秩父・仙台まほろばの道

秩父と東北地方の伝説・神話を探訪。

五浦海岸と機織姫

2017-11-05 | 神話・伝説
茨城県天心記念五浦美術館から五浦岬公園までの間に、
北から端磯・中磯・椿磯・大五浦・小五浦と五つの浦(入り江)が続いています。
五浦の名はこの地形に由来するといわれます。
太平洋の荒波に削られた断崖絶壁と松の緑が美しい景勝地です。



崖には海食(蝕)によりできた無数の洞穴がありますが、
今回は椿磯の「チャンポン」という洞穴にまつわる話を紹介します。
かつて、この洞窟はかなり奥が深く、満潮時に海水が流れ込むと、
洞内に反響してチャンポン、チャンポンと聞こえることからこの名がついたといわれています。
また、鼓を打つ音にも似ているので鐘鼓洞とも呼ばれています。

むかし、大津の浜に伍助という漁師がおりました。時化続きで漁に出られないので、
ある夜、釣り竿をかついで足の向くまま歩いていると、いつしか五浦まで来ておりました。
そのとき、どこからともなく、チャンポン、チャンポンというかすかな
音が聞こえてきたのです。伍助は音のする洞穴の中に入っていきました。

すると、驚いたことに、美しい姫君が侍女を相手に機を織っているではありませんか。
息をのんで立ちつくす伍助を姫は奥に招き入れ、お酒やごちそうで丁重にもてなしてくれました。
そして姫は、「くれぐれも、このことは誰にも話さないでください。」
と伍助に心からお願いし、帰りには珊瑚の玉のお土産まで持たせました。



にもかかわらず、伍助は黙っていることができず、つい友だちに話をしてしまったのです。
友だちがその話が本当かどうか確かめたいというので、二人で再び洞穴へ出かけていきました。
ところが、中に入ったとたん、突然ガラガラと洞穴が崩れ落ち、二人は岩石の下敷きになって、
とうとう帰らぬ人となってしまったのだそうです。



※ふるさとの昔ばなしシリーズ:茨城いすず自動車(株)
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大洗磯前神社から海岸沿いに北上していくと、五浦海岸(いづらかいがん)があります。
ちょっと、岡倉天心記念館へ行ってみました。
岡倉天心は東京芸術大学を創始した人で、東洋の美術など多くの芸術の価値を
西洋に広めた人。
「茶の本(The Book Of Tea)」は、茶の精神、禅の思想など、
西洋に伝えたものでした。
天心のおかげで、アジアの芸術が保護されたといっても過言ではありません。





さて、天心記念館はとってもきれいな所にありましたが、
ちょうど、龍の展示をやってました。
「五浦に龍が大集合」やっぱり龍なんだね。





面白い絵がたくさんあって、龍が仙人の膝で昼寝している絵があるんです!
龍の昼寝・・・。
すごいね~。
「天から、あるいは地から湧き出づるように現れる龍は、天地=自然さらには、
生命を象徴しています。
また、権力者にとっては権威の象徴であり、民衆にとっては水を司る神でもあります。
そして神話や伝説にもたびたび登場する龍は、現代に生きる我々にとって一番
身近な空想上の生き物といえるでしょう。」

美術館サイトで見られます。
http://www.tenshin.museum.ibk.ed.jp/02_tenrankai/01_kikaku.html



ただ、なぜ龍は姿を消したのか?
また、その姿を見ることができなくなったか?
謎です。

Asia is One-------------------------------------------------------
岡倉天心は、北茨城の五浦に六角堂を建てました。
震災で壊されてしまいましたが、現在は再建されています。







経営難になった日本美術院の状況や、編集者のスキャンダルなど、
行き詰っていたところで、隠居を望んでいたようです。
そこでこの海岸を案内された時、この風光に魅了され購入したと。
釣り三昧の日々だったようで、魚はたくさん捕れたそうです。





ここに、ウォーナー像がありました。
天心に師事したアメリカ人で、日本美術の研究をします。
第二次世界大戦で、爆撃対象から奈良と京都などの日本の都市を外す
文化財リストをアメリカ政府に提出したとされています。



その功績をたたえようと日立製作所から胸像建設の計画がおこり、
各方面の寄付によって建立されました。

「東洋の思想」は英文で書かれた著で、冒頭の文章が、
「Asia is One」でした。


(亜細亜ハ一ツ)



「インドの仏教、中国の儒教や道教に代表されるアジアの思想を紹介し、
西洋の思想に対するその優位を説き、アジアの理想が日本の芸術のなかにいかに
結晶しているかを、歴史の流れに従って述べている。」(
日本大百科全書)

これがファシズムとして利用された事がありましたが、
西洋思想が進むなか、日本、アジアとして何をしていけばよいか。
といった思想にふけてしまう岡倉天心なのでした。



次は、憧れのあの巨石をみてきましたよー。
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2 コメント

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Unknown (車 寅次郎)
2017-11-05 11:50:40
素晴らしいですね。ごうらじゃなくいづらって読むんですね(笑)
仕事で近くまで行ったけど気付かなかったです、天地=龍
合気道でも万有を愛護し、万物を育成する天地の心を以て、我が心としよう。
 心身を統一し、天地と一体となる事が我が修行の眼目である。
座右の銘
繋がるムムッ妄想です
有り難うございます。
Re:Unknown (inehapo)
2017-11-05 16:31:43
車寅次郎さん

そうなんです。ごうらではなく、いづらと読むんです。やはり、海は良いですね。
合気道の世界もとっても深いですよね。私は経験ないのでわからない世界ですが、天地を繋ぐのは龍と考えられています。龍笛などもそうです。天地の間に生き物がいると。天の宇宙からくるエネルギーを頭から受け、大地のエネルギーは、足から体内に気流を送っているわけですね。

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