JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「空の大怪獣ラドン」

2009-02-19 | 映画(DVD)
日本映画史横断③
怪獣・SF映画特集

「空の大怪獣ラドン」1956年東宝 監督:本多猪四郎

九州の阿蘇山にある炭坑で、坑道に巣くう巨大なヤゴ・メガヌロンの幼虫による犠牲者が発生した。事件を調査する河村は、その怪物をもしのぐ、巨大な怪鳥の姿を目撃する。その怪鳥・ラドンこそ、各地で相次ぐ災害の元凶だったのだ。その音速を超える飛翔速度はソニックブームを起こし、街はまたたくまに壊滅していく。そして、自衛隊の圧倒的な火力によってラドンを追いつめたかに思われたとき、もう一体のラドンが現れたのだった……。

怪獣映画の中でもとりわけ好きな作品。

レンタルで何度か見ただけだったので、是非劇場で、と機会を狙っていました。

やはりこの映画は前半部のメガヌロンの陰気さがあってのラドンの飛行。この対比が効いていて、福岡の上空を高速で飛行し街を蹂躙する姿、特撮が実に爽快感を生み胸躍る痛快さだ。
特撮のシーンはその後の作品でも流用されている。ウルトラQ「鳥を見た」で何度も見ているシーンが総天然色で。

西海橋をなぎ倒す。音速を超えて飛行するので飛行機雲を出して飛ぶラドン。

佐原健二、めちゃくちゃ若い青年。坑道をトロッコで突っ込む。
浴衣の白川由美を慰めていると、唐突に出現するメガヌロン。
ヤゴの化け物で、奇妙な音とともに・・・気色悪いです。

山を登るメガヌロンを警察官が遠隔でピストルで狙う。しかし突如接近していたメガヌロンの鋏に引っ掛けられる。怖~い。

ラドンの方も実に唐突な出現。2羽目の出現はなおさら唐突。

平田昭彦が例によって博士。ここでは縁の太い眼鏡でダサい博士。
アベックが阿蘇山で撮影したラドンの翼部。図版のプテラノドンの翼とサイズもピッタリ合ってしまう。なんたる偶然!

ラストは2羽のラドンが噴火口で力尽きていく。怪獣の自殺、心中ともとれる
この哀しみに満ちたラストが素晴らしい。
翻るラドン。
これはピアノ線が切れた事による偶然らしいけど、名場面が作り出される裏には得てしてこういう偶然というものがあるようだ。奇跡的名場面。

1956年、まだ怪獣映画がガキ共(要するに我々世代なんですが)を対象にする以前の名作としてとても好きなのです。

京橋 国立近代美術館フィルムセンター

にほんブログ村 映画ブログへ


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「カモとねぎ」 | トップ | 訃報 前田隣 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

映画(DVD)」カテゴリの最新記事