JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

映画 「モスクワを歩く」

2008-08-07 | 映画(DVD)
神保町シアターでの「ソビエト映画 ロシア文学特集」は第1週のゴーゴリ映画だけでもという思いも体調とスケジュールの関係で断念。それならば、まだ百夜映画祭が下高井戸のモーニングショーでやっているので、行ってみる。例によって事前知識はただ、「キン・ザ・ザ」の監督作品という程度。

しかし、これにはマイッタ!露助映画にこんなにも楽しく魅力溢れる映画があったとは・・・嬉しい発見でした。

「モスクワを歩く」1963年 ソ連 監督:ゲオルギー・ダネリヤ
Я ШАГАЮ ПО МОСКВЕ

昨日までまったく面識もなく、数千キロも離れたところで生活していた2人が、偶然地下鉄の同じ列車の中に隣り合せて乗っていた。地下鉄の工事現場で働くモスクワ生まれのコーリャ。もう1人のワロージャは旅行の途中に一日だけモスクワに滞在。コーリャの親友サーシャは5時から結婚式を挙げることになっている。アリョーナは、デパートのレコード売り場の可愛いい売り子だ。この4人がいつしか出会い、いつもと違う慌しさに巻き込まれていく。

冒頭の飛行場でクルリと踊る女性とワロージャのシーンからそのカメラワーク、モノクロ映像の魅力的なこと。そこに可愛らしい音楽が重なり、モスクワでの若い4人の一日が描かれる。モスクワという町はまったく知らないけれど、これは都市映画として、モスクワの活気、魅力を描いた秀作でした。
散りばめられたユーモアのセンスも好ましいものばかり。

レコード店でバイトしているアリョーナと初対面で何とか気を惹こうとする男の子たち。「自販機なら売り子がおしゃべりしなくて良い」と呟くおばさん。

中でも小説家になりすました使用人で一介の床吹きに文学論を吹きかけられちゃう場面。この床吹き男、足でダンスのように雑巾かけしちゃったりするなかなかの文学論者で痛快極まりないキャラ。

夜の遊園地での馬の絵早書きクイズ。テレパシーで振り向かせた男(このキャラがまた愉快)に泥棒と間違われたり、アリョーナは本当の泥棒を逃がさないため絶叫マシーンに同乗。

若者の一日の爽やかさとモスクワの街の情景が映画の楽しさをあらためて感じさせてくれる。本当に素敵かどうかはわからないあのモスクワがパリやローマ以上に素敵に思えるのですから・・・



ラスト、地下鉄構内で別れ別れになり一日が終わる。コーリャが今まで可愛らしく軽快なBGMに歌詞をつけて歌いだすにいたっては、ウ~ム。この監督判ってらっしゃる!
エスカレーター・ガール(?)ともども心中「出来ました!」の賛辞。

確かにユーモアセンスは後の「キン・ザ・ザ」に通じる物があるようですがデビュー作と青春物という意味で初々しく爽やかなんであります。

とにかく露助を見直してしまう楽しい作品で手許において何度も観たいと思えるヒットでした。

サージャの坊主頭に萌え

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