とにかくボードゲーム

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枯山水 新装版

2015年08月24日 | 枯山水


『枯山水 新装版』がNew Games Orderさんより発売中です。
ボードゲームショップはもちろんのこと、ヨドバシカメラやAmazonでも手に入るようです。


石の素材が変更され、カード、タイルとともに、透明ブリスターにきっちりと収納されるようになりました。
石だけでなく、タイルの収納もできるのは良いですね。
ゲームルールはほどんど同じですが、以下のように細部がブラッシュアップされております。

・選択ルール(名庭園公開ルールと2人専用ルール)を追加しています。
どちらのルールも、採用することでより戦略的になると思います。
・「蓬莱山ボーナス」と「三尊石ボーナス」はそれぞれ1回のみ獲得となります。
・”よくあるご質問”の中で、対称性ボーナス等についてルールの明瞭化をしています。



また、東京ドイツゲーム賞特別賞の『曼荼羅』も発売中です。アートワークは『枯山水』と同じママダユースケさんです。是非、『枯山水』と『曼荼羅』どちらも遊んでみてください。



『枯山水』新装版発売、4000部製造 (Table Games in the World)

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ボードゲーム『枯山水』実況in【国宝】大徳寺大仙院

2015年07月18日 | 枯山水

明日19日日曜日の午前6:45からニコニコ生放送で、ボードゲーム『枯山水』実況in【国宝】大徳寺大仙院が放送予定です。非常に興味深い企画でしたので、わたしも是非見学に行きたかったのですが、仕事の関係でどうしても叶いませんでした。

大仙院庭園は龍安寺石庭と並び、枯山水の代表作品として称えられてきました。北東庭の堂々たる石組は最高峰といっても過言ではありません。蓬莱山、枯滝、鶴島,亀島、舟石といった枯山水の要素がぐっと凝縮されています。

ボードゲーム『枯山水』のメインボードには、大仙院の俯瞰図を使用しております。右上にあたる庭園が今回の舞台になるのではないでしょうか。「大仙院」の名庭園カードは最も強力なカードです(☆は舟石のイメージでした)。

大仙院でボードゲーム『枯山水』をプレイしていただけること、作者として非常に嬉しく感じております。『枯山水』をプレイするにはこれ以上ない最高の環境であり時間帯ではないでしょうか。普段は撮影禁止の貴重なお庭ですので、是非この機会にご覧ください。ボードゲームをお持ちの方は是非メインボードと照らし合わせて鑑賞されるとより一層楽しめると思います。

大徳寺山内には他にも貴重な枯山水が存在します。大徳寺本坊の枯山水は、個人ボードの1つとして使用しております。塔頭寺院の一つである「瑞峯院」の枯山水は重森三玲氏の作庭です。

早朝でありますが、枯山水が美しく見える時間帯だと思いますので、ボードゲーム『枯山水』実況を是非ご覧ください。

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■「ニコニコ23.5時間テレビ」特設サイト
http://ex.nicovideo.jp/23htv

■「ニコニコ23.5時間テレビ」視聴ページ
2015/07/18(土) 17:30開場 18:00開演
http://live.nicovideo.jp/watch/lv225962212
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『枯山水』ボードゲーム New Games Order
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『枯山水』 製品版

2014年11月19日 | 枯山水
『枯山水』
Stone Garden
プレイ人数: 2-4人
対象年齢: 10歳以上
プレイ時間: 60-90分
作者:山田 空太
画:ママダ ユースケ
オリジナル発行元:New Games Order



『枯山水』の製品版です。改めて手に取って見ましたが、石の質感と塗りはもちろんのこと、箱の貼り紙の素材感や、個人ボードの枠の絶妙な大きさなど、細かいところまでかなり良い感じでした。ママダさんによる名庭園カード、作庭家カードは、庭も人物も、まさにそのような雰囲気が出ていて相当に良いです。箱絵は紆余曲折ありましたが、最終的にはこれしかないという仕上がりだと思います。

*****

本日、お招きに預かり『枯山水』を2回プレイしました。きちんと遊ぶのは約1年10ヶ月ぶりです。自分の作ったゲームは、通常粗ばかり見えてしまい楽しくないのですが、『枯山水』は距離をおけた分楽しめました。自分で言うのも変ですが、想像していたよりもずっと面白かったです。


2回目の写真。個人ボードを持参することを忘れてしまいました…。
全て白砂で埋めようとしていたが、我慢しきれず苔を置いてしまう。そして、最後合わせきれず。名庭園カードも達成できず。作庭家カード”賢庭”も使いどころなく終わってしまい、当然の負け。対面のまえださんは大小の渦を完成させるものの、石が追いつかず。かとう店長の連勝。展開次第ではロースコアにもハイスコアにも振れるのが良いところかもしれません。


本当はこんな感じの個人ボードの上でプレイします。

場所を提供いただいたデザートスプーンのかとう店長さんと、機会を作ってくださったまえださん、どうもありがとうございました。大遅刻した上、個人ボードを忘れるという失態をしてしまいましたが、寛大なお二人のおかげで楽しかったです。『マンモス』も面白かったです。



◆『枯山水』ルールはこちらから。

◆『枯山水』は在庫少ないようですが、発売についてはNew Games Orderさんから発表されると思います。



*****


◆『ポストマンレース』も近日通販と委託販売開始しますのでよろしくお願いします。
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『枯山水』 着想からルールが完成するまで その6 Last

