JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「マタンゴ」

2010-03-26 | 映画(DVD)
「プレイバック! ~今よみがえる、あの日の2本立て~」

「マタンゴ」1963年 東宝 監督:本多猪四郎

7人の若者を乗せたヨットが、嵐のため無人島に漂着した。その島を探索した結果、彼らより先に、一艘の難破船が漂着していたことが判明する。だが乗員の姿はどこにもなく、ただあたりは奇妙な形状のキノコが群生しているのみだった。やがて食料の残りが少なくなり、彼らは恐る恐るそのキノコを食し始める。そしてそのキノコを口にした者は、人間の姿を失い、奇怪なキノコ・マタンゴへと変身していくのだった……。

2本立て、こちらが本命の「マタンゴ」以前レンタルで鑑賞済み。劇場では初。
レンタルで借りた時も単なるB級映画だと侮っていて予想以上の出来栄えに驚いたものです。
このマタンゴ、ゾンビのロメロ監督は観ているのだろうか。もし観ていないのなら是非見て評価いただきたい。「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」よりこちらの方が先ですよね。
パニック映画として必要な条件はほぼ備えてるでしょ。

極限状況で見える人間のエゴ。もう漂着した時からてんでんばらばら・・・、マタンゴ化した人間の脅かし、美女の悲鳴・・・。鳥さえも寄り付かない島。
構想の背後には「アナタハン事件」もあったとかで、孤島における男女の心理の危険さ。
歌手・関口麻美(水野久美)の台詞が如実に現す。
「みんな私が欲しいのよ。フフフフフ」って、そりゃ凄い。

主人公の大学教授・村井(久保明)とともに冷静で理性的と思われた作田(小泉博)の裏切り展開もナイス。

きのこ化した人間が何故人間を襲うのか、いや本当に襲う気があるのか、ただただ戸を破って侵入しようとするマタンゴ。

禁断のきのこを食べると強い幻覚症状を表す。
生き残った村井教授の証言をもとに物語が進むのでどこまでが真実でどこからが幻想かは定かでない。

笠井産業社長(土屋嘉男)の見る幻覚が夜のネオン街とヌードダンスってのがせつないね。

後半、雨の中きのこがにょきにょき成長するあたりからの幻覚シーンは必見。
それまで水野久美に完全に遅れをとっていた八代美紀が「センセーイ」と手を振る。
美術もとても良い感じでグリーンを基調にした苔色が魅惑的、水野久美のスカーフの緑。
水野久美の代表作と言って間違いないんじゃないか。



人間止めますか?         
彼女が官能的であればあるほど禁断のきのこを食して人間を止めても良いと思う心理に共感と恐怖が増幅するって寸法。まことにお見事。

これは子供の頃見てトラウマになったという人も多い。良かったなぁ、子供の頃見なくて・・・

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2 コメント

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子供の頃,TVで観ました... (snowman)
2010-05-02 23:45:23
本作のTV放送の翌日の小学校で小生の
周りでは「観たか!」の会話で持ちきり
でありました。いやァ,小学校に通う年齢
の子にとってはそのインパクトはとても
大きかったといわざるをえません。
『続・荒野の用心棒』のTV放送の時も
皆して話題もちきりでありましたが。
たしか本作に接したのは,あの時以来
であります。もう一度観賞するだけの
勇気があるだろうか....。
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Unknown (imapon)
2010-05-05 11:45:31
snowman様、コメント感謝
私はこの映画、存在は知っていましたが見たのは大人になってレンタルで借りたのが初でした。
今回は2度目の鑑賞ですが、つくづく子供の時に見なくてよかったと思います。
小四の子供がもう少し大きくなったら一緒に見ようかな。
返信する

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