お父さんのマリポタ日記。
マリノスのこと、ポタリングのこと。最近忘れっぽくなってきたので、書いておかないと・・・
?



<その1>より続きます

 


上川乗交差点の先は傾斜がきつくなる


 上川乗交差点から先を見ると、いきなり勾配が急になっている。いよいよ峠道の始まりだ。
 
 と思ったら、この先には下りもあり、アップダウン区間が多少続く。一体、いつになったら標高が稼げるんだ。
 
 ただし上りはこれまでよりはきつくなってきている。丹羽さんの教え通り、ギアはインナーローで、ゆっくりと登っていく。でも、私のインナーローって、34×27でも結構重いんですけど、どうしてでしょうかね? 「軽いギアをクルクル」なんて、できない。それは、私の基本的な力不足のせい? やっぱり、フロントトリプルにすれば良かったかななどど思いつつ、時速10キロペースで一気に亀の歩みにスローダウン。
 
  


午前11時15分、数馬ヘリポート


 上川乗交差点から、南郷、人里と進むと再び人家が増えてきた。そしてこの数馬ヘリポート前あたりからきつい上りが続くようになる。仮面ライダーのように鼻歌交じりには登れない。このあたりで標高700メートル前後。交差点からの距離は約8キロ。となるとこの区間の平均勾配は約3.8%。つまり、ここからが勝負のようだ。

 


午前11時17分、数馬上


 「数馬下」という地名があったので、「数馬上」があるんですね。当たり前ですが、「○○坂下」などと「下」がつく地名は大嫌い。次に待っているのは上りですから。
 
 


午前11時30分、10%の坂出現


 奥多摩周遊道路に入る手前に待ってました、10%のにくい奴。携帯カメラも涙目でぼやけてます。
 
 


午前11時36分、奥多摩周遊道路の料金所跡


 10%の坂は有り難いことに、長くは続かなかった。やがて奥多摩周遊道路の料金所にたどりついた。1973年の開通当時は有料だったが、90年4月から無料開放されたそうだ。道はこの料金所を過ぎると、グイグイ登っていくようになる。

 


少し霧が出てきた奥多摩周遊道路


 道は高く高くなっていく。回りを見ていると、それが実感できる。うれしいようで、実は怖い。ガードレールの下はガケだ。
 
 少し霧も出てきた。気温も下がってきた。「はっはっ」と吐く息が白く見えたような気がした。ず~っと緩やかだった道は、これまで何度も登ってきた峠道ともう変わりはなかった。きついワインディングがないので助かったが、それなりにきつい。時速は10キロ以下となっている。ケイデンスは40~50。トルクをかけたペダリングを続ける。

 


よく見えませんが、9%だそうで・・・


 何%ってわざわざ教えてくれなくても、きついのは分かってるからいいよ。知らない方が幸せってこともあるんだよ。

 


山、山、山


 どこを見ても山。景観は楽しめるが、仮面ライダーみたいに「空気がおいしい」なんて感じないぞ。深呼吸なんてしているヒマはないんだから。吸って吸って吐く。この繰り返し。

 


気温は14度(見えませんが)。この標識が見えると・・・


 寒いはずだ。気温は14度と表示されていた。
 
 この標識の手前に駐車場があった。数馬駐車場の次の駐車場で、確か浅間尾根駐車場という名前だったと思う。この駐車場を過ぎると道は少し下るようになり、緩やかなアップダウンとなる。
 
 あれ、過ぎちゃった? いやに下っていくので不安が走り始めた。
 
 と、そのとき!!!

 


午前12時12分、東京で一番高い道路。標高1146メートルの風張峠。距離73.46km。av19.8km/h


 あったあった。「東京で一番高い道路」の標識。ノンストップで到着したが、最後はちょっとあっけなかった感じだ。
 
 距離は数馬から約6.6キロ。それを446メートルほど登ったことになるので、この区間の平均勾配はなんと6.8%! 上川乗からだと距離は15.49キロで、平均勾配は約4.8%。登坂には1時間14分かかった。平均時速は12.6km/h。三島から箱根越えをしたときや和田峠よりはスピードが出ている。きつくて死にそうという峠ではなかった。
 
 私が自転車に乗り始めた当時、宮ケ瀬までが登れなかった。土山峠は最初は押して上り、3度目にして足を着かないで登れた。服部牧場へ行くのに、6%の坂の上り返しがイヤで行けなかった。
 
 私と藤岡弘の体力差は分からないが、ロードバイクに初めて乗り、おまけに峠も初めての仮面ライダーには登れるはずがない! 五日市から上川乗までは行けても、その先でギブアップだと思う(押して上がれば別ですが)。ましてや普段運動もしていないといっている奥山佳恵さんが「漕いでいたら、いつの間にか着いた」なんて、できるわけがない。峠は峠。標高にかかわらず、その厳しさには変わりない。
 
 とまあ目くじら立てて怒っても仕方ないですね。テレビを見ていたほとんどの自転車海苔が「ウソでぇ~」と思ったことでしょう。
 
 でも、このおかげで初の奥多摩進出ができたことだし、私にとっては逆に良かったかもしれない。

 


ズームアップ!


