JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「グラマ島の誘惑」

2010-02-17 | 映画(DVD)
「追悼 森繁久弥」

「グラマ島の誘惑」1959年 東宝 監督:川島雄三

第2次世界大戦末期に南洋の孤島に漂着した皇族とお付き武官、報道班員や慰安婦ら男女の一団が狭い世界で巻き起こす珍事、情事、惨事の数々を徹底したお色気とギャグで綴るオールスター・キャストの超喜劇大作。

アナタハン」を題材にした川島映画があるというのがこれでしたか。でも内容は全然違う。飯沢匡の戯曲「ヤシと女」を原作として川島自らが脚色したもの。
島に流されたのは3人の軍人と報道班員、慰安婦、もともと島に居た未亡人という女たち9人。それに原住民(後に日本脱走兵と判る)ウルメル

こりゃすごい。
皇族、宮様の海軍大佐為久を森繁久弥が上品にも下品にも公家っぽく演じる。この宮様、女と食い物の事しか考えておらん。
お付武官の兵頭(桂小金治)が女どもを整列させて演説をぶっている間、女たちの方から乳をいやらしくお触り、絶妙のタッチ。

女たちの中では未亡人の八千草薫が相変わらず美しいのは兎も角、報道班員の画家・坪井すみ子(岸田今日子)だ。特にその初登場のシーン、思わず口笛を吹きたくなるほどカッコ良い、よ~い。

ストーリーは川島雄三らしく皇族批判などを交えつつ進む。
何も働かない宮様にこき使われる非民主的制度に革命が起こり島は民主的に統治。宮様は「革命といっても女の革命だ、殺されずに済んだ」とあくまで暢気。

原爆きのこ雲を見て卑猥な事を想像する淡路恵子と轟夕起子

やがて終戦となり、グラマ島に八千草薫とアダモちゃん、じゃなかったウルメル(三橋達也)を残して内地に帰る。
ここから先がまた長くて、赤線廃止、沖縄問題、トルコ風呂などなど当時の世相を巻き込んで、果たして収拾が付くのか不安になるのも川島流。

森繁の全開ぶりに対してフランキー堺が平凡に感じてしまったのが残念。

あれだけ登場でカッコ良かった坪井すみ子が最後は沖縄の変な衣装を纏ってた。

なお、この作品はメリー・ローズこと春川ますみ(画像右)の記念すべき映画デビュー作ですと・・・


新文芸座

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