『とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話』を読んだ話

最近にわかに話題になっている、『とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話』のKindle版を買って読んでしまっていたのでした。

とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話
クリエーター情報なし
飛鳥新社

この作品内でKADOKAWAとねとらぼが名指しで批判されており、それに対してねとらぼが反論記事を上げて悪い意味で注目が集まっちゃってますね。

漫画『とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話』について、編集部の見解 - ねとらぼ

ちなみに、私がこの本を購入したのはねとらぼの記事が上がる前、Twitterにアップされていたお試し版数ページを読んで興味を持ったからでした。

ねとらぼ批判のくだりについては、実のところ話の本筋ではなく、話のメインは作者とKADOKAWAの編集者である「ボーノ氏(仮名)」のやりとりであり、それを通して見えてくる商業漫画の世界の悪しき慣習であったり、漫画を書き始めて間もないタイミングでポンとデビューしてしまった新人漫画家の孤独といった部分がこの作品の主題になるのでしょう。

しかし、さらに端的にこの作品の感想を述べるならば、「ボーノ氏まじやべえ」というところに集約されます。もちろん、これは作者の主観で描かれた作品なので、KADOKAWAや当のボーノ氏にしてみれば言いたいコトはねとらぼ以上にあるのかもわかりませんが、ただ個人的にはこのボーノ氏には妙に既視感めいたものを覚えました。

作中で描かれているボーノ氏の主な特徴として

  • 仕事のミスがやたら多い(データ紛失、ブッキング忘れ、連絡漏れ等々)
  • 呼吸をするようにウソをつく
  • 上司に対する報告が雑(自分のミスは隠蔽)
  • ナチュラルに他人を怒らせるような物言いをする(口癖は「僕は別にいいんですけどね?」)
  • ただ、相手が怒るとその場は卑屈に謝る(ただしミス等が減るわけではない)

といった点が挙げられるのですが、……自分が今まで一緒に仕事してきた人間の中にも、こういうタイプのヤツ居たなぁって(ここまで全部そろい踏みのヤツはなかなか居ませんが)。こうして特徴を列挙すると、なんでこんなのが社会人やれてるんだって疑問に思うレベルなんですが、いや居るんですよ(業界によって多い少ないはありそうだけど)。

ただ、自分の場合はまだ何人も居るチームの中の一人がそういうのだった、という話であって、適宜周囲が目を光らせてフォローしたり、目に余るようなら他のメンバーと入れ替えたりってコトが可能だったワケです。

でも、これが漫画家と編集者という、基本的に一対一で仕事する相手(かつこちらは右も左も分からないぺーぺーで、主導権は相手にある)という状態だった場合、そりゃホラーだよねって話で。この作品はあくまで作者側の主観による言い分である、という点を差し引いても、こういう状況に追い込まれるケースというのは普通に有り得るのではないか、と思ったんですね。

仮に会社勤めであっても、ごくごく少人数のセクションで、マンツーマンで仕事を教わる相手がこういうタイプだった……というケースも有り得るワケでして。で、こういう人間に対して、会社の監視の目が十分に行き届いてないケース、あるいは詳細な状況を知らない会社が「それでもアイツはよくやってる」と一定の評価すら与えているケースもあるワケです。この作品内で描かれているKADOKAWAもそんな感じ。

もしそういう状況に追い込まれたらどうするか、という思考シミュレーションをしながら読むと、なかなかに考えさせられる作品ではないでしょうか。この作者は「暴露」という手段に訴えたワケですが、それ以外にも答えはあるかもしれませんし、ここまで精神的に追い詰められる前にできるコトもあるかもしれません。

とりあえず個人的に心がけているのは、「ヤバイ」と思ったら責任感なんてゴミ箱に捨ててとっとと逃げる、です。ただ、この「ヤバイ」の閾値を上手く決められないコトが多いから世の中難しいんだよね、うん。

……ところで、飛鳥新社の編集さんは信頼に足る人ですか?

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