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「闇の正体は偽ユダヤ」海外記事の移行。 

よみがえる中東和平   田中宇 記事

2017-05-14 20:12:41 | シリア ・中東


 米国のトランプ大統領が、5月20日から、就任後初の外遊を行う。行き先は、サウジアラビア、イスラエル(パレスチナ)、バチカンなどだ。

イスラム教、ユダヤ教、キリスト教という3大宗教の主導役の国々を歴訪するわけで、世界に対して宗教的な寛容を求めたものの抽象論に終わった前任のオバマ大統領と大差ないようにも見える。

だが、トランプ政権のこれまでの動きも含めて詳細に見ていくと、トランプがパレスチナやアラブ諸国と、イスラエルとの和解(=中東和平)、パレスチナ国家の再生について、1993年のオスロ合意以来の画期的な、具体策の推進をやろうとしているのがわかる。



 中東和平は、オスロ合意で、イスラエルが西岸(ヨルダン川西岸)とガザの占領と封鎖をやめて、西岸とガザにパレスチナ国家を創設する見返りに、アラブとイスラムの諸国がイスラエルと和解し、イスラエルとパレスチナという2つの国家が聖都エルサレムを東西に分けあって首都にしつつ共存する「2国式」が決定された。


だがその後、パレスチナ国家やアラブ諸国が表向きイスラエルと和解しつつ裏で敵視する懸念や、いくつかユダヤ教の聖地がある西岸をイスラム教徒に
渡すなという右派の主張がイスラエルを席巻した。


イスラエルは、表向き中東和平に賛成だが本音は反対するようになり、西岸の占領やガザの封じ込めを続け、イスラエルと西岸の境界線(国境)から西岸の内部に向けて櫛の歯のように侵食する形でいくつもユダヤ人入植地(住宅地)が建設され、和平の実現が頓挫している。



 西岸の主要道路など(C地区)をパレスチナ自治政府に渡さず占領し続けるイスラエル軍は、主要道路にいくつも検問所を設けてパレスチナ人の往来を妨害し、パレスチナ国家と人々の生活を機能不全に陥れている。


イスラエル政界は、中東和平を妨害すべきと考える右派・入植活動家に席巻され、右派がパレスチナ過激派を扇動してやらせるテロの結果、イスラエル国民は恐怖心を植え付けられて和平を嫌うようになり、和平を推進した左派は影響力を失った。


右派や中道派の政治家の中にも、シャロン首相、オルメルト首相、リブニ外相といった、中東和平を進めた方がイスラエルの国益になると(途中から)正しく考え始める政治家もいたが、彼らはスキャンダルなどで排除された。




 アラブ諸国は02年に、イスラエルが西岸から撤退してパレスチナ国家の機能不全を解消したら、アラブ諸国がイスラエルを国家承認するという、オスロ合意のシナリオを再確認する「アラブ提案」を発表し、パレスチナ自治政府(PA)とイスラエルの交渉再開を求め続けているが、イスラエルに拒絶されている。



08年に首相だったオルメルトは、西岸の数カ所の主要入植地(西岸の総面積の約7%、西岸入植者人口の75%が居住)をイスラエル領として併合する代わりに、西岸に隣接するイスラエル領の農地などをパレスチナ国家に割譲し、その他の入植地を撤去することなどを柱とする「オルメルト提案」をまとめ、パレスチナのアッバス大統領と交渉に入った。だが、話がまとまる直前にオルメルトは汚職で失脚した。




 その後、現在まで首相を続けるネタニヤフは、表向き「中東和平を進めたい」「いつでもアッバスと会う準備がある」と言いつつ、10年以来7年間、アッバスと面談せず、逃げ続けている(2人が最後に会談したのは、大統領になって間もないオバマが、2人を訪米させて会談させた時だ)。


今後、世界から注目されつつアッバスと会ったら、ネタニヤフは違法(オスロ合意違反)な入植地建設や西岸占領をやめると約束せざるを得なくなる。

そんな約束をしたら、国内の右派から反逆され、連立政権が崩れて失脚する。


オバマ政権の米国が、軍産複合体に席巻されて中東和平を進められないので、アッバスは15−16年に、EUやロシアに仲裁を頼み、ネタニヤフとの交渉を再開しようとしたが、ネタニヤフは逃げ続けている。




