加
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/2364c0b9046c5e63aed236944b9a9e33


「米国は、日本に輸出する牛肉から、脳や脊髄(せきずい)などの特定危険部位を日本同様、すべて除去することを約束した。」

Let's study
→約束だけなら誰でもできる。
農水省:「BSEに感染した牛は、骨を取り除いても食肉処理の過程で肉が汚染される可能性がある」
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/0a2e4459558beb8d921eb79753e6c8fa
BSE最新と過去のニュース & アメリカ牛は本当に安全か?(EUによる米国評価)
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/18d64aa98bf84460a8424a70764212fb
アメリカの食肉処理の現場で内部告発が続いている
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/89c21679c9a1a74908daa94270800649
「アメリカの検査方法に不備」の件
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/7034c7f696e9e525713f729103c2d7ec
タイソン・フーズ社の安全な職場・安全な食品に関する事実
http://www.labornetjp.org/labornet/worldnews/namerica/usnews/20040720local556fact
ローカル556から農水省への申し入れ
http://www.labornetjp.org/labornet/worldnews/namerica/usnews/20040720local556doc
「厚労・農水省 米・加のBSE対策調査結果を発表 安全性評価の資料にはなり得ない」
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/bse/news/05052001.htm
なお、危険部位が付着・混入しているかどうかを消費者でも確認できるキットが販売されてます。
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/2364c0b9046c5e63aed236944b9a9e33


「家畜に関する国際基準を決める国際獣疫事務局(OIE)は、骨を取り除いた牛肉について、無条件で輸出入を認めることを、週内に決める見通しだ。」

Let's study
同日の「読売新聞」の記事から。OIEの条件について
<1>BSEへの感染や感染のおそれのある牛は除く
<2>危険部位への接触防止措置を取る――などの条件を付けること」

http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20050526i216.htm


残念ながら、お勉強不足の方がBSEに関する社説を書かれておられるようです。読売の他の記者さんのためにも、ぜひ、新聞をたくさん読んで、勉強されて、偏向のない、正確な社説を書いてください。よろしくお願いいたします。


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追伸:読売新聞の社説ご担当者は過去の自社報道をお忘れになられたのでしょうか、
また、読売さんが配信していない重要報道もありますので、ぜひ他紙も読んでくださいまし。

米のBSE疑惑牛、4分の3未検査…米農務省明らかに(読売新聞,2004/07/14)
「牛肉の安全 全頭検査しかない」 異常プリオン発見者 (読売新聞 2004/02/13)
BSEの異常プリオン、特定危険部位以外から初検出 (読売新聞 2004/11/2/)
8日の専門家会合では、「特定危険部位以外でも、BSEの原因となる異常プリオンが検出されるケースもある」など、異論が相次いだ。(読売新聞2005年4月9日)
BSE起こす異常プリオン、肝臓などにも蓄積(読売新聞05/1/21)
米で初のBSE牛、肉骨粉に加工し危うくアジアへ (読売新聞04年10月21日)
米BSE牛は「へたり牛」でなかった?…関係者ら証言(読売新聞20040218)
米、全頭検査せず BSE対応に甘さ、体制の見直しが必要(読売新聞2003年12月24日)
米BSE対策不十分 農水省調査報告 肉骨粉検査に漏れ (読売新聞20040119)
米のBSE専門委「新たな感染例発見の公算が大きい」(読売新聞20040205)
米からBSE危険部位など35トン輸入、新たに判明(読売新聞2004年1月28日)
原料に牛背骨を使用?米国から健康食品573tも(読売新聞2004/1/20)
歩行困難牛も食用可 米、BSE対策の緩和検討(読売新聞2005年4月16日)
食肉牛の全頭検査、国際基準ではない…外相が指摘(読売新聞20050322)
カナダ産牛の輸入再開に待った…米連邦地裁 ─ (読売新聞2005年3月3日)
牛肉輸入再開問題、米が追加データの提出拒否 (読売新聞2005年3月4日)
生後20か月以下の選別困難、全米牛肉協会幹部が示唆 (読売新聞2004/9/14)
米施設のBSE検査頭数、7週で288頭のみ(読売新聞2004/7/21/) 
BSE発生アイルランド羊肉、農水係官ミスで検疫通過(読売新聞2004/7/9)
ヤコブ病病原体となる異常プリオン、高率で人に感染か(読売新聞2004年5月22日)

これらニュースはなぜ読売の「BSE特集」に殆ど掲載されていないのでしょう。
http://www.yomiuri.co.jp/features/kgbs/
その他の重要情報は、ぜひここをご覧いただきたいものです。
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/bse/index.html

5月27日追伸:
■「リスクは僅少」とおっしゃる方へ
こちらをお読みください。今までのリスク計算に「公衆衛生のリスク」は含まれていたでしょうか?それと、新しい研究による潜伏期間中の患者さんの推計。
検証:普通の生活で、vCJD=人型BSE(狂牛病)が感染しないとは本当か?その1 歯科編
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/57316d5ea76dd6092e7c843c2e7d6403
オランダ、80年以後に輸血を受けた者の献血禁止へ、vCJD拡散予防措置
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/bse/news/04121302.htm
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/bse/index.html
ヤコブ病病原体となる異常プリオン、高率で人に感染か(読売新聞2004年5月22日)

日本は米国から血液製剤を輸入しているはずです。これは一国の問題ではなく、グローバルに対策しなければならない問題のようです。

■「コスト比較」をなさられる方へ
平成14年度BSE関連対策の主要な施策 (対策費用内訳)
http://www.maff.go.jp/www/press/cont/20020730press_5.htm
上記、一番かかった費用をご覧ください。これがまた発生しないことが、一番コストを抑える方法だと思いますし、たとえば全頭検査を廃止することで発生するライン分離や消費者への通知トータルコストもお考えいただけましたら幸いです。コスト比較は、それ単体で見るのではなく、「社会的合理性」も含めて考える必要があるようです。

