JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「徳川女刑罰史」

2010-09-23 | 映画(DVD)
「石井輝男 怒涛の30本勝負!!」

「徳川女刑罰史」1968年 東映 監督:石井輝男

江戸時代を背景に、3編にわたる壮絶なセックス・バイオレンスが繰り広げられる。罪を告白し刑に処せられたヒロイン。そんな彼女が兄を殺すに至った経緯が物語られる。第2話は尼寺での拷問・自殺事件。さらに、刺青モデル殺人事件が発生。

石井監督お得意のオムニバス仕立て
オープニングの刑罰にかかる(首切り・胴切り・火炙り・牛裂きの刑・・・)無名と思える女優さんたちにまず期待が高まります。

今回も狂言回しは吉田輝男。
ただ第一話の近親相姦の兄役としてでなく妹(橘ますみ)を裁く兄にそっくりな与力・吉岡頼母として。
この与力が残虐な刑罰に疑問を持っている。対極に位置する与力・南原一之進(渡辺文雄)は刑罰に喜びさえ感じるサディスト。2人の対立がオムニバス構成の中で効果的。
それにしても橘ますみ(温泉あんま芸者を見るまで存在すら知らなかったとは迂闊すぎ)の可憐さが絶品です。しかも厳しい刑罰に耐えてくれちゃうんだから・・・

第二話は尼寺での集団私刑で尼僧たちが磔になった「珠光院尼僧首斬りの件」
レズの尼・玲宝(賀川雪江)が男僧と逢引する尼・妙心(尾花ミキ)に嫉妬する。
賀川雪江とレズ役の尼(白石奈緒美)が剃頭のズラを被って後頭部を巨大化させ宇宙人的容姿を見せるのに対して尾花ミキの方は本物の坊主頭で、これが苦悶の表情とともに美しい。
愛する男の生首を持って立ち回る玲宝・賀川雪江

今回もオムニバスの中でもっとも光っているのが第三話の小池朝雄でした。
「名人彫丁の白人女地獄責刺青の件」
刺青師彫丁(小池朝雄)自信作の地獄絵図の刺青お披露目の席でケチをつけるのが与力・南原一之進(渡辺文雄)
「責めにあった女の表情はそんなものではない」
一世一代の彫り物のために拷問見学。なんと彫丁、南原、吉岡頼母が揃って遥か長崎までご出張。
彫丁が最後に正義を振り回す意外な展開はどうかとも思うが、シツッコイ目つきと台詞回しで圧倒してくる小池朝雄がとにかく見事。
今回の特集で「徳川いれずみ師 責め地獄」は見送ったけれど、これは今後、要チェックだな。
女湯で肌を物色する際のコミカルな由利徹もお忘れなく。

石井監督のエログロ路線、オムニバス物ははずしませんね。

シネマヴェーラ渋谷

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