シンクロニシティ & etc.

日々訪れるシンクロニシティの意味の探求と、「青天井」な人間力向上の追究、その他いろいろなことについて。

村上龍「無趣味のすすめ」感想⑤~ライバルという他者~

2009-04-17 23:38:43 | 読んだ本

 この章では、141ページで、

 「わたしはよく村上春樹さんとライバルだと言われる。春樹さんの作品と、海外での高い人気には常に敬意を払っているが、別にライバルだとは思わない。春樹さんもたぶん同じ思いだろう。」

 と書いている。

 「別にライバルだとは思わない。」と書いているが、「ライバルという他者」というところで書いているし、「わたしたちが周囲からライバル視される」と書いているから、意識しているのは間違いないだろう。

  さて、確かに、昔W村上というフレーズで二人は比較されてきたのは知っている。が、私は村上春樹氏の作品を読んだことがあるが、村上龍氏の作品についてこの「無趣味のすすめ」以外読んだことがなかった(ように思う)。

 だから、本当に二人がライバルと言える関係にあるのかどうかについては分からない。

 しかし、この「無趣味のすすめ」の文章を読んで、果たして村上龍氏が村上春樹氏のライバルと言っていい存在なのかどうかについて正直疑問符を付けざるを得ない。少なくとも、村上春樹氏の文章には、こんなに簡単に文句を付けられるところは見つけられない。意味が分からないときでも、「これは理解できない自分が悪い」と思えるだけのものがある。

 でも、昔の、見るからに生き生きしていたころの村上龍氏の作品は素晴らしかったのかもしれないから、積極的に読んでみたいと思った。

 「人は年月の経過によってどれくらい変わってしまうのか?」という人間の老化に関する研究の一環としてである。

 後、この章では、両村上氏の小説について、「売れる小説」と述べている。「売れる小説」と書かれて村上春樹氏はどう思うのだろう?感想を聞いてみたい。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