JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

映画 「少年、機関車に乗る」

2007-10-28 | 映画(DVD)
「ファルーと弟のアザマットは、遠方に住む父親に会うためオンボロ機関車に乗って旅にでる、中央アジアのレール・ロード・ムーヴィー。始終映画的瞬間に満ち、何気ない人々の表情が輝いている!」

タジキスタン、私にとっては中央アジアのスタン、スタン(~の国の意)の中でも最も馴染みの薄い国。そのタジキスタンと旧ソ連合作の1991年の映画だ。
原題は「Bratan」・・・ロシア語で弟の意。
ファルーの歳の離れた弟アザマットは何だか原田真二みたいな顔をしてデブちんなんて呼ばれているけど(確かに太めではあるがデブというほどでは無い)なかなか可愛い。何故か土を食べてしまうという奇癖を持っている。

セピアの画面で貨物列車を牽引するオンボロ機関車から見える中央アジアの何も無い平原の流れだけでも素晴らしい映画として成り立っている。
線路沿いに馬が併走したり、トラックと競走してみたり、地元の悪がきの投石による襲撃、途中止まる駅の風景、駅に集まる地元の人々。
これらをセピアの中に光と影、また鏡、ガラス、水面の反射等を巧みに使って見せる視覚的映画の部分。それだけでなく聴覚的にも面白く、中央駅のラジオや映画小屋から流れるエキゾチックな音楽はもちろん、日常の雑音が耳に飛び込んでくる。誰だかの鼻歌やら、遠くで聞こえる断続的な爆裂音とか・・・
タジキスタンの習慣や子供達の遊び方など知らざれる部分の意味不明さが異国感を高めてくれる。

映画体験の少ない私はジム・ジャームッシュのモノクロ作品の光と影に出会ったころを思い出したし、異国旅行体験の少ない私はマチュピチへの鉄道から見る風景を思い出し、懐かしい気持ちになれた。関係ないか。

それにしても兄弟ってやっぱり良い。ファルーはアザマットの世話はウンザリとか言ってはいたけど・・・
歳が近くいつも一緒に遊んで育つ兄弟と違って完全に上下関係がある年齢差の兄弟はどんなものかと思ったりするけど、まったく違う良さがありますね。

車中乗り合わせた女性客に弟をダシにして近づくキッカケを作ろうとするファルーが微笑ましい。

監督はバフティヤル・フドイナザーロフ

たまに、こんな映画に巡り会える。先ごろ開催されていたフィルムセンターのウズベキスタン映画祭。アテネ・フランセでの映画の授業(ロシア古典映画篇)。いづれも1作品くらいは観に行きたかったが予定が付かなかった。その無念さをちょっと晴らせた。

シネマヴェーラ渋谷「子供たちの時間」より

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