その他の反証はSpeak Easyさんのサイトをどうぞ。私のサイトよりたくさんの情報を頂いています。
http://blog.livedoor.jp/manasan/archives/23358833.html
http://blog.livedoor.jp/manasan/

6月27日、読売がまたトンチンカンな論説を出した模様。
◆記事:[米BSE2頭目]「輸入再開の議論は粛々と進めよ」(読売新聞社説)
http://dokudan.exblog.jp/3013771
読売新聞の社説にはさすがの僕もキレました
http://hero.livedoor.biz/archives/26428477.html
他の記者さんが本当に気の毒になってきました。

中国の鳥インフルエンザで死者が出たという報道?&台湾でSARS騒ぎがあった

2005年05月26日 15時28分11秒 | 鳥インフルエンザ
日本では報道されていないけど、今、世界中の関係者が注目しているであろうニュースがあります。中国の鳥インフルエンザで既に121名が死亡、1300人が隔離されている、というWebニュースです。しかし真偽のほどはわかりません。非公式情報、情報求む、として、ProMEDでは配信されたようです。
http://www.forth.go.jp/hpro/bin/hb214.cgi
(中国で検索すると早いです)

詳細はこちらを。

「ヒト感染の鳥インフルエンザは、本格的に世界流行の段階へ突入」
http://www.sasayama.or.jp/wordpress/index.php?p=281

同じく台湾では大陸からの帰国者にSARS疑いが出たという騒ぎがありました。実際、A型のインフルエンザに確定したとのことですが、一人の方が亡くなりました。

今後の情報にご注意ください。

笹山登生さんの掲示板
http://www.sasayama.or.jp/saboard/b_board.cgi
東南アジア鳥インフルエンザ直近情報(海外ウェブリンク)
http://www.asahi-net.or.jp/~ie3t-tnok/jyouhou/BIRDFLU/tyokkinninfo5.html
禽流感 青海 
http://news.google.com.hk/news?hl=zh-TW&ned=hk&ie=UTF-8&scoring=d&q=%E7%A6%BD%E6%B5%81%E6%84%9F%E3%80%80%E9%9D%92%E6%B5%B7%E3%80%80&btnG=%E6%90%9C%E5%B0%8B%E6%96%B0%E8%81%9E
RTHK(中文) 香港のラジオ局
http://www.rthk.org.hk/rthk/news/expressnews/
台湾ヤフー
http://tw.news.yahoo.com/
香港ヤフー
http://hk.news.yahoo.com/
http://hk.news.yahoo.com/china/general/all/index.html
SecretChina
http://www.secretchina.com/

エキサイトウェブページ翻訳
http://www.excite.co.jp/world/chinese/web/

東アジアニュース速報+@2ch掲示板
http://news18.2ch.net/news4plus/

その他リンクはこちらに掲載しています。
■鳥インフルエンザが新型に変化したら私達の生活はどうなる?
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/2a969806cf5d1e54bacad89ab27d9554

【もう絶句】行政による「科学」のねじまげ始まる。米国牛輸入問題:意見交換会に参加

2005年05月21日 08時58分35秒 | アメリカ牛は安全か?
「食品に関するリスクコミュニケーション(米国産牛肉等のリスク管理措置に関する意見交換会)」の開催(5月20日)
http://www.maff.go.jp/www/press/cont2/20050427press_6.html
参加してきました。急ぎにつき雑文で申し訳ありませんが、いくつかトピックをご報告します。

■「厳密な国内飼料規制後に生まれた若牛限定の20ヶ月齢以下のリスク評価」を「飼料管理状況不明な米国牛」に曲解適用する方々

食品安全委員会が、20ヶ月以下は検査をしなくとも、リスクが変わらないといっているから、米国牛も20ヶ月以下はよいのだ」という「科学の曲解」、ねじまげを、早速、以下の方々が回答されてました。

農林水産省 島村宜伸 大臣
厚生労働省 西博義 副大臣
農水省 消費・安全局長 中川坦氏

ほかにも誰か答えていたと思いますが、少々頭に血が上って忘れました。

食安委の西郷リスクコミュニケーション事務官に、「結論部分だけ」を抜粋して、読み上げさせる念の入れ方です。

つまり、多くの食安委の専門委員が心配されていたことが現実になったのです。「この答申における大前提」を、さっそく行政が無視したということです。行政は、答申の「結論部分」だけ抜粋、振り回して、「おわりに」の部分はすっかり無視。国民をヴァカにするのも程がありますね。日本語読めないと思ってるんですかね?