2014年11月15日 | 枯山水


『枯山水』 着想からルールが完成するまで その6 Last

◆目次
①東京ドイツゲーム賞~審査基準(何を求められているか?)
②着想から方向性を定めるまで
③2つのブレイクスルー (二次選考まで)
・長方形タイル=180度回転の限定
・最大長方形の白砂の面積と桂馬飛びボーナス
④コンセプトの確立と問題点の明確化
⑤さらに2つのブレイクスルー(二次選考まで)
・禅僧駒のアイデア!
・強奪と譲渡~補完し合う関係
⑥製品化に至るまで


*****

今回は⑥のお話です

⑥製品化に至るまで

前回までのお話はこちらから

『枯山水』 着想からルールが完成するまで その1
『枯山水』 着想からルールが完成するまで その2
『枯山水』 着想からルールが完成するまで その3
『枯山水』 着想からルールが完成するまで その3とその4の間
『枯山水』 着想からルールが完成するまで その4の間
『枯山水』 着想からルールが完成するまで その5
(随時修正、加筆しております)

二次選考の締め切りまで1週間、テストプレイを重ねました。当時のメモは下のような感じでした。

2/20
テストプレイ。基本的にはタイル引きゲーム。でも、石の数を少なくしたり、タイルの内訳をだいたい頭に入れると、結構ジレンマが現れる。提出するものはタイルも石も多めにした。この辺りの完璧な調整は今回求められていないだろうと。
2/23
友人と下呂温泉。テストプレイ。ゲームが引き締まる。特に第2アクションでタイルを引くという行動をなくしたのが良かった。おかげで石の価値があがった。何度もやるうちにゲームの奥行きが見えてくるような気もする。やはり名庭園カード、作庭家カードは必要か。譲渡は強奪がないと成立しないのであろうか。
2/25, 26
タイルの裏地を貼る。スプレーのり77は偉大。カードも裏地貼る。ニスを塗って補強。
最終調整。カードの中身、庭の価値点を微調整。
2/27
Tendays Gamesさん宛に郵送した。


親友2人が、最後のテストプレイに付き合ってくれたことが非常に大きかったです。2人から先入観のない意見を聞くことができて、迷っていたところが全て解消しました。名庭園カードと作庭家カードはプレイの方向性を決めるため、程よい緊張感を生み出すためあった方が良いという結論になりました。そして、”譲渡”と”強奪”は互いに補完し合いつつ作用するため、場を醸成するためにはやはり両者が必要であると思いました。

最後、二次選考用に向けて提出するために、タイルとカードに裏地を貼ってニスを塗って補強しました。最終調整として、作庭家カードの内容と庭の価値点を微調整しました。



■まとめ
枯山水のゲームデザインはテーマについて深く掘り下げるところから始めました。次に、タイルの砂紋や構成、石の形など、ディテールを追求しました。出来上がった部品をどう繋げるかが問いでした。

ひとつのシステムが中心にあり、そこから細部を調整するという方法ではありませんでした。『枯山水』の場合、細部から始めてそれらをどう繋げるかというアプローチでした。繋げ方も線で結んだり組み合わせたというイメージではなく、アメーバのようにいっょくたにした感じです。ゲームとして動き始めるまでには時間がかかりました。ずっと地道な作業でしたが、コンセプトが明確になったあたりから、すこし道が開けたように思います。また、ゲームとして成立させるためには、自由と制限のバランスを特に意識せざるを得ませんでした。

多少ルールが煩雑なところがありますが、自分としては『枯山水』はファミリーゲームと考えております。初心者の方でも大きな抵抗なく遊ぶことができると思っております。そして、できれば2回遊んでいただきたいです。最初のプレイだと、”譲渡”と”強奪”がなかなか生まれにくいかなと思うからです。庭の価値点は多少複雑ですが、一度プレイすると何となく見えてくると思います。

今回製品化するにあたり、二次選考に提出したときのコンポーネントは、量産を考えずに作ったものなので石や個人ボード(中央の凹み)にも拘りましたが、New Games Orderの皆様の尽力の賜物で品質の維持と量産が可能になりました。石は石膏で作られていて、ひとつひとつ手塗りされています。おそらく考えられる中で最上の方法ではないでしょうか。ママダさんによるアートワークは渋さと華やぎをあわせもち、とても魅力的だと思います。製品版では、ルールがブラッシュアップされております。作庭家カードの内容が一部改良されております。また、石の個数、タイルの構成、総数についても吟味され、ゲームとしての完成度が高まっています。

『永遠のモダン』に少しでも近づくことができたでしょうか。是非一度、皆さんに手に取って遊んでいただけたらと思います。

この場をもちまして東京ドイツゲーム賞と『枯山水』に関わってくださった全ての皆様、応援してくれた友人、家族のみんなに感謝の気持ちを伝えたいと思います。

*****

◆ゲームマーケットでの販売について
ゲームマーケット当日はNew Games Orderさんのブース(A 36)で販売しております。試遊もできると思います。
imagine GAMES (C13-14)のブースでは『枯山水』は販売しておりません。

(走り書きでしたが、枯山水のお話は一旦終了します。機を見つけて、もう少し加筆すると思います)
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『枯山水』 着想からルールが完成するまで その5