軍産の一部であるイスラエル右派の恫喝を受けている米国のマスコミや中東専門家、外交官といったエスタブな人々は、中東和平が頓挫しているのはアッバスが頑固だからだとする、インチキな「別の説明」を流布する「ニセニュース」の手法で、本質を隠してきた(本質を上手に隠す新手の説明を発案できる者が出世する)。


オバマ政権で国務長官だったヒラリー・クリントンら、米政治家の多くは、軍産イスラエル右派が醸成するニセの構図に立脚し、中東和平を進めるふりをする演技を続けた(軍産に支持されて当選を目指した)。当然ながら、事態は転換しなかった。





▼棚上げされていた決定打「オルメルト提案」を引っ張り出して再利用する

 
昨秋の米大統領選挙で、トランプが勝てた一因は、彼がクリントンよりも大胆にイスラエル右派のシナリオに乗ったからだった。


クリントンは、2国式の中東和平を進めるふりをして頓挫させ続けるエスタブのシナリオに乗っていたから「2国式が望ましい」「東エルサレムを首都とするパレスチナ国家ができた後、駐イスラエル米大使館をテルアビブから(西)エルサレムに移す」といった建前論を主張し、イスラエル右派・入植地の批判を受けていた。


反エスタブなトランプはシナリオを無視して「(イスラエルが西岸を併合する)1国式でもよい」「大統領になったらすぐ米大使館をエルサレムに移す」と述べ、イスラエル右派を資金援助する米財界人シェルドン・アデルソンらの支持を受け、当選した。



だがトランプは、大統領就任後、微妙に姿勢を転換した。彼は、急いで中東和平を推進することを強調し始め、アッバスとネタニヤフの会談と交渉再開を実現したいと繰り返し言うようになった。


1年ぐらいの間にパレスチナ国家の再生(=オルメルト案などに基づくイスラエルの占領終了、東エルサレムへの首都移転)にメドをつけ、その後、選挙公約だった米大使館の西エルサレム移転をやろうとしているようだ。




トランプは、パレスチナ国家に敵対されかねないイスラエルの懸念を払拭するため、パレスチナ(西岸とガザ)に隣接するヨルダンとエジプトを動かして、イスラエルとの協調を進めさせ、ヨルダンが西岸の、エジプトがガザの面倒を見る後見人国になるかたちで、イスラエル、ヨルダン、エジプトの3か国が協力して和平実現後に地域の安定を実現する体制を作ろうとしている。


3月から4月にかけて、3か国の間の個別の話し合いや、ネタニヤフやエジプトのシシ大統領、ヨルダンのアブドラ国王が相次いで訪米し、トランプと会談した。




ヨルダンやエジプトによるテコ入れがない中で、イスラエルが西岸とガザに対する占領や封じ込めをやめてパレスチナ国家を機能させると、パレスチナはイスラエルを敵視する過激派の国になりかねない(だからイスラエルは、一度は了承した2国式をその後拒絶してきた)。


ヨルダンやエジプトが、イスラエルと協力してパレスチナ国家の過激化を防ぐやり方なら「合邦」に近い方式であり、2国式が機能しうる。




5月3日にはパレスチナのアッバスも訪米してトランプと会った。アッバスは後見人国のヨルダン、エジプトに立ち寄ってから訪米しており、上記の3か国体制が機能していることが見て取れる。


訪米したアッバスはトランプに、08年のオルメルト提案(前出)を基礎にしてネタニヤフと交渉したいと提案した。




オルメルト提案は、パレスチナ問題のすべての問題に具体的な解決を与え、パレスチナが国家機能を復活できる内容だ。


すでに書いた土地交換によるパレスチナとイスラエルの恒久国境確定のほか、東エルサレムの神殿の丘(上部がモスク、西側面がユダヤ聖地の嘆きの壁)など共通の聖地((右派のユダヤ教徒がイスラム教徒の聖地を侵害したがる場所)に関し、イスラエル、パレスチナ、ヨルダン、サウジ、米国からなる国際委員会の管理下に置くことや、西岸と東隣のヨルダンの間にあるヨルダン川流域地帯に対するイスラエルの軍事占領をやめて撤退すること、パレスチナ国家に一体性をもたせるため西岸とガザをつなぐ高速道路を作る(土地はイスラエル領のままだが管理はパレスチナが行う)ことなどが盛り込まれている。




