「山」旅の途中

40代後半になって始めた山歩き。自分はどこから来てどこに行くのか。光、空気、花々の記憶を留めたい。

昆布岳に登る

2008-06-21 22:20:13 | 羊蹄・ニセコ周辺の山々
(写真:中山峠から見た昆布岳)

このところ、週末の天気がかんばしくない。
中山峠から望む昆布岳は、その特徴的な鋭角の頭を雲からのぞかせていた。
「良かった。きょうはなんとかなりそうだ」と、ほっとする。
ニセコ連山と洞爺湖の間に、独立峰的に構える昆布岳。
来月に迫ったサミットを警備する機動隊の鋭いまなざしを、あちこちで受けながら豊浦町の登山口へ。かつての造材の作業道路が登山路で、笹薮とシラカバ、ダケカンバの単調な風景が続く。
ウグイスとエゾハルゼミの合唱に、ツツドリ(カッコウの仲間)が「ポポ、ポポ」とリズムを刻むと、退屈な気分もなごむ。

五合目に「メガネ岩」。風化した岩の空洞から、向こうの景色が見える。岩間に咲くミヤマオダマキの青色が際立った。旺盛な笹薮の中に目を凝らすと、タケノコが頭を出していた。8合目まで左右の笹薮が気になり、首が痛くなった。この山はタケノコ山だった。

(写真:メガネ岩)


(写真:ミヤマオダマキ)


(写真:ネマガリダケのタケノコ)


山頂(1045m)には一等三角点があり、ニセコ、羊蹄山、洞爺湖、内浦湾などの絶景が広がっているはずだったが、雲が多い。時おり、切れ間からニセコの山々やサミットが開催されるヒルトップの高級ホテルが見え隠れした。

(写真:山頂標識の背後に一等三角点)

帰路、麓近くになって足元の赤い果実に気づく。種類はわからないがノイチゴだ。そういえば、登る途中も白いイチゴの花が目立った。くだりは精神的に楽になるので、視野が広くなる。初夏をひとつ、見つけた。

(写真:ノウゴウイチゴ?かな)

※10時05分:入山
 11時10分:5合目・メガネ岩
 12時45分:山頂

 13時50分:下山開始
 15時35分:登山口に戻る

 豊浦温泉しおさい 500円。内浦湾に面する豊浦市街地にある公共温泉。広くて清潔だった。目の前に広がる海も気持ちよい。お湯は赤茶色で鉄の匂いがした。