 標識の前で写真を撮っていたら、奥多摩湖方面から男女5~6人のグループが登ってきた。女の子たちは笑顔たっぷりに「こんにちは~」なんて元気に挨拶してくれ、まるで多摩サイを走っているように涼しい顔で標識の前で止まることもなく、先へ進んでいった。
 
 えっ?? やっぱり、この峠ってそんなにきつくないのかな? 苦しいのは私だけ? ちょっとぼー然とした一瞬でした。

 


ヤビツみたいな看板はない。これは駐車場の看板


 実際の風張峠はもっと上にあるようだ。登ってくるときに、その方向を示す道標があった。だから看板はない。仕方ないので駐車場の看板と。

 


月夜見山第2駐車場


 峠を過ぎ、降りていくと月夜見山第2駐車場があった。ここで小休止したが、視界はまったくない。奥多摩湖の姿さえ見えない。バイクが走っているのしか見えないという、来た甲斐のない場所だった。
 
 この周辺はバイクの撮影ポイントらしく、つなぎを着た奴がカメラを構えた前を、ぐお~んとカーブを描いてバイクが何台も走っていた。
 
 ここで下りに備えてレッグウオーマーを着込む。
 
 さてどうしよう。奥多摩湖は見てみたい。第1駐車場まで降りるか、湖まで降りるか。どっちにしても上り返しがある。
 
 ヘタレな結論。帰りましょう。明るいうちに自宅に着きたいですから。

 


左下に道が。あんなところから登ってきた


 というわけで天国のダウンヒル。きついカーブもなく、バイクは多いが車は少ないので気持ち良く降りることができる。ただ寒い。鼻水が・・・出ちゃう。
 
 バイクがカーブで大きく車線を使っているので、マネして私もアウトインアウト。爽快!

 


午後1時32分、甲武トンネル


 あっという間に上川乗の交差点。さて、今度は甲武トンネルを目指すが、この上りがきつい。1回のワインディングで一気に登っていく。
 
 この道は車もバイクもほとんど通らない。回りにだれもいない事をいいことに、「おりゃ」とか「う~~」とか「おおお!」とかうなりながら、坂を登っていく。

 


抜けると山梨県


 ほんの少しの上りなのだが、きついきつい。上り詰めるとまず短い「栗坂トンネル」があり、続いて「甲武トンネル」がある。やや下り気味のトンネルを過ぎるとそこは山梨県上野原町。
 
 トンネルからは下り。上野原に出るよりは藤野に出た方が近いような気がしたので、以降は藤野を目指すことにする。最初の分岐は二股。左方向の道は思い切り上り。右はそのまま下り。で、藤野は左。

 登っていくとゴルフ場が見え、やがてトンネル。トンネルということはとりあえずピークだ。その後2度ほど藤野への分岐があったが、どちらもまず上りだった。これなら上野原へ降りた方が早かったかな。

 


和田峠なんて行きませんよ


 最後の藤野方面への分岐。和田峠へも行けるらしい。

 そしてまた上り。このころはもう上る足もなく、ヘロヘロ状態。時速も10キロ以下で必死に上る。

 


午後2時55分、相模湖。距離119.20km。av20.2km/h


 藤野からR20を走り、相模湖駅前を右折して相模湖へ。ようやく帰ってきた。といってもまだひと山越えて30キロ走らなくてはならない。実は自転車で相模湖へ来るのは初めて。津久井湖までは何度も来ているが、相模湖までのアップダウンに恐れをなしていた。でも、もう来れるかな。
 