ネタニヤフが、アッバスと会い、オルメルト提案を実現することに了承し、実際に実行すれば、中東和平が実現する。


トランプは、5月22−23日にイスラエル・パレスチナを訪問する際、自らが仲裁し、アッバスとネタニヤフの7年ぶりの和平会談を開こうとしている。





▼アラブをけしかけて和平提案させ、ネタニヤフに飲ませるトランプ


ヨルダンやエジプトの外側には、サウジアラビアを筆頭とするアラブ諸国(アラブ連盟)がある。

すでに書いたように、彼らは、イスラエルが西岸入植地の建設を凍結し、イスラエル軍と入植者が撤退するなら、アラブ諸国がイスラエルと和解するという、02年のアラブ提案を中東和平の基本的なシナリオにしている。



アラブ提案に呼応して、イスラエルがオルメルト提案を出しており、両提案は中東和平を前進させる両輪となっている。



トランプの大統領就任後、アラブ諸国は、イスラエルがアラブ提案を受け入れるよう、あらためて動き出した。


3月末には、ヨルダンの死海のほとり(イスラエルが占領する西岸の対岸)でアラブサミットを開き、それまでのようにイスラエルを非難するのでなく、友好的な態度でイスラエルに和平への呼応を呼びかけた。


当初、これはアラブ諸国独自の動きと感じられたが、最近のトランプの動きを見ると、トランプがサウジ、ヨルダン、エジプトなどに働きかけた結果、具現化したと考えられる。




5月20日からの初外遊で、トランプはまずサウジアラビアの首都リヤドに行く。トランプの訪問が決まった後、サウジ国王は、ヨルダン、エジプト、パレスチナ、イラク、モロッコ、パキスタンなど、アラブとイスラムの21の諸国の首脳に招待状を出し、サウジを訪問したトランプとイスラム諸国の首脳が、リヤドで中東和平やテロ対策などについて話し合うサミットを開くことにしている。


おそらくこのサミットで、イスラム諸国は、アラブ提案とオルメルト提案を組み合わせたかたちで中東和平交渉を蘇生することを、トランプとイスラエルに対して提案し、トランプは喜んでそれを仲裁することを約束するだろう。



このサミットはサウジ王政にとって、自分たちがアラブ諸国やイスラム世界の盟主であることを、覇権国の米国から認められるという、またとない権威づけになっている。 サウジは、トランプに感謝しているはずだ。




サウジでのサミットの2日間が終わった後、トランプは5月22日にイスラエルに飛ぶ。


ネタニヤフに会ったトランプは、リヤドでイスラム諸国から中東和平の再開を提案されており、それに乗ってほしいとネタニヤフに提案するだろう。


ネタニヤフがそれを了承すると、おそらくその日のうちに、エルサレムにおいて、トランプの仲裁・立ち会いのもと、ネタニヤフとアッバスの10年ぶりの中東和平の会談が開かれる。


アッバスはネタニヤフに、オルメルト提案を今も有効なイスラエルの正式提案としてほしいと求めるだろう。おそらくトランプもアッバスの提案を高く評価する。




エルサレムに来たトランプが提案するアッバスとの会談を、ネタニヤフが拒否する、もしくはいずれやりたいが今回は見送るとトランプに返答する可能性はある。


しかしその一方で、トランプがイスラエルに行くことにしたのは、ネタニヤフがアッバスと会っても良いと返答してきたからでないかとも考えられる。うまくいく見込みがなければ動かないだろう。




オバマまでの米国は、覇権国である米国が、イスラエルに和平の具現化を要求するかたちで和平交渉をしていた。


イスラエルが米政界を牛耳っているので、要求がなまくらになる。オバマ自身は中東和平を進めたかっただろうが、クリントンら米政界の軍産イスラエル傀儡派に邪魔されて全く進まずあきらめた。


対照的にトランプは、あらかじめアラブ諸国を煽っておいて、その中に飛び込み、アラブ諸国が強く提案してきたので、イスラエルもそれに乗るしかないだろうと言ってネタニヤフに圧力をかける。