==プリオン専門調査会の答申案「おわりに」より、答申の大前提==

本評価報告は、我が国における過去の集積データ及び評価を行うに足る関連データに基づき、基本的には背景に予想されるBSE の汚染度、と畜場における検査でのBSE 陽性牛の排除、安全なと畜解体法とSRM の除去などの効率について評価し、2005 年3 月の時点での若齢牛のリスク等を総合的に評価したものである。このような様々な背景リスクから切り離して年齢のみによる評価を行ったものではない。従って、今後諸外国におけるBSE感染リスクの評価を行う際には、総合的な評価を行うための多様なデータの存在が必須になるものと考える。
http://www.fsc.go.jp/bse_hyouka_kekka_170509.pdf

===============
(注)「結論」と「おわりに」の各委員の位置付けの経緯については、議事録を参照
http://www.fsc.go.jp/senmon/prion/p-dai22/170328_dai22kai_prion_gijiroku.pdf

この「科学」の曲解、ねじまげ、過ちを指摘しようと思って挙手しましたが、言わせてもらえませんでした。間違いも指摘できない「意見交換会」なんて、最高ですね。こんな風に「科学をねじまげられる」んではたまりませんね。あまりにもひどかったので、その後のご発言、こういっていたように私の耳には聞こえました。

「みなさまの食の暗然を守る」

実際米国牛は、飼料管理がどれだけきっちりなされているのかと、現行でどれだけBSEに汚染されているかを一番に確認すべきなのですが。若牛だろうとなんだろうと、怪しい飼料を食べている感染牛かも知れない牛を日本に入れるというのはヒトと家畜の防疫上、冗談じゃないです。


■SRM除去問題
国はSRM除去が完全にできないことをはっきり述べました。「検査、SRM、飼料」全部、「完全」なんて無理です。」と厚生労働省の外口崇氏がいわれました。誰かさんが主張してた「ゼロリスク信仰」なんかそもそもありっこないわけで。あとは「どうやってできる限りリスクを下げていくかということが大事」なわけだし、それを外口氏も述べていました。努力していないところの食品なんか食べられないということです。

参考:
農水省:「BSEに感染した牛は、骨を取り除いても食肉処理の過程で肉が汚染される可能性がある」
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/0a2e4459558beb8d921eb79753e6c8fa

なお、もう一点食肉処理場の現場からの重要な指摘がありました。農水・厚労省は「米国はSRMを厳正に処理している」という報告書を先日出したようですが、
http://www.maff.go.jp/www/press/cont2/20050519press_9.html
http://www.maff.go.jp/www/press/cont2/20050506press_2.html
その問題指摘はこちら。
「厚労・農水省 米・加のBSE対策調査結果を発表 安全性評価の資料にはなり得ない」
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/bse/news/05052001.htm

話戻って、リスコミで指摘されていたのは
背割り後に脊髄を吸引し、その後高圧洗浄をするとあるが、それだと汚染が広がるのでは?という意見です。

こういうことでしょうか? 参考までに以下の写真を。
内視鏡洗浄に関する「目に見える汚れ」「目に見えない汚れ」について
http://www.d1.dion.ne.jp/~jamec/photo1.html
http://www.d1.dion.ne.jp/~jamec/

さらにもう1つ。現場の方がご指摘くださったのですが、肉類の脳神経組織の混入・汚染チェックは、アズマックスという企業が、96セット(90頭分)8万円で簡易キットを販売しているそうです。これはその場でチェックできて、2時間後に判定ができ、やり方さえちゃんと確認すれば普通の消費者でもその場でできるとのことです。
http://www.azmax.co.jp/idx02_product/kensa/index_01.htm
http://www.azmax.co.jp/idx02_product/kensa/field_04_index.htm
枝肉に使用するのでしょうが、消費者団体や生協、その他流通でもどんどん活用いただきたいですね。バラ売りしてほしいなぁ。

危険部位除去はとても大事。食安委は全頭検査見直し評価をするなら、SRMの除去率のリスク評価も当然すべきでしょう。上記キットもありますしね。


■肉質での月齢判断について
目でみて、赤い、とか骨化が進んでいる、とかで月齢を判断する方法が述べられていましたが、その件について、「品質管理」「安全管理」に携われていた方のお怒りの指摘がありました。「そもそも根底のサンプルの集め方からして間違っている。統計以前の問題だ!こんなサンプルの集め方をうのみにしてそのまま信用するとは」ところどころ絶句。そう。絶句しちゃいますよねー。いやまじで。

この件で、月齢判定に関する検討会の座長をされていた沖谷教授のお言葉
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-05-21/02_02_0.html
>『米国式格付けと月齢とを結びつける問題点をめぐって、高橋議員は「米国ではさまざまな交配種があり、肉質も違うのにアメリカが示したサンプルのデータが、どの牛の種類でも成り立つのか」と質問。牛の月齢判別に関する検討会座長の沖谷明紘日本獣医畜産大学教授は、年間約三千五百万頭という「全部の母集団を完全に反映しているとはいえない。それは不可能だ」と答えました。』

議事録をお楽しみに。。

■どうする食品安全委員会?
食安委の品川森一先生も6ヶ月前から辞意を表明されていたことが判明しました。

米産牛肉の輸入審議難航も 食品安全委から内部批判
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050518-00000233-kyodo-bus_all

3年半前、プリオニクステストの感度について疑問が噴出したときに、私はその企業に電話して根掘り葉掘り伺ったのですが、そのとき親切に回答くださった方が「品川先生を知らないんですか?あなたモグリですよ何いってるの。品川先生はその世界の検査における第一人者のすごい方なんですよ!」といわれたことを記憶しています。その後品川先生にもお電話でBSEの一連の検査に関する疑問を消費者として伺って、とてもわかりやすく丁寧にご解説くださったことを思い出します。

食安委の傍聴中、品川先生や山内先生が、より検出度の高いWB検査法だけの結果でもBSEと認められている、と何度も否定しているのに、輸入再開に都合のいい「21ヵ月、23ヶ月はBSEではないのではないか」という話をを何度もしつこく投げつけた委員がいて、「ああ、本当にうんざりされてるだろうな」と思ったなぁ。そういえば。私は、食の安全に関して予防原則さえ考えていない人間が委員会に存在すること自体に疑問を持ちました。