2014年11月12日 | 枯山水


『枯山水』 着想からルールが完成するまで その5

◆目次
①東京ドイツゲーム賞~審査基準(何を求められているか?)
②着想から方向性を定めるまで
③2つのブレイクスルー (二次選考まで)
・長方形タイル=180度回転の限定
・最大長方形の白砂の面積と桂馬飛びボーナス
④コンセプトの確立と問題点の明確化
⑤さらに2つのブレイクスルー(二次選考まで)
・禅僧駒のアイデア!
・強奪と譲渡~補完し合う関係
⑥製品化に至るまで


*****

今回は⑤のお話です。バラバラであった要素が繋がってきました

⑤さらに2つのブレイクスルー(二次選考まで)
・禅僧駒のアイデア!
・強奪と譲渡~補完し合う関係


前回までのお話はこちらから

『枯山水』 着想からルールが完成するまで その1
『枯山水』 着想からルールが完成するまで その2
『枯山水』 着想からルールが完成するまで その3
『枯山水』 着想からルールが完成するまで その3とその4の間
『枯山水』 着想からルールが完成するまで その4の間
(随時修正、加筆しております)


*****

地道な作業を長く続けていましたが、いよいよ大詰めです。

タイルの構成の見直し、コンポーネントの修正、手番での行動の見直しをしているうちに、1つ1つの部分が磨かれて、かなりゲームらしくなってきました。残っている問題点は、「石の置き方」と「交渉の”譲渡”がいかに作用するか」というところです。

「石の置き方」は自由過ぎても選択肢が少な過ぎてもいけないのですが、「石の置き方」の新しいルールを追加すると他の問題点が出てきます。転機が訪れたのは、締め切り三週間前のことでした。

以下は、その当時記したメモです。


2/10
タイルを15枚並べる。それと同時進行で石を置いていく。石をどのタイルにも置けたら面白くない。カルカソンヌでは、ミープルをたったいま置いたタイルにしか置けないようにしているが、それだと枯山水では手詰まり過ぎる。そこで仏像駒のアイデアを思いつく。これは名案かも。仏像駒を置いた列のタイルにしか石を置けないという縛りにする。これならちょうどいい。そして、仏像駒の直上に石を置くと仏像駒を1マス動かせるというルール。仏像駒がどの行にいるかも考えないといけない。



製品版のルールです。

”仏像駒(製品版では”禅僧駒”に変更となっています)のアイデアを思いついたとき、ゲーム作りの全過程において初めて手応えのようなものがありました。”禅僧駒”のルールは潤滑油のような働きをしました。散らばっていた諸要素が連結され、なおかつ全体がぐぐっと引き締まったような感触です。”禅僧駒”ルールの追加により、ゲームの時間の流れが落ち着きました。『枯山水』のゲーム終了は、誰かひとりのプレイヤーがタイルを置き終わったとき収束に向かいます。”禅僧駒”の存在により、タイル置きと石の配置の両方の流れがうまくシンクロするようになったのです。また、”禅僧駒”のルールはいかにもドイツゲームらしいルールでありました。

最後に残った課題は”交渉”のフェイズです。『枯山水』では”譲渡”と”強奪”という二つの交渉があります。”強奪”というのは一方的であり、もはや交渉とはいえないかもしれませんが、この2つはお互いに補完し合う関係であり、交渉と呼びたいと思います。

自分が本当に作りたかったのは”譲渡”が自然と発生する状況です。しかし、初期のテストプレイの中では、なかなか”譲渡”は生まれませんでした。場を動かす程のモチベーションにはならなかったのです。そこで、一度捨ててしまっていた”強奪”のルールを再登場させました。

”強奪”については、以前のお話で触れた『カルカソンヌ』2人プレイのときに思いついたアイデアです。しかし、あまりにも露骨であったためボツにしました。一度捨てたものを引っ張りだしてきたのですが、これが”譲渡”と同時に存在することで、なかなかにうまく作用しました。せっかく自分の庭に置いたタイルを”強奪”されるとゲーム的に損ですし、何より嫌な気分になります。

”強奪”されたくない。これにより、他プレイヤーの庭を見る必要が生まれます。そして、”譲渡”を考えるようになります。つまり、箱庭ゲームでありながら適度なインタラクションが生まれます。”譲渡”と”強奪”の2つのルールにより、ようやく”場”が形成されたと思います。うまく言えませんが,思惑が行き来する”場”です。

”強奪”という言葉だけをみるとと穏やかではないのですが、攻撃という印象はあまりないと思います。どうしても欲しいタイルなので、例え徳を失っても他人から奪うしかないというイメージです。”強奪”ルールを入れること少なからずに抵抗もありました。箱庭ゲームなのに、自分の箱庭が他人に干渉される可能性があるというところです。箱庭ゲームならではの、作り上げる喜びと誰にも邪魔されない安心感を奪うことにならないかと、そこを最も懸念しました。

最後に”名庭園カード”と”作庭家カード”を作りました。”名庭園カード”は『チケット・トゥ・ライド』の目的地カードのようなイメージ、”作庭家カード”はトーレスのアクションカードのイメージです。”名庭園カード”はうまく作用しました。各自が秘密の目的を持つことにより、目的が分散されます。何よりプレイの指針がわかりやすくなり、テストプレイでも好評でした。テーマとも合っているしフレイバーが豊かになります。


