六歩

昼休みに街まで出て行って茶巾寿司を買ってきました。

今週で辞めてしまう会社の青年が
茶巾寿司を知らないというので
彼に食べさせたくて買いに行きました。

その青年は私の息子よりも若いのですが
3年前から一緒に仕事をするようになりました。
小さな会社ですが、彼は実質上の責任者になり
業績も年々上げていき、周りからも信頼されるようになってきました。

彼は病弱なお母様と仕事一辺倒で
家庭をあまり顧みないお父様という環境で育ちました。
小学校上級のころから親の作った料理は食べたことがないそうです。

でも、とても素直で責任感が強く
なんて良い子に育ったのだろうといつも思っていました。

その彼が大手の会社から引抜があり
悩んだ末に移ることになったのです。

会社に残っていてもらいたい。でも
若い彼に可能性を試しても欲しい

彼の将来を考えるなら、気持ちよく
送り出すことが一番良いことだと思えるようになってきました。

いつか茶巾寿司買ってくるねといっていたのが
もう一緒に仕事をする日が残り少なくなってしまい
慌てて買いにいきました。
”へぇ～、これが茶巾寿司ですか～”と言って
彼は美味しそうに食べてくれました。

いつでも、私は君の味方だよ。頑張ってね


写真はチューリップです。
他のチューリップがすっかり咲き終わったあとに
恥ずかしそうにやっとさきました。
白に紫の縁取りがとてもキュートです。