そのことで、日本食糧新聞の小野寺節教授インタビュー記事に、面白い件があったのでご紹介まで。

「スイスでOIEのメンバーと議論していたときに、向こうは21ヵ月齢、23ヶ月齢はBSEではないと言い張るので、「では、その肉を持ってきて焼肉パーティーでも開こうか」と言ったら、「それは困る」と言っていました。(笑)」
http://www.nissyoku.co.jp/bse/

山内一也先生も遺憾の意

全頭検査緩和で利用された/食品安全委の山内専門委員
http://www.shikoku-np.co.jp/news/news.aspx?id=20050520000194
衆議院農林水産委員会は20日、牛海綿状脳症(BSE)対策の見直しについて審議。参考人として出席した内閣府食品安全委員会プリオン専門調査会委員の山内一也東大名誉教授は「(行政に)ある意味で利用された」と述べ、同調査会が全頭検査緩和にお墨付きを与える形になったことに遺憾の意を表明した。 山内委員は、全頭検査の緩和によってリスクは増えるが、増え方が極めて小さいという科学的な評価をしただけだとし、全頭検査の有効性を強調した。岡本充功議員(民主)の質問に答えた。 同委員会では、米国産牛肉の肉質や骨格形成で生後20カ月以下と判定する方法についても、与野党双方から「6秒程度の目視で確認できるのか」「サンプルが片寄っており無理がある」などと批判的な意見が出た。

東京のリスコミの場におられたら、山内先生はどういわれていたことやら。

BSE審議の座長代理が辞意表明 食安委に疑問

2005年05月18日 08時01分27秒 | アメリカ牛は安全か?
食安委は、税金の無駄遣いどころか国民の食の安全の害悪とならないように、「今後は、」ちゃんとやってほしいですね。というか、もうすでに、食安委が全然信用ならないのに、食の「安全・安心」などできるわけがない。良心を持った科学者として、あの場にいられないのは、傍聴者として本当に理解できますが、辞めるべき人間が間違っている。金子座長代理にはぜひお残りいただき、食安委を正していただきたい。私はなぜ大多数の・・殆どの専門委員の意見・見解を反映しない人間が座長なのか、さっぱり理解できない。

それから、削ったはずの文言が復活したり、あったはずの重要な語句が削られたり。←※注 末段参照
いや、すごいですよ。まじめに。

後世まで伝えたい一言
===============
「食品安全委員会と本委員会とプリオン専門調査会の間で意見の違いがあることも問題を複雑にしている。本委員会の一部の委員などはSRMさえ除去すれば牛肉の安全性は確保できると主張しているが、これは人の健康よりも貿易や経済性を重視した危険な考え方だ。それで危険は回避できるという科学的証拠はない。」 by 食品安全委員会 プリオン専門調査会座長代理
===============

■金子プリオン調査会座長代理 米国産牛肉リスク評価の諮問に辞意
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/bse/news/05051601.htm
座長代理辞意表明について抜粋(農業情報研究所↑全文をどうぞ。)

5月15日付の産経新聞(Sankei Web)が共同通信を情報源として伝えるところによると、食品安全委員会プリオン専門調査会座長代理の金子清俊東京医大教授が15日、東京農大で開かれたシンポジウムで「国内対策の見直しを利用された責任を痛感している」と述べ、専門委員を辞任する意向を示したという(http://www.sankei.co.jp/news/050515/sha080.htm)。16日付の日本農業新聞(一面)も同様なニュースを伝えている。
(略)
”両省がこれまで消費者らに「国内対策の見直しと米国産牛肉の輸入再開はまったく別の問題」と説明してきたにもかかわらず、国産の検査見直しに合わせ米国産について「リスクは国産と同等か」と諮問することを疑問視。

 「これまで表向き別の問題と言いながら、結局一体の議論だったことが明確になった」と指摘した上で、「私自身、国内の議論が米国産の輸入再開に利用されるのではないかとの消費者の懸念に対し、それは違うと説明して回った。結果的に虚偽の説明になったことの責任を取りたい」と辞意の理由を話した。”という。
(略)
 なお、金子座長代理は11日付の日本農業新聞のインタビュー記事(「BSE 今後の焦点 中」)で次のように述べている

 ・政府はBSE検査を最初は感染状況の把握と、牛肉の安全性確保を兼ねる「スクリーニング」と位置付けたが、最近のOIE基準見直しをめぐる専門家からの意見聴取では実態調査に絞る「サーベイランス」と説明した。「検査対する政府の方針はいつ変わったのか。国内外での説明がぶれるようでは、消費者の信頼を得るこはできない」。

 ・日本の専門家は、検査が万能でないことは全頭検査の導入時から認めているが、検査が感染状況の把握と安全性確保を兼ねるスクリーニング検査という立場は一貫している。検査へのスタンスが揺らいでいるのは厚労・農水両省だ。検査緩和に対する消費者の困惑は政府自らがまいた種で、専門家に押し付けるのではなく、きちんと対処すべき。

・食品安全委員会と本委員会とプリオン専門調査会の間で意見の違いがあることも問題を複雑にしている。本委員会の一部の委員などはSRMさえ除去すれば牛肉の安全性は確保できると主張しているが、これは人の健康よりも貿易や経済性を重視した危険な考え方だ。それで危険は回避できるという科学的証拠はない。

 ・米国はBSEの感染拡大を防ぐ飼料規制に抜け穴がある。課題は山積み。
それでも政府が「特定部位さえ除去すれば検査をしなくても生後20ヵ月齢以下の牛の牛肉は日本と同等の安全性といえるか」と諮問するなら、「この前提がそもそも成り立つのかを審議する必要があるだろう」。


