JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

映画 「最高殊勲夫人」

2008-06-22 | 映画(DVD)
増村=若尾といえばドロドロのものばかり見てきたのでこういう爽やか路線のものも観ておきたいと思っておりました。

「最高殊勲夫人」1959年 大映東京 監督:増村保造 脚本:白坂依志夫

杏子(若尾文子)は、ごく普通の家庭、野々宮家の三女。 三原商事の社長一郎(船越英二)と結婚している長女桃子(丹阿彌谷津子 )、専務・二郎(北原義郎)と結婚している次女梨子(近藤美恵子)。社長夫人として力を発揮しすぎる桃子は三原家三兄弟の三男・三郎(川口浩)と杏子を結婚させようと画策する。 勝手に進められる結婚話に腹を立てた杏子は「断然結婚しない」と宣言したが、いつしか相手を意識するように・・・

なかなかラブコメなんて恥かしくって観に行けないのだけれど、こういう旧作なら観れるんだよね。若尾文子はいつもと違ってとても爽やかなお嬢さんを演じてくれています。
DVDのカバーも飾っているTOPの画像(ラストシーン)が無くても2人が最終的に結ばれる事は誰にでも分かる安心のコメディー

庶民的お嬢さんの若尾文子。父親(宮口精二)とキャッチボールに興じていたり。
そこでの弟との会話。
「川上のあと、ファーストは誰が守るんだ」
「与那嶺だろ」
「何だ、年寄りじゃつまらないな」に
若尾文子、ボールをグラブにぶつけながら「与那嶺はまだ打つわよ」
そうです。タイトルはプロ野球の最高殊勲選手(今ではMVP)からなんでした。
野球の話題が普通にできる家族と、その時代。よろしいでんなぁ。話題が読売なのは残念ですけど・・・

喫茶店でサンドウィッチを大口で頬張り、牛乳を一気に飲んで洋服に垂らす若尾文子が素敵なんでした。

定年後の就職難で宮口精二が「人が多すぎて就職口がみつからない」とグチるように、この映画は人、人、人、背景にエキストラをうじゃうじゃ使う演出が好きでしたね。
満員電車で声を潜めず会話する親子。姉が公衆電話を切ると、すかさず次を待っていた人が受話器を取る。喫茶店、飲食店はどこも満員で席をたつとすぐに次の客が席を埋める。満員電車内で若尾文子が川口浩と結婚するわけではなくフリーであるとの噂が広まり、オフィスの満員エレベーター内で入れ替わり立ち代りデートを申し込む男性社員・・・・
こういうバカバカしい演出がツボでした。

そして、皆さん仕事そっちのけで告白しまくり。あっけらかんとした痛快ラブコメ。
本命(若尾)に断られても実に潔く、結局、猛烈にアタックを仕掛けてきている他の女の子とゴールイン!

人口増加と女性の強さが目立ってきた時代を描く作品です。

あまり観る機会のないラブコメだけど、とっても面白く楽しめたわん。

劇場から事前に「音声に一部聞き苦しいところがある」と断りがあった。
まぁ、古い映画だからそういう事もあるだろうと気にせず臨んだのだけれど、一部どころかオープニングの音楽からずーっと数十分聞き苦しい。
一時はどうなんるかと思いましたが、ストーリーに入っていくうちいつのまにか音声が正常に。
面白かっただけにチト残念。

ラピュタ阿佐ヶ谷 「脚本家 白坂依志夫」より

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