JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

映画 「無人列島」

2008-09-11 | 映画(DVD)
シネマヴェーラ渋谷 「妄執、異形の人々Ⅲ」

「無人列島」1969年 かないぷろだくしょん 監督:金井勝

「畸形の少年・日出国は、尼僧からの折檻と淫らな行為の末、背中に不気味な瘤をもった。やがてそこから男児が生まれたが、赤子は日出国の背中とくっついたまま育っていった。日出国は背中の子供に対して知的劣等感を感じはじめ、ある日自分を無能呼ばわりしたその子供を殺してしまう。」

妄執、異形の人々も3年目。そのうちいくつかの作品を鑑賞してきたけど、私が観た中ではこれが一番の異色作品。
はっきり言ってあまりにも前衛的でさっぱり解らん。
しかし、辛うじて解らないからといってムカムカするタイプの映画に陥っていない。

冒頭、あきらかにメイクや容姿に問題のある尼僧たちによる畸形少年の裁判シーンから、鞭で摂関する尼僧。摂関するうちいつのまにか淫らな喘ぎを漏らす尼僧侶と、これは、お下劣度満点の最低映画かとあらぬ期待をしてしまったが、進行するにつれ前衛度が増して行き、置いて行かれっぱなし。

日出国が最初まともにしゃべれぬ精薄児のようでありながら、背中の瘤の子を殺してから、顔つきも精悍になり、科白も明朗快活になる。何を意味する。

金嬉老事件のニュースをバックに部屋中に新聞紙を丁寧に貼り続ける夫婦。その行為に疑問を持ってしまった妻を陵辱殺害する日出国。
若妻の胎内から「君が代」にのせて5人の子供(大人体型)が誕生する。
ここはナイス・アイデアの名シーンなんだけど、呆気にとられて見守るばかりです。

音楽の選曲センスもハッとするものあり。神楽囃子からJ・ブラウンまで・・・

宗教とか国家、愛国、その他、明らかに何らかを象徴しているように思わせているけど、あんんまりそんな事は考えない方が良さそう。どうせ、訳解らないんだから・・・



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