■食品安全委員会のトリックはちょっとひどすぎますよ(神保哲生さんのブログから)
http://www.jimbo.tv/commentary/000092.php
「(山内)教授ははっきりとこう言っています。「官僚たちに騙された」と。」

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なお、米国牛の安全性についての情報を次回またUPしますが、取り急ぎ。。
「米国北部に高度のBSE暴露リスク、米国農務省報告」
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/bse/news/05050901.htm
USDA自らアメリカ北西部でのBSEの危険性を報告
http://www.sasayama.or.jp/wordpress/index.php?p=277
回収された汚染肉を販売、「もう食べちゃった?」=米消費者団体、規則遵守を要請
http://www.jc-press.com/kaigai/200505/051602.htm

USDA needs to pursue meat disclosure ruleMost recalled meat and poultry
isactually sold and eaten 5-13-05
http://www.consumersunion.org/pub/campaignnotinmyfood/002224.html

Support end to USDA meat recall secrecy!
https://secure2.convio.net/cu/site/Advocacy?JServSessionIdr003=5bdil1d3f1.app14b&page=UserAction&cmd=display&id=521

笹山登生さんの掲示板にその他サイトの紹介をいただいています。
http://www.sasayama.or.jp/saboard/b_board.cgi
[1361] Re:[1357] リコールされた汚染肉を売ってもいいとの契約を、
USDAとしている秘密の小売店があるという話ですね
http://www.commondreams.org/cgi-bin/newsprint.cgi?file=/news2004/0331-09.htm
いったい、どういうことでしょうか?

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(注)
○山内専門委員 今のイギリスの例に関して、20ケ月齢の牛の場合に、ここでは3か月前だったら、検査で見つかるだろうというふうにEUの報告書は述べてあると書いてありますが、EUの報告書は17か月、もしくは最悪のシナリオでいけば13か月で見つかると書いてあるわけです。私はそのこともこの前の委員会で申し上げましたけれども、なぜか削られてしまっているんです。EUのレポートにはっきり書いてあります。レー・ブラッドレーとオーストリアの神経病理のブドウカ教授2人が書いた報告です。

○金子座長代理 今の2ページの関連の知見のところですけれども、1つは、そこの最後のところですね。「直ちにこの推測が」という、今の先生方がお話された点、私、座長代理などという名前が付いていますので、これは私が全部承認したと思われると誤解を招くと思いますので、一言申し上げますけれども 、これについては私も一度削った文言なんです。ですから、ここで先生方の前でもう一度ディスカッションしていただきたいと私も思っておりますし、その上の20ケ月以下でも検出可能かもしれないというのは、今の北本先生の御意見もそうですし、山内先生もそうですけれども、これはもっと早くてもいいわけです
http://www.fsc.go.jp/senmon/prion/p-dai18/161222_dai18kai_prion_gijiroku.pdf

■ちなみに当時報道されなかった専門家の大勢の見解より
2005年1月21日 プリオン調査委員会傍聴記 その1 「20ヶ月齢記載は削除しろ」と委員
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/231654948ea4804c86cc0fd488153063

5月19日貴重な意見が反映されていないということで追加。
○北本専門委員 質問があるんですけれども、その前に1点確認したいことがあります。それは、いつもこの会議に出ていて思うんですけれども、貴重な意見があって、貴重な意見に対してどういうレスポンスがされただろうかと。
http://www.fsc.go.jp/senmon/prion/p-dai15/161026_dai15kai_prion_gijiroku.pdf

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■品川先生も辞意を表明していた。山内先生も遺憾の意。どうする食品安全委員会?
食安委の品川森一先生も6ヶ月前から辞意を表明されていたことが判明しました。

米産牛肉の輸入審議難航も 食品安全委から内部批判
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050518-00000233-kyodo-bus_all

3年半前、プリオニクステストの感度について疑問が噴出したときに、私はその企業に電話して根掘り葉掘り伺ったのですが、そのとき親切に回答くださった方が「品川先生を知らないんですか?あなたモグリですよ何いってるの。品川先生はその世界の検査における第一人者のすごい方なんですよ!」といわれたことを記憶しています。その後品川先生にもお電話でBSEの一連の検査に関する疑問を消費者として伺って、とてもわかりやすく丁寧にご解説くださったことを思い出します。

食安委の傍聴中、品川先生や山内先生が、より検出度の高いWB検査法だけの結果でもBSEと認められている、と何度も否定しているのに、輸入再開に都合のいい「21ヵ月、23ヶ月はBSEではないのではないか」という話をを何度もしつこく投げつけた委員がいて、「ああ、本当にうんざりされてるだろうな」と思ったなぁ。そういえば。私は、食の安全に関して予防原則さえ考えていない人間が委員会に存在すること自体に疑問を持ちました。

そのことで、日本食糧新聞の小野寺節教授インタビュー記事に、面白い件があったのでご紹介まで。

「スイスでOIEのメンバーと議論していたときに、向こうは21ヵ月齢、23ヶ月齢はBSEではないと言い張るので、「では、その肉を持ってきて焼肉パーティーでも開こうか」と言ったら、「それは困る」と言っていました。(笑)」
http://www.nissyoku.co.jp/bse/

