BSE&食と感染症 つぶやきブログ

食品安全委員会などの傍聴&企業・学者・メディア他、の観察と危機管理を考えるブログ by Mariko

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検証:普通の生活で、vCJD=人型BSE(狂牛病)が感染しないとは本当か?その1 歯科編

2005年03月12日 11時45分01秒 | 公衆衛生とBSE,vCJD
先日、OIEという、世界の動物感染症対策を推進する機関の先生がフランスから来日、食安委主催でリスクコミュニケーションが開かれましたので、行ってみました。そこで驚いたのは、OIEの「BSE問題は公衆衛生的にリスクが低いと思われる」という見解と、世論をリード、問題提起すべき立場の新聞記者さん(公衆衛生ご担当?)の「○○菌よりBSE問題は公衆衛生リスクが低い云々」という認識です。

BSEから始まって人のvCJDへと拡がるプリオン病問題において、みなさん、(日本の?)感染対策すべき現場が、実際どんな状況にあり、どんな問題を抱えているか、気付かれてない?のでしょうか。ということで、普通の生活で感染源になりうると思われる個々の出来事を検証してみたいと思います。(普通の生活で、vCJD=人型BSE(狂牛病)が感染しないとは本当か?の中の1つめの検証)

これは、vCJD(変異型クロイツフェルトヤコブ病)だろうが何病であろうが、「院内感染する病気」に対しての医療機関のあり方自体の問題で、公衆衛生にすでに問題があるようですので、それを紹介させていただきます。医療の言葉に「スタンダードプリコーション」(標準予防策)がありますが、その感染対策の基本がどうも、現場では守られていないところがあるらしい、ということです。

まずは、「歯科」の検証から。。

■歯医者にいく

日経MedWaveの記事から
「HIV感染者の歯科診療でユニバーサルプレコーションが浸透 (2004.12.16)」
一見、よさげなタイトルに思えますが、その数字を裏返すと、こういうことになりそうです。

「20%未満の施設が患者毎に手袋を交換していない」
=「回答した全施設で診療時に手袋が使用され、80%以上の施設で常時使用し患者ごとに交換していた」
「歯を削る際に使うタービンハンドピース。「患者ごとに交換」が14施設(35%)だったのに対し、「観血的処置時交換」は20施設(50%)で、交換頻度が十分とは言えない状態だった。」
「また、半数の施設で歯科医師数より衛生士の数が少なく、歯科治療時の介助における適切な人員という面では不安な面も浮き彫りになった。」

ターンハンドピースとは何でしょう?(某掲示板の( ´`ω´)つさんの投稿から)
【エア・タービンハンドピースのお写真】 
その1 その2 その3

【平成十四年十月二十二日提出質問第二号・歯科用ハンドピースによる院内感染防止策に関する質問主意書】
( ´`ω´)つhttp://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a155002.htm
↑これら対策も、プリオンに対応してるのかな?

感染対策において、人のお口(粘膜)を診るのに、手洗いというのは基本中の基本ですよね? その他いろいろ歯科には感染管理の必要な器具や用具や、手技があるでしょうが、基本ができてないということは押してしるべし、だと思います。また、「医療従事者を守る」という観点からは手袋やガウンも大事だけど、本当は「目の粘膜を守る」用具も必要なんですよね。

大きな病院にはICT・ICD・ICN(Infection Control Team またはDoctor またはNurse)の感染対策専門の方が存在して院内感染問題を見張っていたり、院内感染対策のための学会や、日々の最新情報交換のメーリングリストが多種存在していますが、特化した、歯科分野はどうなっているのか?個人歯科さんはどこから感染対策最新情報を入手し、情報を共有しているのか?そこが私の知りたいところです。どなたかご存じでしたらお教えください。

なお、プリオン病の歯科対策のガイドラインや医療機関の一般の対策ガイドラインは国立精神・神経センターの「各種ガイドライン」にあります。しかしプリオン病以前に、スタンダードプリコーション」は実践されているのか?日経MedWaveの記事を読むに、まずは感染対策自体のボトムアップが至急望まれます。「うちの医院の感染対策はこうしてる」という具体的情報を公開してもらわないと、安心して歯医者さん、いけませんよね。よろしくお願いします。

なお、歯科については他にも調べたことがあって、情報を順次追加していきたいと思いますので時々このサイトを覗いてみてください。

【参考】
昨年出た変異型ヤコブ病の感染、伝播に関するBMJの論文の紹介が下記にされています。
http://www.microbes.jp/aimai/kurashi/fl354.htm
これは大変期待の持てる記事。
英国研究者、CJD伝達リスクを大きく減らす手術具洗浄剤を開発
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/bse/news/05022502htm.htm