名庭園カードの一例。小堀遠州作と伝えられている岡山県頼久寺。立体的で独特なお庭です。

”作庭家カード”は自分自身では気に入っていたのですが、蛇足かもしれないという危惧もありました。何よりここまで言語依存がないようにと頑張ってきたのに、それが崩れてしまいます。テストプレイでうまくいかない場合はやめてしまおうと思っていました。


作庭家カードの一例。製品化のときに、吉田さんに無理を言ってお願いして入れてもらった賢庭。マニアック過ぎます。資料がない中、ママダさんにかなり良い感じの絵をかいていただけました。

締め切りまで、残り1週間となりました。まだいくつかしっくりこないところが残っていました。2013年2月26日、最後のテストプレイを迎えます。


次回は最後のテストプレイについてです。
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『枯山水』 着想からルールが完成するまで その4

2014年11月11日 | 枯山水


『枯山水』 着想からルールが完成するまで その4

◆目次
①東京ドイツゲーム賞~審査基準(何を求められているか?)
②着想から方向性を定めるまで
③2つのブレイクスルー (二次選考まで)
・長方形タイル=180度回転の限定
・最大長方形の白砂の面積と桂馬飛びボーナス
④コンセプトの確立と問題点の明確化
⑤さらに2つのブレイクスルー(二次選考まで)
・禅僧駒のアイデア!
・強奪と譲渡~補完し合う関係
⑥製品化に至るまで



■『枯山水』 予約/ I am Factory
予約受付中です。



*****

④コンセプトの確立と問題点の明確化

いよいよ今回は④のお話です。一次選考通過後から二次選考の締め切りまでのお話です

前回までのお話はこちらから

『枯山水』 着想からルールが完成するまで その1
『枯山水』 着想からルールが完成するまで その2
『枯山水』 着想からルールが完成するまで その3
『枯山水』 着想からルールが完成するまで その3とその4の間
(随時修正、加筆しております)


*****


2013年1月下旬に東京ドイツゲーム賞の一次選考の通過報告のメールがきました。

ちょうどその頃は『ポストマンレース 初版』の製作にとりかかっていました。『ポストマンレース 初版』の構想が固まりつつあり、テストプレイ用のカードを作ろうとしていたのですが一旦中断しました。『枯山水』のルールと仮のコンポーネントを引っ張り出してきて、にらめっこです。

二次選考では遊べる状態のもの(ルールとコンポーネント)の提出が求められていました。締め切りまでは一ヶ月強しか時間がありません。メールにはアートワークと内容物の完成度は問わないと書いてありましたが、できる限りやってみようと思いました。繰り返しになりますが、このゲームはコンポーネントも大切なのです。仮のコンポーネントをさらにブラッシュアップしつつ、もう一度はじめからルールを見直ししました。

一旦忘れて寝かしておいたのが良かったのかもしれません。一次選考から二次選考の間に期間があったことで、『枯山水』のことを考え始めたときには、曖昧であったコンセプトが明確になっていました。それに伴い、問題点も整理されました。二ヶ月の間、無意識のうちではずっと考え続けて答えをだそうとしていたのかもしれません。

二次選考後からの過程をメモに残しておいたので、ここからはそれを交えながら話を進めます。

◆1月25日
コンセプトと問題点の明確化。

●コンセプト:
・箱庭を作るゲーム(15枚という制限)。
・禅を象徴する枯山水は日本文化が世界に誇るべきものの一つである。
・美しさのポイント化(引き算の美、過剰さがマイナス点になる可能性)。
・他プレイヤーの引いたタイルをどうしても欲しいときがある場面での選択肢の考察。
・譲り合いを基盤としたゆるやかな交渉。

●問題点:
・根本的な問いとして…箱庭を作る楽しさがあるかもしれないが、果たしてゲームとして面白いかどうか?
・ジレンマが明確ではないかもしれない。
・こちらが意図したような交渉が生まれるかどうか?
(Bohnanza, Catanでは交渉が必要となるようにデザインされているが、当ゲームではどうだろうか)
・美しさのポイント化が複雑過ぎるかもしれない。
・複雑にし過ぎると前もって覚えることが多過ぎるが、かといってこれ以上は減らすと果たして何をしたいのか分からなくなる。
役のようなもの=ここは多少複雑でもいいかもしれないとも思ってしまう。



それまでは、コンセプトが曖昧なままゲーム作りをしてきました。コンセプトが明確になると、停滞していた色々な事柄についても新しい見方で接することができるようになります。泥臭く地味で面倒な作業を延々としていて、それまではずっと混沌としていたのですが、少しだけ光が見えました。それでも、まだまだ課題は山積みでした。


次回、その5に続きます。一次審査通過のご連絡をいただいた後、二次審査用のルールとコンポーネント提出するまでは、毎日『枯山水』のことを考えて作業していました。ゲーム作りのほとんどの時間は、非常に地味で面倒で楽しくないものですが、ごくたまにひらめきがやってくる瞬間があります。次回(『枯山水』 着想からルールが完成するまで その5)はそんなお話です。



*補足:『枯山水』をデザインするうちに、コンセプトの重要性というものに気付くことができたので、自分としては非常に良い経験でした。あたり前かもしれませんが、コンセプトをはっきりさせるのはもっと早い段階の方が良いと思います。



■『枯山水』 予約/ I am Factory
予約の受付が開始しております。
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『枯山水』 着想からルールが完成するまで その3と4の間