 相変わらずのヘロヘロで道志橋からの最後の上りを登る。いや、まだ三ケ木があった。ふう~~~~。
 
 相武台で雨がポツッときた。やがて自宅に着くころには本降りに。午後4時44分に帰宅。奥多摩湖までは行けなかったが、楽しいツーリングだった。次は青梅から攻めてみるか。意外と奥多摩って近かった。夏にはもっと遠くの峠まで行けそうだ。奥多摩湖まで行けなかったのが心残りだが、暗くなりかけたベランダでぷしゅ~としながら、とりあえず奥多摩まで行くモチベーションを与えてくれた仮面ライダーに感謝した。

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コメント(16|Trackback()



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コメント
 
 
 
堪能しました~ (つぴぃ)
2006-10-25 15:33:56
お疲れさまでございました。やはり結論は……でしたね。そうですよね~。



途中までは私にもおなじみなところで、より楽しく拝見しました。そうか、私でも上川乗までは行けそうですね。あの付近では「払沢の滝」、さらにはいつか数馬の温泉に泊まりたいな~などと考えているところです(さすがにその先は考えていない)。



で、masaさんも34-27なんですね。私もそれで、けっこう苦労しています。よりヘタレですし体力もないし。トリプルにすればよかったな~と思っていますよ……。

 
 
 
フロントトリプルは (境川のmasa)
2006-10-25 19:59:58
>つぴぃさん

悩んだんですよね。トシがトシだから(笑)

結局、カッコ良さで2枚にしましたが、激坂登るときはやっぱり辛いです。



藤岡さんと奥山さんが、ピークに着いたときに

もう少し苦しそうな顔でもして「きつかった~」とでも言っていれば、信憑性があったんですけどねぇ。

もしかして、フロントトリプルの一番軽いギアで本当に上り続けたのではーーと思ってあげたんですけど。15キロの距離の上りで終盤に10%、9%が出てくるような坂は、初心者では厳しいですよね。



上川乗までは楽に行けますよ。鼻歌まじりで(笑)

で、もうちょっと頑張れば数馬温泉です。
 
 
 
いつものコースも、 (Tak)
2006-10-25 23:35:21
masaさんの視点で見るとなんだか新鮮です。でも苦しいところはやっぱり一緒で、あの数馬の坂ほんとに苦しいんだよなぁって共感しながら読ませて頂きました。今度は○○峠経由ですね。
 
 
 
録画をもう一回見ちゃいました (おいちゃん)
2006-10-25 23:44:25
ノンストップで最高点まで登りきった、そしてそこへ反対側から楽しそうな人たちが・・・。その

時の心境は中々のものだったと思います(笑)。



これは確かめるために反対側から登るんですよね、きっと。



それにしても仮面ライダーはガニマタにしてペ

ダルを土踏まずで踏み込むのは何とかしてほし

い、と思うのですが・・・。
 
 
 
自走だったとは! (yuzito70)
2006-10-26 08:06:37
風張峠に行ってきました、って自走だったんですね!びっくりしちゃいました。全行程150km。境川のmasaさんもすっかり距離感がおかしくなってきてますね(笑)



趣味悠々、この回だけ見ましたけど、仮面ライダーの登坂はちょっと嘘くさかったですね。あのガニマタのぎこちないペダリングで余裕綽々というのはちょっと考えがたい。まぁそれはそれで突っ込みどころ満載で楽しいですけど(笑)



奥多摩のこのあたりの峠はまったくと言っていいほど走ったことがないので、僕もそのうち走ってみたいと思います。コースガイドありがとうございました。そしておつかれさまでした!
 
 
 
おつかれさま (TET)
2006-10-26 14:05:14
風張峠は奥多摩湖側からしか上ったことがありませんが、五日市側のほうがしんどそうだなと思いながら下りました。

で、売り切れの脚に甲武トンネル手前の上りがキツかったこと。



冬が来る前にもう1度行っておこうかしら?
 
 
 
苦しいけど楽しかったです (境川のmasa)
2006-10-26 15:29:55
>Takさん

自分の足で奥多摩方面へ行って少しだけ土地勘ができたようです。Takさんのツーレポを改めてもう一度読んでみると、初めて読んだときは何がなんだか分からなかった地名も、実感として理解できるようになりました。そしてTakさんの凄さも再認識しました。



>数馬の坂ほんとに苦しいんだよなぁ

私とは苦しさの度合いが違うような気がしますが(笑)



○○峠へ行っていたら200キロコースでした。というか、風張峠で足は終わっていたので、遭難したかも・・・。
 
 
 
今度は反対から (境川のmasa)
2006-10-26 15:32:33
>おいちゃんさん

ピーク周辺は緩やかだったような気がするのですが、それにしても全然苦しそうじゃなかったんですよね。反対から登ってみるしかないですね。あの笑顔の秘密を知るために(笑)



