地球散歩♪

いもとなおこのBLOG

モザンビークの楽園編。

まだまだ遠い帰り道。

2017年02月05日 | middle east

な、なんということだ・・・。

怒りで震える私は、私は引き下がった。

「あなたがイスタンブールまでのチケットしか発券できないことはわかりました。

とりあえずイスタンブールまでで良いので発券してください。あとは自分で何とかしますから」

「いや、それはできません。あなたはアテネ行きのチケットを持っているのですから。あなたの気持ちは十分に察します。でも私にはあなたのチケットを発券することはできないのです。」

「なんでそれを、2時間前に列に並ぶ前に言ってくれなかったのですか?」

もう、ターキッシュ航空に文句を言っているのか、

トルコ人の配慮のなさに文句を言っているのか、

どうでも良くなっていたが、とにかく怒りが収まらない。

圧力鍋みたいになった私は、泣きそうになりながら(いや、多分泣いてた)、

意を決してチケット売り場に並んだ。

あと2時間か、3時間か・・・。

みんな怒り心頭で、誰かがターキッシュ航空のスタックと口論になって怒鳴る度に、

みんな拍手喝采で応援を送る。

この穏やかな私でさえこんな状態なのだから、

誰かが発狂したり、窓口のガラス戸を叩いたりしても、もはや何も不思議ではない。

 

少し時間が経ったところで、誰かが大声で怒鳴った。

「今日のイスタンブール行きの便はすべて欠航になりました」

 

なんてこったよ・・・(涙)

 

もう怒りと悲しみと疲れでヨレヨレになった私は、

放心状態になりかけたけれど、

ターキッシュ航空ではない他の航空会社の便が飛んでいることを知り、

それを使ってとりあえずイスタンブールへ行こうと決めた。

アテネへの便はそれから考えよう。

 

100ユーロくらいの便を買い、荷物の超過料金まで払い、

1時間くらい待った。

イスタンブールに着くのは夜の11時くらい。どこに泊まろう。

知り合いに連絡したけれど、連絡が着かない。

夜遅いし、雪だからあまり動きたくないから、空港の近くの格安ホテルに泊まろう・・・。

 

ふと思い立って、明日のイスタンブールからアテネの便を何とかおさえるため、

再びターキッシュ航空のチケットカウンターに並んでみた。

例の日本人グループを助けていた、優しそうな、しかも仕事ができそうな、髪の毛をソフトモヒカンに立てたお兄さんの列に並んだ。

何となく、この人なら、何とかしてくれそうな気がしたのだ。

お兄さんは、親切で同情的で、しかし説得力のある声で言った。

「サンライズ航空の便で行くと、イスタンブールの郊外の空港に到着し、面倒なことになりますよ。

今日は私たちの指定のホテルに泊まって、明日のイスタンブールの便で行った方が良いですよ。

今からアテネ行きを取っておきますから。ビジネスクラスを用意します」

「いや、でももうサンライズで取っちゃったから・・・」

「私が返金してもらえるように一緒に頼みます」

なんて頼もしくて優しい・・・。

このソフトモヒカンのお兄ちゃんは、酷い酷いターキッシュ航空の、輝く星だ。

間違いなく、今この世で私が最も信頼する男だ。

 

結局ヤクザみたいなサンライズ航空は返金を固辞し、

私は争う気にもなれず、

ホテル行きのバスを待った。

いつの間にか、もう夜遅い。

アテネの友人に電話したら、涙が出てきた。

あのベルギー人は、日本人たちは、無事にイスタンブールに発ったのだろう。

私だけ置いてけぼりでまだここにいる。

 

スペイン人の団体客と一緒にバスでホテルへ向かった。

添乗員さんが、「明日は帰りますよ!」と元気にマイクで話している。

日本のツアーからの帰りらしく、私が日本人だと告げると、「日本は素晴らしいね!!!」と興奮して声をかけてくる。

こんな褒め言葉はいつものことだから慣れていて、いつもなら「ありがとうございます」と謙虚に微笑むのだけれど、

今だからしみじみ噛み締める。

本当に日本は最高だ。

 

45分後にホテルに着くと、歓声が上がった。

Rixosという海沿いの、一流のホテルだった。

「屋内プールまであるらしいわよ!」

あまり関係ないけれど、何となく気持ちが和んだ。

昨日のゴテゴテホテルと違い、インテリアのセンスはいいし、インターネットも通じるし、食事のビュッフェは100種類くらい品が揃っていた。

「バーもすべて無料です」

ワイン一杯で、かなり気持ちが和んだ。

ターキッシュ航空は私の扱い方をわかっていた・・・。

血迷ってサンライズ航空に乗り換えなくてよかった。


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