アラブだけでなく、プーチンのロシアも協力している。


パレスチナのアッバスは5月3日に訪米後、5月11日にロシアのソチに行ってプーチンに会っている。


その前日、プーチンはネタニヤフに電話している。トランプとプーチンは、中東和平の推進で協力し合っている。


アッバスは、米露が表向き対立しつつ、裏では協調してやっていると指摘している。

トランプの中東和平策は、米政界のイスラエル右派の傀儡勢力に妨害されるが、ロシアやアラブ諸国、EUや中国など、それ以外の世界中から支援される。




ここで問題になるのが、ネタニヤフがトランプの和平提案を受けるかどうかだ。


対米関係を勘案すると、ネタニヤフはとりあえず提案に乗って中東和平交渉を再開しそうだ。


だが、入植地建設を凍結すると、ネタニヤフの連立政権内の極右政党が、連立を離脱するぞと言い出す。オルメルト提案では、主要な数カ所以外の西岸入植地を撤去することになっているが、それらの多くは、強硬な入植活動家が絶対どかない覚悟で住んでいる。


右傾化が激しいイスラエルのマスコミは、イスラエル当局が小さな入植地を一つ撤去しようとするだけで、何週間も何か月も大騒ぎする。




入植地の撤去は非常に難しい。


イスラエルの長期的な国益を考えると、世界からの反対を無視して西岸入植地の拡大にこだわるより、オルメルト提案に沿ってさっさとパレスチナ国家を機能させてやり、アラブやイスラム世界と和解し、国際社会での評価を高めた方がずっと良い。


だが、テロの恐怖、宗教対立の感情論、(日本でも盛んな)歪曲されたインチキ安保論などを組み合わせた、右派軍産の一流のプロパガンダ戦略が浸透しており、理性的な思考が負けている。


イスラエルの上層部の人々の多くは、事態の行き詰まりを知っている。


彼らはトランプに頑張って欲しいと思っているはずだ。トランプは、中東和平の動きを阻止し続けてイスラエルの国益を長期的に損ねているイスラエル右派(入植者勢力)でなく、イスラエルの国益を重視して中東和平を進めたい勢力のために、和平をやろうとしている。





▼イランに対抗するため中東和平してアラブと組みたいイスラエル


もしかすると、ネタニヤフは意外にも、トランプが提案する中東和平交渉に乗るかもしれない。


そう思える根拠は「イランの脅威」にある。イスラエルと国境を接するシリアでは、内戦が終わりつつある中で、イランの勢力(革命防衛隊、ヒズボラなど民兵団)が今後もずっと居座り続ける流れができている。


シリアのアサド政権は、内戦後のシリア政府軍の長期的な強化策のためにイラン系の軍勢にずっと駐留してほしいと要請した。


イランは、イスラエルにとって最大の仇敵だ。そのイランが、イスラエル国境のすぐ北側までやってきて居座っている。




シリアにおいては、ロシアがイランより強い後見人国だ。


イスラエルはロシアに、シリアからイランを追い出してくれと要請し続けている。だが、シリアにおいて、ロシアは空軍、イランは地上軍を出す役割分担をしており、今後のシリアのテロ退治や安定化を考えると、ロシアはシリアにおけるイラン系の地上軍を頼りにしないわけにいかない。


ロシアができるのは、イランに頼んでイスラエル国境の近くにヒズボラなどを展開しないでほしいとやんわり頼むことぐらいだ。




トランプは、イランを敵視しているが、その一方でシリアでのIS退治を最優先課題にしている。


トランプは、シリア北部のクルド人の軍勢(YPG)を加勢してISと戦わせているが、クルド軍は、同じくISと戦うヒズボラなどイラン系の軍勢とある程度協調しており、この面でトランプはシリアにおいてイラン系を強く敵視できない。




シリアやレバノン、イラク、イエメンなど、中東各地で急速に影響力を拡大しているイランに、イスラエルが対抗するための、現時点で最良の方法は、ロシアや米国に頼むことでなく、サウジアラビアなど、同じくイランの台頭に悩まされているアラブ諸国との敵対をやめて結束することだ。


イスラエルがアラブ諸国との敵対をやめるには、パレスチナ問題の解決が必要だ。」


アラブ側も、イランとの対抗のために、イスラエルがアラブに接近してくること、そのために西岸占領をあきらめてパレスチナ国家を機能させてくれることを歓迎している。




サウジなどアラブ諸国は、イランとの関係において、イスラエルに対する強みを持っている。


アラブ諸国は、イスラエルとの悪い関係を放置したまま、イランとの関係を改善することもできるからだ。


事実、3月のヨルダンでのアラブサミットは、開催直前まで、11年の内戦勃発後に除名したシリアのアサド大統領を、6年ぶりに再招待することを検討していた。アサドはイランべったりだから、アラブ諸国がアサドと和解すると、その先にあるのはアラブとイランの和解だ。