私も2回見ました。峠へ行く前日に予習として。

で、復習でもう1回見ようかと(笑)

仮面ライダーには自転車は似合わないというのが、この番組でよく分かりましたね。
 
 
 
距離感は・・・ (境川のmasa)
2006-10-26 15:33:46
>yuzito70さん

yuzito70さんほどではないですが(笑)、確かにおかしくなってきてますね。コースを考えるとき、100キロ程度じゃ物足りなくなってきてます。



奥多摩は私の自宅(境川の大和橋周辺)からだと、輪行したほうが面倒なような気がします。降りてきて、上野原、藤野じゃあ、走った方が早いし。

○○峠へ行って塩山に降りてきたら輪行するしかありませんが。



奥多摩は地図を見てるだけで楽しいですね。峠だらけです(爆)



「趣味悠々」は楽しませてくれますね、いろんな意味で。終わってしまうのが寂しいです。
 
 
 
「10年早かった。orz」が原点 (境川のmasa)
2006-10-26 15:36:40
>TETさん

3月15日のTETさんのエントリーに影響されました。このときは青梅から登られてますが、暫定で画像だけアップされたときは、ここどこ?っていう感じでまったく分かりませんでしたが、「山梨県」という標識に一番驚きました。うわ~、山梨まで行ってるよ、すげ~って。でも、自分もいつか行ってみたいな~と密かに思ってました。



>五日市側のほうがしんどそうだな

そのときのエントリーにTETさんは、

>10kmで600mって、平均6%?(@_@

って書いてますよ(笑)。どっちもきついみたいですね。



甲武トンネル手前は死にそうでしたね。ヘロヘロのボロボロでした。でも、登らなきゃ帰れないですからね・・・。
 
 
 
お疲れ様でした~ (ひふみ)
2006-10-26 16:08:08
いつもいつも行ってみたいなぁと思わせるエントリーに今回も感激です。

秋川や奥多摩方面には車で何度か行ったことはあるのですが、今度は自転車で行ってみたくなりました。どこで折り返すかは体力と相談ですけど・・・ごにょごにょ・・・
 
 
 
ぜひ紅葉を見に! (境川のmasa)
2006-10-26 21:12:36
>ひふみさん

感激だなんて! ありがとうございます。坂を登った甲斐がありました。

エントリーにも書きましたが、和田峠手前の陣馬高原下バス停までと、檜原街道の上川乗までは比較的平坦です。そこまででもいい雰囲気ですよ。で、余裕があれば少しでも登ってみましょう。どうせ、帰りは下りですから(笑)。ぜひ、自転車で頑張って紅葉を見に行って下さい。
 
 
 
仮面ライダーを超えたか!? (ちうこ)
2006-10-26 22:54:30
ライダーmasaさん、こんばんは。

これまたお見事な峠越えでした、すごいですぅ。

峠疑惑の回は見逃してしまったんですが、あの走りを見る限り「うそだー」と思いますね。

私はmasaさんが仮面ライダーに思えてきます(笑)。

 
 
 
亀の歩みのライダーですが (ライダーmasa)
2006-10-27 00:34:07
>ちうこさん

あそこの峠を仮面ライダーが登るんだったら、素直にバイクで登れば良かったのにと思いますねぇ。仲間も一杯いるし、その方がさまになる。

って、それじゃ番組になりませんが。(笑)

何にしろ、あのガニマタ漕ぎではヒルクライムはちょっと無理でしょうねぇ。

でも終わってしまって残念という、実は複雑な気持ちです。

続編やってくれないですかね。
 
 
 
ウソでぇ~ (sudoban)
2006-10-29 20:52:31
>自転車海苔が「ウソでぇ~」と思ったこと

 しょう。



僕もその口でした(笑)、あくまでも想像の世界だった訳で・・masaさんは実際に登った方だからこそ、説得力があるッスね(笑)

いつもながら丁寧がエントリー。あざぁっす。



しかし、

ロード、欲すぃ~!!!
 
 
 
そうッスよねぇ (境川のmasa)
2006-10-30 21:10:53
>sudobanさん

あれで上れるんだったら、達成感も何もあったもんじゃない。

22%のあざみラインだって、誰だって簡単に上れることになってしまう(それは、ないか(笑))

何にしろ、峠はどこも辛いッス・・・。



日曜にsudobanさんの庭で遊ばせてもらいました。

気持ち良かったッス。

sudobanさんが、次に1周するときはロードかな(笑)
 
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