JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

映画 「拳銃残酷物語」

2008-02-20 | 映画(DVD)
シネマアートン下北沢
「原作 大藪春彦 -ハードボイルドワールド- 砂塵と硝煙の果てに」より

「拳銃残酷物語」1964年 日活 監督:古川卓己

これは大藪春彦の「ウィンチェスターM70」が原作。
大藪春彦デビューは中学生の時、この「ウィンチェスターM70」でした。

ハードボイルドや乱暴なアクションには無縁の気弱な少年でしたが、こいつは衝撃でしたね。何しろいとも簡単に次から次へと人が射殺されていく。そこには躊躇いもあまり無い。射殺された人数を数えるのも途中で断念。1ページに1人は殺されるなと思って読んでいるとやたらと面白くなってゲタゲタ笑いながら読了したもんです。その後多くの大藪作品を読んだため、筋書きはほとんど憶えていません。(似たり寄ったりなので)

山下洋輔の文体模写など、何かとお笑いの要素を伴って大藪作品に親しんだ者であります。

映画の方は「ウィンチェスターM70」というより、S・キューブリックの「現金に体を張れ」が下敷きになっていて何かと符合します。

現金に体を張れに大藪美学を取り入れた作品といったところでしょうか。
登川(宍戸錠)の事故で車椅子生活の身内(妹・松原智恵子)への愛情。組織のボス中村の息子溺愛。
登川の仲間を裏切らない姿勢。友情、と弟分思い。
友人が力尽き命を落としたときの「生きてるよ!」
弟分(川地民夫)に誤射された時の「当たっちゃいねぇ」
がいかにもでした。

後半ドンパチ合戦で原作同様沢山死にます。ハードボイルド感はあるもののS・キューブリックには及ばず平凡な印象。
ラストは火事で1億2千万が燃え上がるのですが、これもキューブリックを観た直後では中途半端にしか見えず残念。



にほんブログ村 映画ブログへ


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« DVD 「喜劇 駅前開運」 | トップ | 円盤生物ノーバ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

映画(DVD)」カテゴリの最新記事