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「闇の正体は偽ユダヤ」海外記事の移行。 

リビアの行方  プーチンとトランプ 

2016-12-09 19:40:55 | シリア ・中東


★プーチンとトランプがリビアを再統合しそう   田中宇氏の視点
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 北アフリカのアラブ(アラビア語圏)のイスラム教の国であるリビアは、オバマ政権が国家崩壊させ、破壊してしまった国の一つだ。

リビアは、内陸が砂漠で、人口の多くは、西部の首都トリポリ、東部のベンガジなど、地中海岸に沿った都市に住んでいる。

西部(トリポリタニア)と東部(キレナイカ)は、かつて別々の国であり、歴史的なライバルだ。

1969年のクーデターから2011年の殺害まで権力者だったカダフィが、独裁の強権によって国家統合を維持していた。



だが、米国が支援した「アラブの春」の反政府運動で11年にカダフィが失脚・死去すると、とたんに国家統合が崩れ、東部と西部、イスラム主義者と世俗派などの対立軸でリビアは内戦に陥り、いくつもの勢力に分割されたまま、5年たっても国家再統合できていない。

http://tanakanews.com/110222Libya.php

リビア内戦のゆくえ



このようにリビアは、シリアなどと並び、オバマ政権の国際戦略の失敗の象徴である。だが、そんなリビアが今後、トランプ新政権がプーチンのロシアと協力することで、再統合を成し遂げる可能性が見えてきている。


http://edition.cnn.com/2016/12/02/opinions/trump-putin-libya-galustain-opinion/
Together, Trump and Putin can undo years of terrible foreign policy

 



リビアを含む中東に対するトランプやプーチンの戦略を語る前に、これまでのオバマ政権のリビア戦略、中東戦略について分析する必要がある。

オバマ政権の米国は、チュニジアからエジプト、リビア、シリアなどに広がった11年からの「アラブの春」の政権転覆策によって、中東各地にムスリム同胞団の政権を作ろうとしていたふしがある。



 ムスリム同胞団は、国際共産主義運動のイスラム版とでもいうべき国際政治運動だ。

20世紀初頭以降、世界各国に金太郎飴的な同種の共産党の組織が作られ、選挙や革命で政権を取って世界中を共産主義化しようとしたように、ムスリム同胞団の運動も20世紀初頭以降、アラブ諸国を中心とするイスラム世界の各国に同胞団の組織を作り、選挙などで政権を取っていき、最後はイスラム世界の全体を一つの同胞団の国際共同体にすることを目指した。



世界各地の国が共産党を政権転覆をめざす危険な組織として弾圧禁止したように、イスラム諸国の多くが同胞団を危険な組織として弾圧禁止した。

だが、同胞団の支持者、その系統の思想を受け継ぐ人々は、目立たない形でイスラム世界の全域に存在している。

多くの(独裁的な)アラブ諸国で、同胞団は(禁止された)最大野党だ。

トルコで01年から政権を握っているエルドアン政権(公正発展党)は、明言していない同胞団である。




11年からの「アラブの春」は、アラブの各国で米国が扇動する民主化運動によって独裁政権が倒れ、その後の選挙で同胞団が連立政権の主要政党になる展開となった。

01年の911後、米国の共和党ブッシュ政権は、中東への軍事介入の口実として「(軍事的な)政権転覆による中東民主化」の政策を掲げたが、それは09年からの民主党オバマ政権で継承・改変されて、アラブの春の扇動になった。

オバマは左翼なので、アラブ諸国の王政、軍政の独裁政権が民主化運動で倒され、国際共産主義運動のイスラム主義版である同胞団の政権が各地に作られ、それらが国際的に連携し、中東全域が同胞団の共同体になっていくことをひそかに支持した可能性はある(そのように指摘する米国の分析者が複数いる)。




同胞団がアラブを一つの強い国にすれば、国際的な「極」の一つになるので(オバマがこっそり目指した)多極化にも都合がいい。この流れの中で、リビアのカダフィが殺され、エジプトのムバラクが失脚し、シリアのアサドも倒されかけた。



 同胞団の運動は歴史的に、共産党と同様、武装闘争を目指した時期もあったが、近年は民主的な非暴力の政治運動になっている。しかし、同胞団が中東を席巻することを何とか防ぎたいアラブの王政、とくに同胞団による政権転覆の最終目標にされがちなサウジアラビアの王政などは、アラブの春を潰すための策として、アルカイダやIS(イスラム国)といった暴力的なイスラム主義武装闘争(テロ)の組織を活用した。