2014年11月10日 | 枯山水


『枯山水』 着想からルールが完成するまで その3と4の間

◆目次
①東京ドイツゲーム賞~審査基準(何を求められているか?)
②着想から方向性を定めるまで
③2つのブレイクスルー (二次選考まで)
・長方形タイル=180度回転の限定
・最大長方形の白砂の面積と桂馬飛びボーナス
④コンセプトの確立と問題点の明確化
⑤さらに2つのブレイクスルー(二次選考まで)
・禅僧駒のアイデア!
・強奪と譲渡~補完し合う関係
⑥製品化に至るまで


■『枯山水』 予約/ I am Factory
予約の受付が開始しております。

*****

今回は、③と④の間のお話です。一次選考に書類を提出したときまでのことを書いています。

前回までのお話はこちらから

『枯山水』 着想からルールが完成するまで その1
『枯山水』 着想からルールが完成するまで その2
『枯山水』 着想からルールが完成するまで その3
(随時修正、加筆しております)

*****

東京ドイツゲーム賞の一次選考締め切りまで一ヶ月を切りました。

ルールと内容物の大枠は決まってきています。前回までのお話の通り、枯山水というテーマをどうゲームに落とし込むかということとを突き詰めて考えました。また、コンポーネントについても試作をしながらサイズ感や色合いを整えました。

しかしながら、「どういう状況で面白いのか」がすっぽりと抜けたままです。その”状況”(コンセプトにも近い意味合いです)が不明瞭である分、ゲームシステムもまた曖昧でした。

頭にあったのは、”交渉”の要素です。最初は”譲り合い”のような”交渉”をイメージしていました。また、”交渉”の自由度を下げようとも思っていました。自由な交渉は、得手不得手が出やすく、ゲーム時間が長期化します。ゲームのシステムの点からみると、制御しづらいです。個人的には自由な交渉は好きですが、このゲームの場合は少し手を加える必要があると感じていました。自分のイメージする”交渉”が生まれるような状況はどうすれば生まれるのかを考えていました。

イメージソースとなったのは『ボーナンザ』と『カルカソンヌ』です。

◆『ボーナンザ』(1997)
『ボーナンザ』では、カードを無償で渡す(引き取ってもらう)という状況が生まれます。これも付けるので何とか引き取ってもらえませんか、というような状況が面白いなと思っていました。

◆『カルカソンヌ』(2000)
『カルカソンヌ』には通常交渉がありません。『カルカソンヌ』の2人プレイをしていたときに、このゲームに”交渉”が生まれる余地があるのではないかということを思いました。

例えば次のような場面です。


自分(赤)が欲しいタイルの最後の一枚を相手(黄)がひいたとき。

このタイルを得られないと城が完成しないばかりかミープルも最後までそのままです。赤プレイヤーとしては、どうしてもそのタイルが欲しいのです。

そのとき、相手がひいたタイルを点数を支払うことによって自分のものにできないか、ということを考えました。そのタイルを自分のものにすることで点数を得られるだけではなく、さらにミープルが手元に戻ってきます。『カルカソンヌ』(特に2人プレイ)を遊んだことがある方は、手元にあるミープルの数が重要であることをご存知であると思います。

そのミープルが手元に戻ってくる”得”を点数で換算すると何点分にあたるのか、ここでは交渉が生まれる余地があります。例えば、自分の勝利点を8点あげるからそのタイルをください。相手がOKなら交渉成立となります。

人によって考え方が違うし、状況にも左右されます。中盤なのか最終盤なのか、いま自分と相手の手元にいくつミープルがあるのか、そのときの得点状況も大切でしょう。そして何よりも、勝敗に関係なく、せっかく育てた城のために、何とかそのタイルを欲しいんだという気持ちにさえなります。何とかゲームが間延びしないようにして、そのような状況を作り出すことができないかと考えていました。

けれども、時間が足りませんでした。結局「どういう状況で面白いのか」という問いに答えをだせないまま、一次選考の締め切りをむかえました。ゲームシステムの方向性は定まってきていましたが、文書で説明できるほどに明確ではありませんでした。一次選考ではコンセプトを明確にすることを求められていたのに、そのコンセプトが不明瞭なまま、一応完成したルールとコンポーネントの写真を提出しました。


審査動画で、東京ドイツゲーム賞の企画者である澤田さんが、「ルールはあやしいけれど、一次選考は見た目で通した」とおっしゃっていましたが、まさにその通りだったと思います。一次選考で提出したルールのままなら、もやっとしたゲームでした。無味乾燥としていて、交渉についても焦点がはっきりしていないものでした。それ以外にも”石”の置き方や、手番での行動についても十分な吟味ができていませんでした。

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『枯山水』 着想からルールが完成するまで その3

2014年11月10日 | 枯山水


『枯山水』 着想からルールが完成するまで その3

◆目次
①東京ドイツゲーム賞~審査基準(何を求められているか?)
②着想から方向性を定めるまで
③2つのブレイクスルー (一次選考まで)
・長方形タイル=180度回転の限定
・最大長方形の白砂の面積と桂馬飛びボーナス
④コンセプトの確立と問題点の明確化
⑤さらに2つのブレイクスルー(二次選考まで)
・禅僧駒のアイデア!
・強奪と譲渡~補完し合う関係
⑥製品化に至るまで



