JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「悶え」

2011-09-19 | 映画(DVD)
「昭和夫婦百景」

「悶え」1964年 大映 監督:井上梅次

夫から不能であることを告白された新妻が、苦悩しながらも献身的努力をはらう。ドンファン青年の危険な誘惑や、人工受胎をも決意する処女妻の心理──。平林たい子の『愛と悲しみの時』を映画化したもの。

この映画は「黒い雪」同様、留さん文治(9代目)がマクラで紹介していた。
文治師匠曰く
「あの映画、おしまいまで見ているうちに手前ぇの方が悶えてくる。そして、若尾文子って女優がね、すけべったらしい目付きで・・・、私ぁ、ああいう映画、大好きなんっ・・・」
と聞かされちゃ、観ないわけには行きません。

昔、東京12チャンネルで放映され、勇んで観たものですが、エロ映画を期待していた当方、すっかり肩透かしを食らわされたものです。
久しぶりに劇場で見ると・・・

若尾文子の色っぽさは健在で、あんなに色っぽいのに処女妻。
お友達の江波杏子も、妊娠してしまうと、「結婚はしないけど産む。日本の女性がやった事のない新しい生き方」なんて言ってます。
そういう懐かしい時代・・・。

川津祐介はいつも通りの役で、若尾文子を誘惑する青年。夫(高橋昌也)の部下でもあります。
もう川津祐介以外には考えられないという役どころ。その叔母の藤間紫の、コメディーぽっさも微妙に笑えます。

怪しいのは多々良純と人工受胎を施すの医者コンビ。
黒眼鏡の多々良純が若尾文子に
「根が親切なものですから、御不幸なご夫婦を見るとついつい親身になってしまうんです」の珍台詞。怪しすぎだろ。

この映画の見ものは、高橋昌也がなんとか機能を回復させようと苦悶する妄想シーンに登場する渦巻きぐるぐるにありましょう。
ウルトラQのものより油が濃く、気持ち悪い。

川津祐介とホテルでよろめく寸前に、高橋昌也が部屋に突入、発覚。
自分の身体の秘密を部下に漏らされたと知って逆上。
ベッドに投げた押した妻に向かって
「何て事してくれたんだ、バカっ、バカッ、バカ!バカ!バカ!バカー!」で不能も回復。やおら流れる男女混声合唱。波しぶきがザバーン!
・・・とても深刻な題材とは思えず、ゲラゲラ。

ラストは和装の若尾さんで締め!(美!)

今、見ると文治師が言うほどスケベったらしくはないが「おしまいまで見ているうちに手前ぇの方が悶えてくる。」と言うのはある意味、当たっているね。
そして私もこういう映画、大好きなんっ・・・


ラピュタ阿佐ヶ谷

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