ゆびおり短歌

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短歌人2017.4より同人の歌

2017-06-09 | 短歌人誌より
同人2より。

赤ん坊は喉の奥に鈴を持ちそれを鳴らしてわれを呼ぶなり/中井守恵(ルビ:喉=のみど)

硬い空気を鼻腔の奥へ送りこむ会いたい痛みに少し似ている/砺波湊

三ヶ月たったらたぶん春になる春解け残る雪のきたなさ/松木秀

幸せな子に見えるやう注意深く襟と前髪直してやりぬ/河村奈美江

みづうみの底を夜な夜な這ひ廻り弱きを襲ふナマズ羨しも/野村裕心

雨脚は白くかがやきわれはその脛のあたりを眺めてゐたり/松野欣幸(ルビ:脛=はぎ)

まっ白なひかりの中に置いてきた記憶を探る夜の八時に/滝田恵水


同人1より。

まだ無臭なるからだからのびやかな音符いくつもこぼれてくるよ/鶴田伊津

この冬も雪は積もらず風ばかり強くて言葉は頼りにならない/猪幸絵

一月の暦の若冲に支配されわが部屋ぞよぞよなまぐさきにほひ/小島熱子

はたらいてお金にかえて原付を少しうるさくする使い道/斉藤斎藤

だれの瞼もおもいのほかに伸びるだろう眠りの顔の、指に抓まば/内山晶太

右耳におしよせてくる笑ひありふとも過去世のあらはるるごと/伊藤冨美代

大きくは迷うことなきこの町に小さくは迷うみちのつづきに/小野澤繁雄(ルビ:小さく=ちさく)

満ち潮の夢のこわさの残りいる朝の体で教室に立つ/岩下静香
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