山内一也先生も遺憾の意

全頭検査緩和で利用された/食品安全委の山内専門委員
http://www.shikoku-np.co.jp/news/news.aspx?id=20050520000194
衆議院農林水産委員会は20日、牛海綿状脳症(BSE)対策の見直しについて審議。参考人として出席した内閣府食品安全委員会プリオン専門調査会委員の山内一也東大名誉教授は「(行政に)ある意味で利用された」と述べ、同調査会が全頭検査緩和にお墨付きを与える形になったことに遺憾の意を表明した。 山内委員は、全頭検査の緩和によってリスクは増えるが、増え方が極めて小さいという科学的な評価をしただけだとし、全頭検査の有効性を強調した。岡本充功議員(民主)の質問に答えた。 同委員会では、米国産牛肉の肉質や骨格形成で生後20カ月以下と判定する方法についても、与野党双方から「6秒程度の目視で確認できるのか」「サンプルが片寄っており無理がある」などと批判的な意見が出た。


農水省:「BSEに感染した牛は、骨を取り除いても食肉処理の過程で肉が汚染される可能性がある」

2005年05月12日 14時59分04秒 | アメリカ牛は安全か?
結局、「危険部位除去」だけでは、BSE対策の要にはなり得ないことがよくわかる記事をUPします。飼料管理がなっていない牛など食べられませんね。20ヶ月以下なら輸入OK、などと適当な回答を作成した「日米実務者会合?」のメンバー個人個人が責任を持って尻拭いをしていただきたいものです。罷免請求とかできないのかな?

■農水省:「BSEに感染した牛は、骨を取り除いても食肉処理の過程で肉が汚染される可能性がある」

農水省、OIEに牛肉輸入条件緩和改正案について反対する意見書提出
http://fnn.fujitv.co.jp/headlines/CONN00069841.html
 OIE(国際獣疫事務局)が牛肉の輸入条件を緩和しようとしていることに対し、農水省は反対する意見書をOIEに提出した。OIEはこれまで、BSE(牛海綿状脳症)の発生状況などに応じて、牛肉の貿易に条件をつけていた。しかし、22日から開かれるOIEの総会では、適切な処理をされた骨のついていない牛肉については、無条件で貿易できるとする改正案が提出されることになっている。これに対し、農水省は「BSEに感染した牛は、骨を取り除いても食肉処理の過程で肉が汚染される可能性がある」などとして、この改正案に反対する意見書をOIEに提出した。

ほんとだ、書いてありますよ。
http://www.maff.go.jp/www/press/cont2/20050511press_1b.pdf
BSE感染牛に由来する骨格筋肉については、脱骨されていても、とさつ及び食肉、処理の工程において蓄積した異常プリオンたん白質に汚染される可能性があるためフードチェーン及びフィードチェーンから排除すべきである。この改正案は、BSE感染牛は完全に処分すべきとの規定を他の部分( 第3 条及び第4 条) で含んでいるBSEコード改正案そのもの及び同様の勧告を含む96年のWHO勧告との整合性がない。
(略)
これに関連して、最近我が国において、と畜場における緊急とさつ牛及び農場における死亡牛のBSE感染牛から、SRM以外の組織( 腰神経等の末梢神経) に微量の異常プリオンたん白質の蓄積が確認されたことに留意願いたい。動物衛生研究所がこれらの組織の感染性を確認するための試験を現在継続しているところである。この試験は2年以内に終了する見込みである。極く限られた科学的根拠が利用可能な状況においては、人と動物の安全を確保するため、より慎重なアプローチが採用されるべきである。(抜粋)

■農水省&厚労省:「①日本側の同じ定義のSRMの除去 ②20ヵ月齢以下の牛肉、内臓③成熟度による月齢証明などを食品安全委員会に諮問

自民党小委員会、米国産牛肉再開の諮問の考え方を了承
http://www.nissyoku.co.jp/
 厚労省と農水省は12日、自民党の動植物検疫及び消費安全に関する小委員会(委員長=宮路和明衆院議員)に米国産牛肉の輸入再開について食品安全委員会への諮問の考え方を説明、了承を得た。昨年10月の日米局長会合の結果にそって、①日本側の同じ定義のSRMの除去 ②20ヵ月齢以下の牛肉、内臓 ③成熟度による月齢証明などで米国農務省(USDA)が認証する仕組み。この仕組みに則した牛肉と内臓について国産のリスクと同じかどうかで諮問する。飼料規制など直接的な諮問事項ではないものについても、食安委に提出する。諮問案は早ければ5月中にも食安委に提出。輸入再開の時期について、宮路委員長は輸入再開時期を明確にしていない。(5月12日11:02)

注:
「消費者団体の担当は、「BSEの原因物質が末梢神経にさえ検出された上に、しかも危険部位を”完全に”取り除くなんてことは不可能だ」と指摘
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/c9037118b6ff953ec23f7963de33d244

NHKは「牛の脳やせき髄などの危険部位を完全に除いたり」なんて報道しちゃってますが。
米 牛肉輸入再開案まとめる
http://www3.nhk.or.jp/news/2005/05/12/d20050512000082.html
これは、12日、開かれた自民党の消費安全小委員会に諮られ、了承されたものです。それによりますと、日米両政府は、日本にアメリカ産の牛肉を供給するアメリカの生産者や食肉処理業者などは、▽アメリカ農務省の認証を受けた上で、▽牛の脳やせき髄などの危険部位を完全に除いたり、生後20か月以下の牛を確実に証明する。▽こうした基本的な規定に違反した事業者については、認証を取り消したり罰則を適用したりすることで、安全性を確保するなどとした具体的な輸入再開の条件をまとめました。その上で、政府は、こうした条件の下で輸入されるアメリカ産の牛肉と内臓が国産牛肉と同じ様に安全かどうかを、今月末にも内閣府の食品安全委員会に諮問することにしています。これと並行して政府は、こうした方針について、13日から今月20日までの日程で全国9か所で国民に説明するとともに、意見を求めることにしています。