*****

今回は③のお話です。

③2つのブレイクスルー (一次選考まで)
・長方形タイル=180度回転の限定
・最大長方形の白砂の面積と桂馬飛びボーナス


前回までのお話はこちらから

『枯山水』 着想からルールが完成するまで その1
『枯山水』 着想からルールが完成するまで その2
(随時修正、加筆しております)


*****


枯山水の美しさを数値化するという難題は一旦横において、実際にゲームで使用する内容物について考え始めました。資料を読みながらあれこれ頭の中で妄想し、組み立てていましたが、やはり頭の中だけでは実感が伴いません。テストプレイに使用するためのモノを、形が悪くても良いので一度作ってみようと思いました。

(形が悪くても良いのでとりあえずモノを作ってみるというのは、ボードゲーム・カードゲームを作る上で非常に大切なステップだと思います。他の分野にもあてはまるかもしれませんが。ゲームを作ろうと思ってもここで諦めてしまうことが少なくないのではないでしょうか。考えが曖昧なまま形にするので、面倒でイライラして面白くない過程なのですが、何かしらの発見があるように思います。)

枯山水の構成要素は白砂、石、苔です。植栽(ツツジやサツキなどの刈込みや松)や灯籠が使われている庭がありますが、それらは蛇足になり得ますので、今回は要素に含めませんでした。

『枯山水』はまさに箱庭ゲームです。白砂と苔はタイルで表現すれば何とかなりそうでした。残るは石ですが、これはもう何とか立体的に表現するしかないだろうと思いました。『枯山水』は見た目が結構大切なゲームです。審査基準ではコンポーネントの出来は加味しないとありましたが、自分としては疎かにできない点でした。

禅寺の方丈庭園を舞台にしようと思っていたので、箱庭は長方形です。長方形の大きさ(タイルの数)は最初から決まっています(製品の個人ボードを見ていただければ分かると思います)。タイルの大きさや厚さは『カルカソンヌ』を参考にして設計しました。箱庭の大きさは3行×5列、4行×5列、3行×6列等と色々試してみましたが、どれもしっくりきません。それに90度回転を可能にすると白砂の模様の繋がりがよくわからなくなります。あれこれ試行錯誤している中で、タイルを長方形にする案を思いつきました。これは1つめのブレイクスルーでした。

長方形にすることでタイルは180度回転に限定され、良い塩梅に制限がかかります(今振り返ってみると、『枯山水』のゲームデザインは、自由と制限のバランスを常に模索していました)。また、タイルを長方形にすることで見栄えが格段に良くなりました。そして、3行×5列という箱庭の大きさはとてもしっくりきました。タイルの形を正方形を長方形にするというだけで、ブレイクスルーと書くと大げさかもしれませんが、1つのひらめきや思いつきでいくつかの問題が解決し、他の部分にも良い影響を与えるという最初の経験であったように思います。

それからは実際に手を動かして絵を描き、白砂の模様を決めていきました。波形や直線、円形などを色々に組み合わせたり、数を調整したりしました。当時はPhotoshopもIllustratorも使えなかったので、大部分が手作業であったと思います。とにかく地味で泥臭い作業です。白砂タイルにひく線の数は何本にしたら良いだろうとか、苔の形はどうすればリアルになるだろうかとかゲームデザインとは無関係の些細なことを決めるのにも時間を費やしていました。例えば、白砂の形は現行案の2倍以上のアイデアを出しました。大きな渦と小さな渦が両方描かれているタイルはうまくいった例です。


白砂、苔タイルの一例。

並行して石作りも開始しました。素材は色々と探したのですが、ラドールという石粉粘土にたどり着きました。塗料も灰色だけで数種類使ったり、ジオラマ製作で使用されるものを使ったりと凝りました。石は石粉粘土をこねて作り、天日に2日間干します。乾燥させてから彫刻刀で削ります。実際に枯山水で使われている石は角ばった特徴的な石が多いです。それから色を塗りました。


石の種類(置き方)には、平安時代の『作庭記』からルールがあり、概ね従っております。石の種類を決めることはほとんど迷いませんでした。

タイルと石を作りながらも、枯山水の美しさを数値化するという問いは常に頭にありました。ここを何とかしないと、ゲーム作りが進みません。そして、ゲーム作りの全行程において、一番時間がかかったのはここでした。バランス調整のために得点経路を複雑にしたのではなく、むしろ”枯山水の美しさを数値化する”が出発点であり最も重点を置いたところであったのです。この点が審査員の方に伝わっていて嬉しく思いました。

枯山水は引き算の美、余白の美です。主役であり存在感のある石を全面に出しつつも、脇役であるはずの白砂を目立たせなければなりません。石の配置の妙が、石がごちゃごちゃ置かれている庭よりも良い評価を与えられなければなりません。石に重点を置けば白砂が消えてしまい、白砂に重点を置けば石の意味がなくなる、その矛盾との戦いでした。

ようやく突破口が見えたのは、”桂馬置きボーナス”を思いついたときでした。これなら、石の配置の妙と白砂の存在を両立できるのではないかと。

●桂馬置きボーナス

それからまもなく、”最大長方形の白砂の面積”が白砂の基礎点になるというアイデアを思いつきました。この2つのアイデアが、2つ目のブレイクスルーになりました。余白が意味を為し、石の配置の妙が得点となり、過剰がマイナスになる、それらを同時に達成することができたのです。

