JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「痴漢電車 マン淫夢ごこち」

2017-01-17 | 映画(DVD)
「痴漢電車 マン淫夢ごこち」2017年 オーピー映画 監督:城定秀夫

理想が高く結婚を焦る麻美。周囲に流されてしまう君子。痴漢逮捕に執念を燃やす警察官涼子。同時刻に同じ電車に3人が乗り合わせ・・・。

お正月恒例の痴漢電車にピンク界ダントツ1等賞の城定秀夫が投入されたよ。
城定作品としては並かもしれないが、それでも圧倒的に面白い。
電車内の痴漢行為シーンが満足行く撮り方なのは当然として、電車を降りてからも輪をかけて面白い。

同じ電車内での3人の被害者のストーリーは別々でありながら微妙にからみあって行く。
痴漢のプロ「蠍」に手錠をかけた涼子(松井理子)が手錠で繋がれたまま痴漢されるってのもなかなかエグいシチュだ。
この涼子のプロフィール紹介に使われる車外逮捕シーンの痴漢が実は、その後の君子の痴漢相手であり、お高い麻美に堂々と「この人痴漢です!」と挙げられた男だったりする巧みさ。

電車を降りた後のエピソードがまた嬉しいのは、ピンク映画は男性のためにあるという事を十二分に感じさせる。これは肝心な要素ですぞ。

流されるまま、断れない女君子(竹内真琴)と女房からも上司や部下までにもコケにされて、痴漢の罪を犯してしまったダメ男。
まぁ、なんとも女神な眼鏡図書館員、竹内真琴ちゃんなのです。
太宰治の「女学生」を読んでますが、そのフレーズは意味深にラストで使われる。
男が少しづつ合意を求めながらいたす折の「もう言わないでください」が温い気持ちにさせる。



松井理子の男に負けない女刑事ぶり。このブサイク加減が絶妙です。ブサイクでもエロいからいいんです。
女性蔑視的発言を気持ち良く浴びせる上司とのやりとりも傑作なんだよね。
多くの男に痴漢されまくる夢想シーンでは何故か般若心経。



主役級の高嶺の花を自覚する麻美の希島あいりは化粧のケバさとどうしてもナチュラルが感じられない美貌の持ち主で、本来好ましくないのだが、この役なら嵌ります。
結婚詐欺に引っ掛かり公金横領で追われる身を痴漢したホームレス親父に匿ってもらう、まずピンク映画ならではのサービス展開。
サービスばかりじゃなく、逮捕を覚悟した女の子としての願いや、ホームレスの渡す電車賃が泣かせる。



エンディングは3人それぞれの車中。麻美が騙された婚約指輪を君子にあげちゃう。流されるままの君子は見知らぬ女からの不意のプレゼントをもらって喜んでる。キャラのダメ押しも嫌味じゃない。


「箱をあけると、その中に、また小さい箱があって、その小さい箱をあけると、またその中に、もっと小さい箱があって、そいつをあけると、また、また、小さい箱があって、その小さい箱をあけると、また箱があって、そうして、七つも、八つも、あけていって、とうとうおしまいに、さいころくらいの小さい箱が出て来て、そいつをそっとあけてみて、何もない、からっぽ、あの感じ、少し近い。」

冒頭、並みと申したが、意外とコレ傑作に思えてきた。うまくいくとまた一般公開もあるかも。

ただし痴漢は卑劣な犯罪です。
男性向けの内容ですが寛大であれば女性も楽しめますのでどうぞ。



上野オークラ劇場

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