■ちなみに当時報道されなかった専門家の大勢の見解
2005年1月21日 プリオン調査委員会傍聴記 その1 「20ヶ月齢記載は削除しろ」と委員
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/231654948ea4804c86cc0fd488153063
なぜ年齢(月齢)にこんなに拘るのか?汚染飼料の性格から多くの場合、生後まもなく感染すると推定され、見かけ上年齢に関連して見えるに過ぎない。厳密には年齢とは無関係で、感染量と感染時期によって検出量に達する時期が決まるのである故にこんな指摘は不見識である(略)

もはや、国をあげての茶番にしか見えなかったりする。

農水省と厚労省が「飼料規制など直接的な諮問事項ではないものについても、食安委に提出する。」というところが、”最終責任”のなすりつけ合い、ってことですかね。

関連
アメリカ牛は本当に安全か? その2 鶏糞に糖蜜をかけた飼料とは?
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/462f08e8cc6a6919618c3b8acbedde00
BSE最新と過去のニュース & アメリカ牛は本当に安全か?(EUによる米国評価)
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/18d64aa98bf84460a8424a70764212fb
アメリカの食肉処理の現場で内部告発が続いている
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/89c21679c9a1a74908daa94270800649
「アメリカの検査方法に不備」の件
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/7034c7f696e9e525713f729103c2d7ec
昨年2月の食安委の議事録「1993年から米国はBSEに汚染されている」という報告
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/75a1947dbfa842f53eaa2d03873403c4

OIEコード改正:日本が意見提出したものの、専門家指摘と違いがある。なんかおかしいぞ。

2005年05月11日 22時04分01秒 | アメリカ牛は安全か?
4月8日:OIEのコード改正に関する会議・委員の意見をPick UP
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/908c7deb10e4ca1f6f086f7208273d2f
その後、消費者や業界との意見交換会を経て、
http://www.maff.go.jp/www/press/cont2/20050330press_11.htm
農水省がOIEに意見を提出しました。

OIE/BSEコード改正案に対するコメントについてhttp://www.maff.go.jp/www/press/cont2/20050511press_1.html
しかし、なんかおかしい。。
4月8日、専門家から指摘された「科学」が反映されていない部分があります。

ちなみに行政からは確か「中川さん」「釣田さん」がご出席されてましたが。。
(上記仮訳から抜粋)
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特に、(日本は)
① S R Mとして腸全体ではなく回腸遠位部のみを指定する提案を支持する。
( 理由)
提案は、感染性が回腸遠位部のみで確認されており、それ以外の腸では確認されていないという科学的根拠を踏まえたものである
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あれーーーーーーーー????、OIEの専門家会議ではこんな意見↓を聞いたはずなんだけどなぁ。。。???どういうことだろう?

★「腸のSRM指定については、”科学的にはリンパ組織があり全腸が危ない”、ということなのに、SRM除去の方法の違いやら、EUが食べない云々などの問題によりコードが改定されることが、大きな問題だ。」
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/908c7deb10e4ca1f6f086f7208273d2f
2005年6月21日追記訂正:この指摘はどうも意味が違うようでした。詳しくは↑に議事録URLをリンクしましたのでご参照。

ご参考までに。農業情報研究所のサイトから腸の安全性についての情報を。
ぜひ、URL全文をどうぞ。
■OIE、腸全体をBSE特定危険部位に 問われるわが国の対応
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/bse/news/04062101.htm
(抜粋)
>これまでにも何回か述べてきたが、ここでもう一度繰り返しておけば、フランス、続いてEUは、回腸遠位部以外の腸にも一定のリスクを認め、腸全体を特定危険部位に指定してきた。EUでも、従来はBSE高リスク国の英国、ポルトガルにのみ腸全体の排除を義務づけてきた。感染性は回腸遠位部にしか確認されていないとしながらも、屠畜の現場でそれだけを的確に摘出できないことを恐れたからである。

 ところが、フランス食品衛生安全庁(AFSSA)が2000年、回腸遠位部以外の感染性も否定はできないとする意見書を出した。①子牛の回腸の感染性は証明されている、②回腸遠位部以外の腸の諸部位も、程度はより低いが、プリオンの増殖が可能なリンパ組織、神経組織を含む。腸のクリーニングも、すべてのこれら組織を除去するには十分でないことが、顕微鏡分析で確認された。③これらの部位がマウスに病気を引き起こさなかったという若干の実験的証拠はあるが、マウスでの実験は牛から牛への実験よりも敏感ではない、というのがその根拠であった。

 EUの科学運営委員会(SSC)は2000年11月、このAFSSAの意見を認める意見書を出した。それは、「腸から作られたケーシング(ソーセージ等の皮)の組織学的分析が回腸以外の部位に神経・リンパ細胞を発見した(しかもケーシングの調整後にも)というAFSSAの新たな情報に鑑み、SSCは腸全体(及びそれから作られるケーシング)が、される動物が感染していることは高度にありそうもない場合でも、特定危険部位と見なされるべきである」と結論した。こうして、フランスに端を発したBSE危機が深まるなか、EU全体で腸全体が特定危険部位とされることになった。

 食品安全委員会は、少なくともこのような意見の正否だけは、しっかりと検討しなければならないはずだ。腸の感染性に関するわが国独自の研究があるとは聞いていない。

 ついでながら、特定危険部位を腸全体に拡大することは、ヨーロッパに大きな負担を課したことも指摘しておきたい。「腸を食する習慣」がないというのは、少なくともヨーロッパについては言いがかりだ。そういう習慣があるからこそ、特定危険部位に指定する必要があった。(略)

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なんだかなぁ。。みなさん、どうお感じになります?

