JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「グッドバイ(女性操縦法)」

2009-02-05 | 映画(DVD)
神保町シアター 「本の街・神保町」文芸映画特集Vol.10 男優・森雅之

「グッドバイ」1949年 新東宝 監督:島耕ニ

経営難の出版社のため、資産家令嬢との結婚を狙う編集長だが、彼には幾人もの愛人が…。太宰治の未完の遺作を映画化したコメディ。
※再公開時に「女性操縦法」と改題された短縮版・16mmで上映

恥ずかしながら、御多分にもれず太宰に嵌っていた時期がありました。
コーコーセーの頃。破滅型の人物像に憧れましてん。今となっては太宰を再読する気もなかなか起きないのです。ただ、この未完の遺作「グッド・バイ」だけは数年に1回、引っ張り出してきては読み、毎度毎度「続きが読みた~い!」と身悶えております。
うっかり心中してはいけませんよ。惜しい娯楽小説です。
それが、映画になっているとは知りませんでした。しかも続きが作られ完結しています。

太宰の「グッド・バイ」のシチュエーションを借りたラブ・コメディ。
これはまったく別物(登場人物の設定からして)「続きが読みた~い!」の欲求は満足されませんが、それはそれコメディ映画としてはなかなか楽しめるものになっているじゃないですか。

タイトルは「女性操縦法」太宰治「グッド・バイ」より-
となっている。関係者からいちゃもんでも付きましたか?
女性操縦法とはあまりにも皮肉なタイトルだけども、やっぱり太宰治「グッド・バイ」のタイトルの方がセンスが良いね。
でも再映版の上映なのだから神保町シアターのタイトルを「グッド・バイ」にするのはズルい。

1949年で音声はかなり悪く聞き取りにくい。

キヌ子役、美女、高峰秀子(ちょっと丸顔すぎるが・・・)鴉声の変わりに、解りやすく方言丸出しの田舎娘。
高峰秀子2役かと思いきや・・・「ローマの休日」の如きラブコメ。
途中、高峰秀子が人違いに会う。これが伏線となってラストのひとひねり。
オープニングのおまわりさんに繋がるわけだけれど、このひねりは取ってつけたようで違和感あり。

しゃべらない高峰秀子のおかしみのある演技がサイレントっぽく面白い。
特に飲み屋の女将、清川虹子とのやりとりは秀逸。

森雅之はドンファンぶりも挫かれ、捨てた女給の家に転がり込んでいる。この時の惨めさが良い。



ウルトラQ、一の谷博士でお馴染みの若き日の江川宇礼雄が森雅之の上司役で出ている。とてもバタ臭い。お髭はありません。ハーフだったのですね、一の谷博士・・・

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