●石の基礎点=砂タイルのみで構成される最大長方形の面積

枯山水の美しさを数値化することに時間を奪われているうちに、肝心のゲームシステムについての考察は進まぬまま、一次審査の締め切りが近づいていました。

(その4に続きます。ようやく本題です。)
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『枯山水』 着想からルールが完成するまで その2

2014年11月09日 | 枯山水


『枯山水』 着想からルールが完成するまで その2

◆目次
①東京ドイツゲーム賞~審査基準(何を求められているか?)
②着想から方向性を定めるまで
③2つのブレイクスルー (一次選考まで)
・長方形タイル=180度回転の限定
・最大長方形の白砂の面積と桂馬飛びボーナス
④コンセプトの確立と問題点の明確化
⑤さらに2つのブレイクスルー(二次選考まで)
・禅僧駒のアイデア!
・強奪と譲渡~補完し合う関係
⑥製品化に至るまで


『枯山水』 予約/ I am Factory
予約の受付が開始しております。

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今回は②のお話です。

②着想から方向性を定めるまで

前回のお話はこちらから

『枯山水』 着想からルールが完成するまで 1


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まず最初に、テーマを決めました。

テーマだけは迷うことがありませんでした。タイトルの通り、枯山水です。

当時は枯山水(日本庭園)鑑賞が趣味でした。京都に住んでいたこともあり、季節毎に特別公開される庭を調べて訪ねたり、旅先でも日本庭園をまず探して足を伸ばしたりしていました。また同時期、ドイツボードゲームにのめり込みつつありました。東京ドイツゲーム賞が開催されたのは、その自分の中の関心事二つがシンクロするタイミングであったのです。さらに、枯山水は日本独自のものであることから「東京ドイツゲーム賞」というコンテストの名称とも親和性があります。枯山水をテーマにする、それが最初の決定事項になりました。

それまでにも枯山水関連の書籍を読んでいましたが、ゲーム作りの最初のステップは京都府立総合資料館に行って枯山水の資料を集めることでした。枯山水に関する昔の資料は手に入らないものが多く、資料館が自宅から近かったことは幸運でした。

枯山水について言及するにあたり、重森三玲を外すことはできません。昭和の作庭家として名高い重森三玲ですが、庭園史研究家としての業績も計り知れないものがあります。全国の日本庭園の実測調査し、『日本庭園史図鑑 全26冊』をはじめとする膨大な著作を残しました。現存する日本庭園の歴史は重森三玲が体系化したといっても過言ではありません。重森三玲の作庭した庭や研究内容にも興味があったのですが、氏の人物像にも惹き付けられました。重森三玲の提唱した永遠のモダンという概念は、ゲーム作りにおいても指針となりました。

話がゲームデザインから逸れそうなので戻します。最初の1ヶ月半はゲームデザインは進まないまま、ずっとコピーした資料を読んでいました。枯山水をテーマにするので、各プレイヤーが自らの枯山水をつくる箱庭ゲームになるであろう、そしてゲームの目的は最も美しい枯山水を作るということが正しいだろう、そんなことを漠として考えていました。

しかしながら、最も美しい枯山水を作ることをゲームの目的にするためには、枯山水の”美しさ”を数値化しなければなりません。言語化もできないことを数値化することを果たしてできるだろうか。そして、そのような危ういことをしていいのだろうかという葛藤がありました。

(その3へ続きます)

次回は、枯山水の構成要素から内容物の話と”美しさ”の数値化の話です。

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『枯山水』 着想からルールが完成するまで その1

2014年11月08日 | 枯山水


『枯山水』 着想からルールが完成するまで その1

◆目次
①東京ドイツゲーム賞~審査基準(何を求められているか?)
②着想から方向性を定めるまで
③2つのブレイクスルー (一次選考まで)
・長方形タイル=180度回転の限定
・最大長方形の白砂の面積と桂馬飛びボーナス
④コンセプトの確立と問題点の明確化
⑤さらに2つのブレイクスルー(二次選考まで)
・禅僧駒のアイデア!
・強奪と譲渡~補完し合う関係
⑥製品化に至るまで


『枯山水』 予約/ I am Factory
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今回は、①のお話です。

①東京ドイツゲーム賞~審査基準(何を求められているか?)

まずは東京ドイツゲーム賞とはどういうものであったのかというところから始めようと思います。東京ドイツゲーム賞はゲームデザイン、翻訳、批評をされている澤田大樹さんが企画し、New Games OrderさんとTendays Gamesさんが共同して立ち上げた創作ボードゲームのコンテストです。2012年の8月に発表され,同年の11月30日が一次選考の締め切りでした。約2年前のことになります。

『枯山水』は、imagine GAMESとしての活動を始める前、初めてデザインしたゲームです。当時、ドイツボードゲームを約20年ぶりに遊び感動を覚え、はまりつつありました。とにかくボードゲーム、カードゲームを手当たり次第買っていた時期です。自分でもゲームを作ってみようかなと何となく思っていたとき、偶然Table Games in the Worldのウェブサイトで東京ドイツゲーム賞開催の記事に出会いました。タイミングがぴったりだったこともあり、応募してみようかなと思いました。

作品の内容、概要が具体的にわかる書類、資料、ルールブック等を提出する最初の締め切りまで3ヶ月強の時間がありました。しかし、何から手を付けて良いか皆目見当がつきません。

