ゆびおり短歌

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短歌人2016.8より会員の歌

2016-09-15 | 短歌人誌より
会員2より。

旧居留地にテニスボールの音はずむ山手の丘を風吹きぬけて/太田青磁

母にしか言へないことも母だから言へないこともあるね、おやすみ/桃生苑子

橋の上で今日も女が聖書売るそば通るとき息を止める/いなだ豆之助

棺には見知つたをとこ横たわり落ち着きのないぼくらをわらふ/いなだ豆之助

時間ごと消え失せたのか真つ白いはまなすの咲くバス停留場/屋中京子

そこ此処に売り地の増えて埋まらないパズルのような町を散歩す/村井かほる

道端にべにいろ和紙の花ひとつ子供神輿の声とほざかる/古川陽子

我にかへるそのをり元の我だろか判らぬままにふたたに遇ひぬ/藤島朋代


会員1より。

アスファルトを徐々におしあげ姿みす筍の力いまは恐るる/北岡晃

古墳だと伝はるゆゑに古墳ならむ杖つく父とゆつくりのぼる/宮崎稔子

揺れている枝ことごとぐ揺れているこんな木の間にいてはいけない/辻和之

たんぽぽの絮を蹴ったり吹いたりしない男に歩幅を合はす/たかだ牛道

だれもいない実家に入り片づける仏壇の父に見られているよう/戸川純子

すずかけの木にブランコは吊されて母の子供のころ揺れてゐる/來宮有人

車窓から心惹かれた公園を降り立ち訪えば寂しきところ/野上卓

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