ゆびおり短歌

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短歌人2017.5より同人の歌

2017-06-16 | 短歌人誌より
同人2より。

をさなき日二十四色のクレパスの黄土色なる韻きを愛でつ/洲淵智子

今日のわたしが記憶するきのうのわたし 記憶をつないで生きている/御厨節子

越えずにはどこへもゆけぬ佐保川に日ごとふくらむ桜のつぼみ/勺禰子

眼に沁みる煙のような自意識をおさえこむべく強く息吸う/有朋さやか

きさらぎの雨に打たれてゐたやうな椅子を日のさす庭に運べり/三島麻亜子

谷間(たにあひ)の集落ともいへぬ三軒の不在にくばる福祉の広報/高島藍

町なかの旧家の消えた跡地には迷子のやうな桜木の立ち/牛尾誠三

補助輪を外したるのち自転車は子を軽やかにさらひてゆきぬ/河村奈美江

春がきてママはおおきくなったね、と囁くようにおさなごが言う/中井守恵


同人1より。

ぼうりょくをしらないわたしの両の手がふるえる ふるえをおさえふるえる/鶴田伊津

老松の幹の窪みに苔むして住めば都とふと思いけり/森直幹

遅くなりと伝ふる相手もをらぬまま濃霧に遅れし列車に座せり/八木明子

ふた駅で降りる電車にふた駅じゅう小銭をかぞえてたお年寄り/斉藤斎藤

夢の界いかにありしか分けきたる醒めぎはしんと体冷えゐつ/蒔田さくら子

いつよりか焚き火は禁じられていて長閑な村の不自由一つ/久保寛容

ことしのさくら仰ぐかたわらに死者はきてわれより若き髪をそよがす/池田裕美子

未来にか過去へか現在(いま)かわからない岬に立てば手を振るならひ/木戸敬

沈丁花匂える彼方ひんやりと夜が線路のかたちをしており/守谷茂泰

朝の陽にはつかかがよふあはゆきは地をすり抜けていづこに積もる/洞口千恵
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