ゲーム作りについて、何の知識もない状態です。手探りで進もうにもどちらを向いていいのかさえ分かりません。手掛かりは、遊んだことのあるボードゲーム(SDJを中心に大体20前後でったと思います)と、タナカマさん、吉田さん、澤田さんが記述された審査の基準しかありませんでした。

・Daily Life is a game:ゲームデザインコンテスト「東京ドイツゲーム賞」開催!
・B2FGames:東京ドイツゲーム賞。
・実録:食卓遊戯密着大本営発表廿四時:コンペティション「東京ドイツゲーム賞」について

明確な審査基準というよりは、御三方がどのようなゲームを求めているかというものです。今改めて読んでみると、mechanics云々よりもさらに深いところが述べられていて非常に興味深いです。しかし、当時は正確には理解できていなかったように思います。自由に論ぜよのような体でいて実はシビアでストイックな条件が背景にあったのですが、そのことに気付いていなかった、それがかえってよかったのかもしれません。

以下は自分なりに捉えた審査基準のキーワードです。

・90年代ドイツゲーム的なテイストを持ったボードゲーム・カードゲーム
・粗くても良い(プレイヤーの存在があることではじめてゲームが完成する?)
・どういう状況で面白いと感じるか、状況!
・感情に訴えかける
・自分が作ろうとしているものを理解している
・プレイヤー同士が人間である必然性があること

なかでも特に意識したことは、アナログゲームである必然性があることと、どういう状況で面白いかということをきちんと把握していることと、そして何かしらの新規性があるということでした。

90年代ドイツゲーム的なテイストを持ったボードゲーム・カードゲームについてもぼんやりとした。何しろ90年代ドイツゲームをほとんど遊んだことがありませんでした。一次選考通過後、他のゲームを遊んだりルールを読んだりしましたが、当初は『カタンの開拓者たち』(1995)+『カルカソンヌ』(2000)というイメージでした。『枯山水』のルールを読むと全然違うと思われるかもしれませんが、最も影響を受けたゲームもやはりその2つになります。

*補足1:”45分くらいで収束がスパンとしたファミリーゲーム”というメモが残っていました。プレイ人数が3,4人ですと実際はもう少し時間がかかりますが、『枯山水』はファミリーゲームを意識して作ったゲームです。

**補足2:影響を受けたゲームをもう1つ忘れていました。ウヴェ・ローゼンベルクの『ボーナンザ』(1997)です。『ボーナンザ』ではしばしばカードを無償で渡す(引き取ってもらう)という状況が発生します。『枯山水』における”譲渡”は『ボーナンザ』(1997)から示唆を受けました。

そのような前提を整理した上で、何から始めるかを考えました。


まず最初に、テーマを決めました。

(その2へ続きます)
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『枯山水』 着想からルールが完成するまで その0

2014年11月08日 | 枯山水

『枯山水』
プレイ人数: 2-4人
対象年齢: 10歳以上
プレイ時間: 60-90分
作者: 山田 空太
画:ママダ ユースケ
オリジナル発行元:New Games Order


『枯山水』ルール/ New Games Order

『枯山水』 経緯/ 代表日記 New Games Order

『枯山水』 予約/ I am Factory
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『枯山水』 着想からルールが完成するまで  その0


◆前置き
『枯山水』は『東京ドイツゲーム賞』という創作ゲームコンテストで第一回の大賞を受賞した作品です。ゲームマーケット2014秋にて、New Games Orderさんから豪華なコンポーネントと素敵なアートワークによって発売されることになりました。よろしければ、是非手にとって遊んでいただければと思います。

実際の製作過程についてはNew Games Orderの吉田さんのお話が詳しく、そして何より臨場感があるので是非一度ご覧になってください。このブログでは、着想からルールが具体的に出来上がるまでの過程を書こうと思います。時期は2012年の夏から2013年の2月末までのことです。

◆目次
①東京ドイツゲーム賞~審査基準(何を求められているか?)
②着想から方向性を定めるまで
③2つのブレイクスルー (一次選考まで)
・長方形タイル=180度回転の限定
・最大長方形の白砂の面積と桂馬飛びボーナス
④コンセプトの確立と問題点の明確化
⑤さらに2つのブレイクスルー(二次選考まで)
・禅僧駒のアイデア!
・強奪と譲渡~補完し合う関係
⑥製品化に至るまで


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『枯山水』

2014年10月19日 | 枯山水
『枯山水』

第一回東京ドイツゲーム賞大賞を受賞したゲームです。
ゲームマーケット2014秋にて、New Games Orderさんから発売予定です。
ルールは東京ドイツゲーム賞のときから、さらにブラッシュアップされ引き締まっています。
ママダユースケさんのによるアートワークはとても素晴らしいです。
New Games Orderさんはコンポーネントにも相当力を入れていて、非常に良いもです。
枯山水というテーマについては、執着と言ってもいい程、とことん掘り下げ追求しました。


関係者皆が良い製品のために、とにかく労を惜しまず、細部にまでこだわり心を配りました。
手前味噌ですが、ルール、テーマ、アートワーク、コンポーネント、プレイアビリティの全てにおいて完成度が高いと思います。


是非購入し、ご覧になってください。


ルール、アートワーク詳細はこちらから


当サイトでも、もう少し詳しく紹介する予定です。
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