いつどのくらい働いているかを、ちゃんと記録したほうがいい。
深夜は1.25倍の報酬がもらえるはずなんだから。
というアドバイスをくれた友人がいる。
一流企業の人事部で働く友人だ。
そのとき、その発想はなかった!なるほど!と思った。
でも、今回の電通過労死事件を見て、
そういう問題じゃないんじゃないかと思い直した。
会社員は、一定のルールで管理されることで、利害が対立する労使関係において
不利益を被らないように庇護を受ける。
その前提にあるのは、「会社が生活と精神の拠り所であり、圧倒的不利な力関係の上で、
拠り所を維持するためには基本的にやれといわれたことをやらなければならない」
という鉄則だ。
特に電通のような、そこの社員だというだけで有形無形のさまざまな恩恵を受ける
「ブランド企業」の場合、会社と個人の力関係はさらに会社が有利になる。
だから、新卒の女性社員は、死ぬ前に辞められなかったし、ぶっちぎって数日休んでガン寝して、
翌日涼しい顔で「有給いただきましたー!ありがとうございます」って出社することもできなかった。
死ぬぐらいなら、寝ればよかったのに。
フリーランスはそもそも、
生活も精神も特定の会社に依存していないので、
管理と庇護が必要になるような圧倒的不利な力関係とは無関係だ。
だから、好きでその時間にやっている深夜業務に対して
1.25倍の報酬を要求する必要がない。
そもそも目の前の仕事は、自らのオーナーシップを前提に
やっているので、睡眠を優先するべきときは、自主的&総合的判断の上で、そうする。
その結果、仮に仕事を失ったら、他の仕事をする余裕が生まれ、チャンスが広がる。
管理と庇護の背景には、物心両面の支配と依存がある。
そこにツッコミを入れるのは、ナンセンスですかね?
若く優秀な人物の死を心から悼むとともに、ご冥福をお祈りいたします。