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JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「玉割り人ゆき」

2010-12-17 | 映画(DVD)
「エロ・グロ・純情/東映カルトプリンス 牧口雄二の世界」

「玉割り人ゆき」1975年 東映 監督:牧口雄二

昭和初期、京都・島原で遊郭に売られてきた女たちに性技の基本を教え、娼妓には特殊な技を仕込む“玉割り人”と呼ばれる仕事師たちの中に、ひときわ美しく性戯にも長けた“ゆき”という女がいた。廓の女たちに値を付け、あるときはに失敗した男と娼妓に残酷な仕置きをするような毎日。ある日、警官に追われるアナーキストの森から拳銃を預かる。偶然の再会を果たし、常に携帯していた拳銃を森に返したゆきは二人で酒を飲み交わすうち、女としての自分を感じてゆく――。

東映ポルノ。作品としても女優としても2戦級のイメージのあるこちらですが、なかなかどすして楽しめるじゃないですか。

潤ますみの玉割り人ゆき。着物に日傘に京言葉をもってしての仕事人ぶりが超COOL!
特に前半部のグロい場面(を失敗した男・川谷拓三と娼妓・八木孝子に施す仕置き)で表情一つ変えずに残忍性を発揮。背筋に氷が走るほど・・・
こいつがあってこその後半、アナーキスト森(大下哲矢)との純愛。このギャップがたまりませんな。
殴られても蹴飛ばされても「信じておくれやす」と縋り付くゆき。
まさしく、エロ・グロ・純情。

ゆきのクールなカッコ良さは偽装誘拐された妹分はつえ(森崎由紀)を身代金持参人として、綺麗に奪還するあたりにも表れます。

森の弟分正夫(奈辺悟)とはつえの恋。
そして、若くして反政府運動半ばで息絶える正夫が森に抱かれて交わす言葉・・・
「初めて森さんを困らせてやった」・・・
脚本、演出も水準以上。

昭和初期を舞台に映像美学の方も良い塩梅になっていて、とても叙情的。

今回の牧口特集、ラピュタのチラシを見ると、ある意味、川谷拓三特集の側面もあるみたいですね。
本作では足抜け未遂の男の往生際の悪さ。ホント、いい顔しますね、この役者さん。
ナニを切り落とされて、後に浮浪者になり果て、ゆきに対して執念深く復讐を狙う役柄。
絶命する森の「つまらねぇ、花火だ・・・」も名台詞。
アナーキスト森役の大下哲矢さんが高田延彦に見えて仕方なかったけど。

ラピュタ阿佐ヶ谷

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