5月24日余談
この、美容目的で美容外科、クリニックに濫用されているヒトのプラセンタ(胎盤)注射、規制はまだなのだろうか。長期常用者は多く、しかし使用者の献血規制がないのですが。。

プラセンタ注射の現実(2chスレ)
http://life7.2ch.net/test/read.cgi/seikei/1114833596/

6月15日追加 農業情報研究所さんのサイトから公衆衛生問題

オランダ、80年以後に輸血を受けた者の献血禁止へ、vCJD拡散予防措置 04.12.13
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/bse/news/04121302.htm
フランスで9例目のvCJD確認 最近2例の患者は繰り返し献血 04.11.25
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/bse/news/04112501.htm
英国、vCJDリスクのある血液製品を11カ国に輸出 04.9.30
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/bse/news/04093001.htm
輸血によるvCJD感染をめぐり6,000人に警告ー英国保健省 04.9.22
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/bse/news/04092201.htm
発症例皆無の遺伝子型患者にvCJD潜伏輸血感染発見、高まる人→人感染のリスク 04.8.7
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/bse/news/04080701.htm
輸血によるvCJD感染第二例、遺伝子型は異型型 高まる多数の感染者潜在の恐れ 04.7.24
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/bse/news/04072401.htm

6月23日追加
イギリス:美容整形に狂牛病感染のリスク?(暗いニュース リンク)
http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/2005/02/post.html

6月27日追加
米国牛輸入に関する調査会傍聴と歯科・内視鏡の感染対策
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/7258e2b1bb9c44d331a0a62b2616a83f
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CJDの感染リスクを削減する手術器具の洗浄剤…英研究者 (Ahyahya)
2005-03-21 03:22:35
ご存じのことと思われますが、BBCニュースの記事です。



 手術器具を介したCJDの感染のリスクを減少させる洗浄剤が、

今年後半には利用可能になるだろう、と科学者は述べた。

 CJDを引き起こすと考えられるプリオンは、通常の殺菌方法では

不活化出来ないという懸念があった。しかし、洗浄剤を開発した

英国の医学研究審議会(MRC)の研究者は、この洗浄剤がリスクを

大きく削減すると語った。今年の第3あるいは第4四半期には

利用可能になる見込み。



 英国の医学当局は2人が輸血を通して感染した可能性を踏まえ、

更なるケースを防ぐための処置をとった。科学者は、400の化学物質の

組み合わせを試し、プリオンを検出できないまでに破壊するものを発見した。

安価で使用法も簡単であることを念頭に開発されており、外科用器具は、

この溶液に1時間浸されるだけで良い。



英文記事のタイトル

◆Breakthrough in cutting CJD risk
Unknown (star_gazer1)
2005-04-01 23:09:31
トラックバックをいただいたブログ、Speak Easyのブロガーの一人です。ありがとうございました。いや、やっぱり公衆衛生への鈍感さというものは怖いです。何かお気づきのことがありましたら、また一言こちらにも書き込みお願いします。ではでは。
コメント&TBありがとうございます。 (むろ)
2005-04-25 23:22:11
 だいぶ前の記事にTB戴いて恐縮です。



 当記事の頭にある、「公衆衛生学的に○○菌よりvCJDはリスクが低い」というのは、必ずしも間違っていないと思います。

 公衆衛生は臨床医学と異なり社会医学ですので、感染症であれば、(a)感染症により社会が受ける損失と、(b)その感染症を予防することにより社会が得られる利益を比較します。(a)>(b)であれば社会的な対策を立てますが、(a)<(b)であればその対策自体が損失になります。

 個人の幸福から全体の幸福を追求するのではなく、社会全体の幸福から個人の幸福を追求するという点が、公衆衛生が誤解を受けやすいところだと思います。



 また標準予防策(スタンダード・プレコーション)についてですが、これが日本に広まったのはごく最近のことです。なので完全に守られていない施設の方が多いと思います。それに病院でこれを完全に遵守することは、時間的な制約、また医療の自体の妨げになる面もありますので必ずしも現実的ではないところもあるのでは、と思っています。

 まあ少なくとも歯科の外来では守って欲しいところだとは思いますが…。
Unknown (Mariko)
2005-04-26 08:55:09
むろ先生、ご指摘ありがとうございます。公衆衛生の話ですが、水俣も、薬害HIVも、薬害CJDも、



=======

a)>(b)であれば社会的な対策を立てますが、(a)<(b)であればその対策自体が損失になります。

=======

が、間違って計算されていたからこその問題なのだろうと思います。また、社会的損失→金銭面で判断するのならば、たとえば全頭検査の例でいいますと、全頭検査をやめることで起こる損失、たとえば流通を区分けすることにより派生するお金や、売り上げが落ちることなどによる農家への補填費用、消費者への国からの通知費用(3年前BSEが発生したとき、「国産牛肉は安全です」という国のチラシはそれだけで確か14億くらい使われていたと思います)、そういうのが発生してくるわけです。計算するには総合的に見る必要がありますね。



