JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「喜劇 とんかつ一代」

2016-09-24 | 映画(DVD)
「稀代のエンターテイナー! フランキー太陽傳」

「喜劇 とんかつ一代」1963年 東京映画 監督:川島雄三

東京上野を舞台に、名人気質のとんかつ屋・森繁、老舗洋食店のコック長・加東大介&不肖の息子フランキー、クロレラ研究家・三木のり平など個性的すぎる面々が繰り広げる傑作人情喜劇。ユーモラスな歌詞の主題歌「とんかつの唄」も必聴。

駅前シリーズなどでお馴染みのメンバーが揃ったけれど監督が川島雄三となるとちょっと一味違う感じがする。
三木のり平、フランキー堺を中心に飛ばすギャグは絶好調だけれど、全体の治まりはちょっと?
でも人情喜劇もとんかつ同様、カラッと揚げた感じは良い。
青竜軒が動物園の脇にあるってんで、けだものの鳴き声がSEで使われたり、やけにシュール。
コールマン髭・加東大介(青竜軒コック長)の存在にやや違和感を感じるけれど、あの役は伴淳では合わないものね。

人間関係複雑にからみ相関図で説明したくなる(続柄関係のギャグもありますし)けど、まぁ、今回面倒なのでいいや。

クロレラ研究の三木のり平の炸裂ぶりが凄まじい。
フランキーにひょいと飛びつきだっこ状態で延々と演技を続ける。俗に言う駅弁スタイル。
なんでもクロレラ食にしてしまうマッドぶりながら女房役の池内淳子が健気に尽くしている感じがとても良い。(今特集で個人的に池内淳子の株上がってます)

フランキーの見せ場は工事現場でクレーンで高々と釣り上げられる件と屋根を這い登ってみせる身体的ギャグ、最高です。
横山道代の半バカ娘っぷりもひどいもんだが、親である都家かつ江姐さんがその分、たいそうまともに見えるし、綺麗じゃんと思ったが・・・。それは無いですね、当方の血迷い。でも、若いですよ。

とり子の団令子と伸一さんのフランキーの熱烈ラブ・シーンにドギマギ。やりたいやりたい伸一さん。
とり子は伸一に対して絶対的な自信があるんですね。
とんかつ屋の物語にあってとり子とは?これはきっと虜の事なんでしょうね。

他にもとり子の父親が潔癖症な屠畜屋、山茶花究。逆上すると豚も人間も区別がつかなくなり棒きれを振り上げるなど、今でも笑えるギャグ満載。
この手の喜劇の中にあっていつでもまともで落ち着きのある、それでいてちょっぴり可愛い淡島千景様も健在です。

芸者と遊ぶ森繁のスケベぶり。でも今回は多少抑え気味かな。
芸者のりんごちゃんは二代目水谷八重子の水谷良重。



変なフランス人は岡田真澄と来ますが。岡田真澄の怪演よりも驚かされるのがそのお母さん。松本ひとしのような付け鼻。あれはいったい何だったんだろう?

当然、本作を見ているととんかつが食べたくなるわけですが・・・、私の場合、とんかつよりもむしろ、森繁が刻むキャベツの線切りが無性に食べたくなっちゃった。美味そうです。クロレラソースは絶対かけませんけど。

結局、上げていけばキリがないほど面白かったんだな。

珍妙な「とんかつの唄」、これまた楽しいです。
とんかつの油のにじむ接吻をしようよ~

ところでニュー青竜軒のコック長って誰がなったの?
益田喜頓さんヘッド・ハンティング?
将来的に伸一さんが修行し直してコック長になるとも考えずらいし、「これでいいのか?」「これでいいのだ!」・・・といった結末でしたな。



ラピュタ阿佐ヶ谷


ラピュタのとんかつ定食ディスプレイ

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