 


エジプトは軍部が強かったので、クーデターで同胞団の政権を倒して軍政を再樹立し、将軍のシシが大統領になったが、シリアでは独裁者アサドの政府軍が、同胞団やアルカイダISの反政府諸派との内戦になり、サウジや米国、トルコが反政府側に武器を供給し、同胞団は軍事的にアルカイダISに吸収されてしまい、現状の内戦になっている(オバマはロシアにシリア内戦の後始末を頼んだ)



独裁者カダフィがあっさり失脚死去した後のリビアでは、無政府状態の中、武装した同胞団とアルカイダやISが戦う恒久内戦になった。オバマの「中東同胞団化作戦=アラブの春」は、こうして失敗した。



 
リビアでは国家再統合を目指して12年と14年に選挙が行われたが、14年の選挙で世俗派が圧勝すると、惨敗(200定数のうち30議席しかとれず)を不満とした同胞団主導のイスラム主義者の勢力「リビアの夜明け」がクーデターを起こし、リビアは再び内戦に陥った。

その後、米国などは15年になって、内戦終結策として、選挙でなく政治交渉によって、リビア西部の首都トリポリを拠点とする同胞団勢力を中心に、連立政権を作らせようとした。


その結果、15年末に「国民合意政府」(GNA)が結成され、米国の圧力を受けた国連も、GNAをリビアの統一政府として認知した。


だが、世俗派やリビア東部の勢力はGNAを「同胞団支持の外国勢力が勝手に作ったもの」とみなして統一政府として認めず、その後も内戦が続いている。





▼ロシアがリビア東部に基地を作って内戦平定に協力するかも

 
リビア東部と地理的に隣接するエジプトのシシ政権は、13年のクーデターで同胞団政権を倒して作られただけに、リビアに統一的な同胞団の政権ができることをひどく嫌っている。



リビアに同胞団の政権ができると、エジプトで禁止されている同胞団が、シシ政権を倒そうとする民主化運動を活発化させかねない。

オバマ政権の米国も、それを狙っているはずだ。

http://tanakanews.com/130823egypt.php

サウジとイスラエルの米国離れで起きたエジプト政変

 



エジプトは、リビア西部の同胞団主導のオバマ肝いりのGNA政府が東部をも席巻していくのを阻止するため、リビア東部の反同胞団な勢力をテコ入れし、東西リビアの和合を阻止している。


中東全域でみると、UAE(アラブ首長国連邦)も同胞団敵視の戦略をとっており、エジプトとUAEが協力してリビア東部の反同胞団な軍事勢力(「リビア国軍」。LNA)や、東部の議員団(14年の選挙で圧勝したがクーデターでやられた世俗派議員で構成するリビア国民代議院。
HOR)を支援している。

対照的に、トルコやカタールは同胞団を支援している。




 このような、海外諸国の介入も含めてリビアの内戦が続いている中で、米国の大統領がオバマからトランプへと交代する。

オバマは親同胞団だったが、トランプは反同胞団だ。




トランプは選挙前、選挙後に、リビアについて何も語っていないが、穏健派の同胞団から、過激派のアルカイダISまでのイスラム主義勢力の全般を敵視している。


同胞団を弾圧するエジプトのシシ大統領を「強い指導者」と称賛しているし、オバマ政権がイスラム主義のシリア反政府勢力を支援してきたことに強く反対している。

オバマ政権は、リビア西部の同胞団主導の連立政権GNAを支持してきたが、トランプ政権はGNAに対する支持をやめる可能性が高い。



 
GNAは15年末に結成されて以来、リビアの内戦終結、国民的な和合、経済立て直しなどに努力してきたが、いずれも失敗に終わっている。

リビア中央銀行の総裁は最近、GNAのファイズ・サラージ首相は経済政策を何も知らないと批判し、さじを投げている。

英国のシンクタンクなどが、GNAはもうダメだと結論づける報告書を出している。11月末には、GNAに参加していた世俗派と同胞団系の武装勢力が、首都トリポリで武力衝突して戦闘する事態になっている。


GNAは崩壊に瀕している。




 米国の大統領が、同胞団やGNAを支持するオバマから、支持しないトランプに交代することが決まるとともに、GNAが崩壊し始めたのはタイミングが絶妙だ。


トランプは、自らリスクをとって意思表明することなく、流れに任せるだけで、オバマから継承したGNA支持を自然に破棄できる。


リビアの政権転覆は、クリントンが国務長官だった時だ。クリントンが次期大統領がなっていたら、米国の同胞団GNA支持は不変だった。次期大統領がトランプに決まるとともに、同胞団によるリビア再統一策が崩れている。