しかし歯科に限らず、美容外科のヒトの胎盤などの美容目的での濫用もなんとかしていただきたい。使用者には献血規制はありません。これって、標準予防策以前の問題のような。。(^^;

Unknown (bobby)
2005-04-27 09:02:21
TB頂きありがとうございました。牛由来の医薬品、加工食品などがありますので、牛肉そのものを食べなくてもCDJに感染するリスクはありますよね。
TBありがとうございます (Nicky)
2005-05-13 01:34:22
TBありがとうございます。

ただ、つけていただいたTBが、古いHTMLへのTBだったために、ブログと整合が取れなくなっております。



申し訳ございませんが、上記URLのエントリーへ付け直していただけますか?

(一度DBを飛ばしてしまったために古いHTMLが残っているという状態なのですが、検索エンジンで入ってくる人のために古いページもそのまま保存してあったのです・・・)



いただいているTB二件は、スパム関係のエントリーについているため、一旦削除させていただきます。
Unknown (Mariko)
2005-05-13 09:19:01
Nickyさま、わざわざありがとうございます。

早速新しい記事にTBさせていただきます。(^^
TBありがとうございます (きのこ(torajya3291))
2005-06-26 14:43:37
トラックバックありがとうございます。ウチのようなマイナーなブログの過去の記事を掘り起こしていただき、ありがとうございます。

歯科衛生からの見解で、新鮮でした。たいへん興味深く読ませていただきました。
偏向報道打破! (ジンマーマン)
2005-06-26 17:14:33
TBありがとうございます。さっそくBKMさせていただきました。



プリオンが感染するということが不思議です。また、訪問させていただきます。
TB有難うございました (派遣社員の独り言)
2005-06-26 18:08:32
こんなにまじめにBSE関係について語っていらっしゃる方に、

あんなくだらないエントリーに対してTB頂けるは・・・

ほんと、恐縮です。

これからもよろしくお願い致します。
Unknown (サブ兄)
2005-06-27 20:28:31
参上しました!

まぁ、政治家には利益の方が安全よりも

上回る、ということですよね。

当たり前の決断が出来ない、所詮アメリカも

そんなレベル、ということです。

あ、昔からアメリカはそんなもんですかね(笑)

Unknown (Mariko)
2005-10-29 21:31:14
英国の科学者が歯科によって変異型ヤコブ病の感染が拡大しないか調査をするというニュース



Prions In Blood - vCJD Spread Via Dentistry?

UK To Study Dental Procedures For vCJD Spread Risk

From Dr. Patricia Doyle, PhD BBC News online 10-17-5

http://www.rense.com/general68/soon.htm

http://www.rense.com/health/CJD-CWD-BSE.htm



日本の歯科の院内感染対策は、プリオン病以前に大問題があるのですが。。。

TBありがとうございました (ヘンリー)
2005-10-30 15:04:22
私の歯科医院の実況中継をしてみますね。



 まず、1患者さまに、ディスポーザブルに出来る物はこれにします。例えば、手袋、診療時に患者さまにさせていただく前掛け(エプロン)、ヘッドレストカバー、紙コップ等。身なりは清潔に、眼鏡も術者・介護者は携帯させていただいてます。手洗いの励行として各ユニット(診療室)に座位のまま手が届く位置に流しを設けています。その傍らに”ウエルパス”。また、使用した器具には、水洗→超音波洗浄→グルタラール製剤への浸漬→オートクレーブ(高圧蒸気滅菌131℃2気圧20分)→乾燥の上PSキャビネット(外科器具は全て滅菌パック)。使用後のユニットにはイルガサンDP300のスプレー(これは実際かなりの異臭・・・なので常に院内を強制排気しなければなりません)。エアータービン(水流の逆止弁付)の使用頻度を低くし、高速エンジンやエルビュームヤグレーザーを使用する。などをルーティンにしています。

 でも、ここまででもかなりのマンパワーとコストが掛かるのも実情です。

 どうか、御添削ください。今後も良いと思われる事は励行していく所存です。



 アメリカの上院議員さんたちはかなり威圧的でしたね。

でも、牛丼も好きなんですよねー。また、拝見させていただきます、ありがとうございました。

 
補足:歯科でヒトの骨とウシの骨を使う (Mariko)
2005-11-16 14:24:14
歯科:骨増生(GBR)には欠かせない骨補填剤

http://otukidc.sakura.ne.jp/implant/archives/3/index.html

スイスからはウシの骨、アメリカからはヒトの骨が輸入されてるんですね。知りませんでした。

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