アラブサミットへのアサド再招待は、検討されたが見送られた。


アラブ諸国は、イランとの和解を先送りすることで、イスラエルに対し、パレスチナ国家への妨害をやめてアラブと和解し、アラブ・イスラエル連合でイランの台頭に対抗する新体制を作ろうと提案した。


この提案は期限つきだ。イスラエルが5月末の訪問でトランプが発する提案に乗って中東和平への道を再び歩み出さない場合、アラブ諸国はイスラエルとの関係改善をあきらめ、おそらく年内に、アサドをアラブサミットに再招待し、イランとの和解を開始する。


アラブ諸国(とトランプ)は、イスラエルに対し、それでも良いのか、これが最後のチャンスだぞと言っている。




トランプ訪問時にサウジ国王が主催するイスラム諸国のサミットには、イランが招待されていない。

これも、裏側には「トランプ提案に乗ってパレスチナ問題を解決し、一緒にイランに対抗しよう」という、サウジからイスラエルへの呼びかけになっている。


加えてトランプ自身も、イラン敵視だけは朝令暮改せず、選挙戦中からずっと敵視を続けている。これも、イスラエルに対する配慮(おびき出し作戦)だろう。





ネタニヤフが、口だけトランプの和平案に乗り、実際の入植地建設の凍結や占領行為の中止をやらない場合も、アラブ諸国何か月か待った後、イスラエルとの和平に見切りをつけ、イランとの和解へとシフトするだろう。ここにおいて、これまでのイスラエルの無期限な引き伸ばし策は終わりを迎えている。




日本など天然の孤立国と異なり、イスラエルにとって、国際関係は、何より重要な政治課題だ。


イランの軍勢がシリアのイスラエル近傍に居座っている状態で、アラブ諸国がイランやシリアと結託し、イスラエルがイランとアラブの両方から敵対された状態で、パレスチナ人を弾圧する「アパルトヘイト国家」として国際社会から敵視される傾向を強めることを看過するぐらいなら、アラブやトランプから提示される最後のチャンスを拾って中東和平を進め、アラブと結束してイランと対抗する方がましだと、イスラエル上層部の意外に多くの人々が思うようになり、入植活動家の暴力や恫喝を封じ込めていくのでないか、というのが(よく外れる)私の楽観論だ。




トランプとアラブの提案に乗ってパレスチナ問題を解決すると、イスラエルは国際社会から非難されなくなる。


イランやヒズボラやアサドも、イスラエルを攻撃・非難しにくくなる。イスラエルは、ゴラン高原をシリアに返すことも必要になるが、パレスチナ問題が解決し、アラブ諸国とイスラム世界がイスラエルを敵視しなくなると、イランやアサドとイスラエルとの相互の敵視も低下し、緊張が緩和され、シリアとの緩衝地帯としてイスラエルが占領していたゴラン高原を返還しやすくなる。


中東で、従来と全く異なる政治風景が立ち上がってくる。



トランプの中東訪問で、これらが実現するとは限らない。


だが、今回書ききれなかったガザのハマスの5月1日のイスラエル敵視緩和の30年ぶりの新要綱の発表や、イスラエルの監獄にいるパレスチナ自治政府の有力若手指導者のマルワン・バルグーティが主導して1500人のパレスチナ人囚人が4月中旬から続けている獄中のハンストも、それぞれ分析してみると、トランプの中東訪問や、その後ありうるパレスチナの選挙、任期を大幅に超えて在任しているアッバスの後任を狙った権力闘争に照準を合わせて行われていることがわかる。


ハマスやバルグーティは、トランプの訪問で中東和平が再開しそうだと考えているわけだ。





すでに延々と書いてしまい、読者の多くがもう読み疲れているだろうから、ハマスやバルグーティの話は書かない。


中東問題は広範で複雑すぎる。


私自身、書ききれないほどの広範囲で何日も分析し、新しい発見をするたびに2回記事を書き直した。


途中まで書いた2つの没原稿をさらしておく。今回のテーマは、今後も激動があるだろうから、また書くことにする。





http://tanakanews.com/170510palestin.htm
没原稿1:新たな交渉に向かうパレスチナ

http://tanakanews.com/170512palestin.htm
没原稿2:パレスチナ和平の蘇生




http://tanakanews.com/170513palestin.htm













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