 リビア西部のシルトにはIS(イスラム国)が陣取っていたが、最近、リビアの他の勢力がISを掃討し、追い出しに成功している

米空軍が空爆支援していた)。これも、米国がオバマからトランプに代わる時期に同期しており、興味深い。





 トランプの世界戦略の基本は、プーチンのロシアと組むことだ。

そして、ロシアもトランプと同様、反同胞団の姿勢をとっている。

ロシア政府は今年6月と11月の2回、リビア東部で最大の軍事勢力である「リビア国軍(LNA。東部軍)」の指導者、ハリファ・ヒフター将軍をモスクワに招待し、東部軍に対する軍事支援を強めている。


ヒフターは今のリビアで最有力な将軍で、元カダフィの部下、のちに反カダフィに転じて米国在住、11年に24年ぶりにリビアに戻り、東部を拠点にカダフィを倒す軍事蜂起を率いた後、そのまま内戦を戦っている。


在米が長いヒフターは米国の傀儡色があるが、同胞団を敵視しており、オバマ政権の傀儡でなくむしろ敵だ。




 ロシア政府は、東部軍に武器支援していないと発表しているが、東部軍はエジプトから武器支援されており、エジプトはロシアから武器支援されている。


ロシアはエジプト経由で東部軍に武器を贈れる。その見返りに、ロシア軍が東部軍の支配地であるリビア東部のベンガジに、空軍拠点(滑走路)や海軍拠点(港湾)を借りる話が進んでいるとの指摘もある。



 東部軍は9月以来、リビアの石油積み出し港を西部勢力(GNA)から奪い取り、リビアの石油収入を東部のものにすることにも成功しつつある(取ったり取られたりしているが)。




 ロシアがリビアに軍事拠点を持つと、ロシアの軍事的な地中海支配が強まる。

ロシアは現在、シリアの地中海岸タルトスに海軍基地と滑走路を持ち、これが地中海(と同時に世界)で唯一の露軍の在外基地だ。

タルトスからリビア東部まで1500キロで、基地の離れ具合として地政学的にちょうどよい。


リビア東部は、イタリアなど南欧の対岸で、>欧州ににらみを効かせられる。


昨年来、リビアからイタリアなどに難民が船で押し寄せているが、ロシアがリビアに基地を作り、難民の北上阻止に協力すれば、イタリアなどはロシアに感謝せざるを得なくなる。




 露軍がリビアに基地を作るかどうか未確定だが、基地を作らなくても、ロシアがリビア東部のヒフター将軍の軍勢を支援すると、リビア内戦は、西部の優勢から東部の優勢、同胞団の優勢から反同胞団の優勢へと転換する。


この転換は、エジプトのシシ政権を大喜びさせている。


シシは、プーチンへの恩返しとして、前回の記事に書いたように、シリアのアサド政権を支持すると表明し、アサド政府軍を支援する兵力を出すことにした。


リビアの状況は、ロシアとエジプトの協力関係を強め、地中海と中東におけるロシアの支配を拡大している。




 プーチンのロシアは、リビア東部のヒフター将軍らを支援すると同時に、崩壊しかかっているリビア西部のGNAとの対話も続けている。

15年末にGNAが結成された時から、ロシアは国連安保理などの場でGNAを支持している。

ロシアがリビアの東西両方の勢力と協調している間に、西の優勢が低下して東が優勢になり、ロシアはGNAなど西部の勢力に対し、東部に譲歩するよう求め、東西の交渉を仲裁して新たな連立政権を作れる可能性が増している。




 リビアの多くの勢力が、シリアの内戦を終結させつつあるロシアの手腕を評価し、シリアで培った内戦終結の技術をリビアでも活かしてほしいとロシアに要請し、ロシアによる仲裁を歓迎している。


米国のトランプ政権も、ロシアと協調してリビアの東西和解の動きを進めるだろう。


オバマやクリントンががんばるほど内戦がひどくなったリビアは今後、トランプとプーチンの米露協調によって、内戦終結に向かう可能性が高くなっている。




 こうした新展開を見て、オバマ政権も態度を変えざるを得なくなっている。

ケリー国務長官は先日、東部軍が強くなっていることを受け、東部軍のヒフター将軍との交渉を初めて開始し、東西勢力の和解を試みると表明した。



http://tanakanews.com/






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