5月13日追伸:
昨年4月のOIEコード改正専門家会議での、山内一也委員のご発言です。
「そして消化器系で回腸遠位部のところでプラスでこれは見つかったということです。ただこれで見ていただければおわかりになるとおり十二指腸では調べていますが、回腸近位部は調べていない。」
http://www.maff.go.jp/soshiki/seisan/eisei/bse/gijiroku.htm
調べていない部位が結構あるみたいですね。調べていないor(昔の)感度の低いテストで陰性=安全とされるのは困りますね。日本の研究者のテスト方法は世界でも進んでいるようですから、ぜひ最新の感度のよいテスト方法で再検査いただき、それら結果を公表いただきたいものです。なお、「パイエル板」についても討論されておりますので、ぜひ全文をお読みください。

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余談。これらに関係した、海外報道と日本の報道を比較してみますね。
日本は報道する気あるのかな~と思う今日この頃です。

翻訳ソフトはこちらをどうぞ。
http://www.infoseek.co.jp/Honyaku?pg=honyaku_top.html&svx=100302&svp=SEEK

4月18日の意見交換会のニュース(両方とも共同)
Consumers oppose proposed int'l standard on beef safety
http://asia.news.yahoo.com/050418/kyodo/d89hru9g0.html
BSE対策緩和に批判続出 消費者らが意見交換会
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050418-00000159-kyodo-bus_all

「Consumer group representatives point out that a causative agent of the disease, formally known as bovine spongiform encephalopathy, was detected even in peripheral nerves and that it is impossible to remove specified risk materials completely. 」
適当訳すると、「消費者団体の担当は、”BSEの原因物質が末梢神経にさえ検出された上に、しかも危険部位を”完全に”取り除くことなんてことは不可能だ」と指摘した。、ということなのですが、この、大事な意見は日本の共同通信の記事では報道されませんでしたね。

さらに頑張れる方はこちらの翻訳もどうぞ。。海外版のほうが詳しいです。
4月8日の専門家会合のニュース
Japan experts concerned about mad cow rule change
http://www.krvn.com/news/agricultural/index.cfm?ID=9187
BSE国際基準で専門会合 OIE総会へ日本案検討(共同)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050408-00000099-kyodo-bus_all

消費者としての感想を述べれば、どっちにしろ、飼料があやしくて感染の可能性がある牛など、どこの国の牛でも食べたくはありませんね。

昨年2月の食安委の議事録「1993年から米国はBSEに汚染されている」という報告

2005年05月06日 11時57分54秒 | アメリカ牛は安全か?
月刊現代、という雑誌を立ち読みしていたら、
http://moura.jp/scoop-e/mgendai/mokuji/200506/index.html
食安委の中村雅彦委員と、勝谷誠彦さんという方との、”米国産「汚れた牛肉」輸入再開を阻止せよ”というBSE問題の対談があったのですが、その中に、「93年には米国はBSEに汚染されていた、という報告が食安委にされている」と書いてあったので、議事録を調べてみました。

プリオン専門調査会の中間とりまとめ案に引き続くまとめ案ですが、北米からの肉骨粉からの曝露問題など、吉川教授の計算には、まったく入っていなかったですね。これら報告は「なかったこと」になっているんですかね。


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平成16年2月20日(金)第5回プリオン専門調査会(抜粋)
http://www.fsc.go.jp/senmon/prion/p-dai5/prion5-gijiroku.pdf 

○甲斐(諭)専門委員 今のお話とかレポートに、既に何年も前からアメリカはBSEに汚染されたと書いてあるんですけど、何年前ぐらいから汚染されたというふうに考えたらよろしいですか。

○Kihm博士 私どものグループとしては、遅くとも北米大陸は1993年には汚染されていたと思っています。といいますのは、1993年に輸入されたケースがカナダにありました。英国から輸入された牛があって、その牛がBSE陽性でした。現在、私たちのヨーロッパでの経験でははっきりとした信号だと思っておりまして、もう一つの例を挙げますと、ドイツでは1990年から2000年まで6頭から7頭の輸入牛のケースがありまして、ですから1件だけではなくて、ある国に入ってきて、検出されずに、気づかれずに入ってきているわけです。ほとんどは病気が発症する前に屠畜されているのですけど、その後こういったサイクルが始まってしまいます。いい対策をとらない限り、つまり感染のサイクルをどこかでとめるという予防措置が必要です。これはどの程度うまくいくかはわかりませんけど、ほとんどの国ではそういった措置がありません。まず給餌禁止が必要でありますし、しかも効果的な方法が必要です。それも除去する必要があります。世界で、第1例目が発症する前にこういうことをやっている国というのはほかにはありません。私が間違っているかもしれませんですけれども、そういったケースが起こる前に、SRMを除去して国はないのではないですか。あなたの国はどうですか。違いますね。

○甲斐(諭)専門委員 93年から汚染されたとすると、日本でBSEが発生したのは2001年だったのですから、その後は、ミートボーンミールは輸入をストップしていますけど、その前まではアメリカから輸入しているわけですから、93年に汚染されたミートボーンミールが日本にもたくさん輸入されたというふうに考えてもいいのでしょうか。

○Kihm博士 おっしゃるとおりです。除外することはできません、非常に可能性は高いと思います。その可能性を否定することはできません。アメリカにおいての発生率が低かったとしても、その可能性を完全に排除することはできない。そのような部位が日本に輸入されていた可能性を否定することはできません。おっしゃるとおりです。

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関連情報は笹山登生さんの掲示板 発言[1254]以降に頂戴しています。
http://www.sasayama.or.jp/saboard/b_board.cgi