郡山市議会 3月定例会一般質問を行いました。当局からの正式回答は、3月8日の予定です。
(抄)
1、 原子力災害対策について
東日本大震災と東京電力福島原発事故からまもなく6年目を迎えようとしています。
原発事故の被害は、ますます深刻化しています。長期にわたって続く汚染への対処は、数十年百年単位の問題であり、生活を奪われた被害者の苦悩は今も続いています。一旦過酷事故が起きれば、目に見えない放射能に曝され、環境汚染、自然破壊、故郷を離れての避難生活、健康被害、産業の破壊、被ばくの強要、莫大な原発廃炉コストなど、その悪影響や人権侵害は計り知れません。東京電力福島原発事故の悲劇を風化させず、原発から手を引くこと、子どもたちの未来を守ること、この過ちをどの土地でも繰り返させてはいけないとの思いをあらたにしています。
1)健康管理
① 甲状腺検査の受診率向上に向けて
去る2月20日に開催された第26回福島県民健康調査検討委員会において、事故当時18歳以下だった子ども約38万人を対象に実施している甲状腺検査で、計184人の子どもが甲状腺がんの悪性ないし悪性疑いと診断され、そのうち145人が甲状腺がんと確定されました。そして、先行検査では異常なしとされた子ども62人が、本格検査で甲状腺がんの悪性ないし悪性疑いと診断されています。甲状腺検査は、20歳になるまで2年に1回、それ以降は5年ごとの調査を予定しておりますが、当時未成年だった方も年々成人者は増えていきます。
しかしながら、18歳以上の方の受診率は、25.7%と低調です。その原因は様々でも、仕事や学校の関係で指定された日は、都合が悪く受診しにくいという状況があります。これを改善し、受診率を高め、甲状腺がんの早期発見、早期治療を図るよう県に求めることが重要と考えます。見解を伺います。
② 安定ヨウ素剤の市民への配布等について
安定ヨウ素剤については、保健所に15万人備蓄していると伺っています。平成29年度予算で、全市民を対象に新たに単独予算348万円示されました。
配布計画は、どのようになっているのか、緊急時において、混乱しないように市民全員に配布することは、果たして可能なのでしょうか。
また、備蓄先として、学校や保育所等を検討されているのかお伺いします。
2)避難者状況
① 全国避難者情報システムへの届出者数は、福島県から県外へは、39818名、うち公営・仮設・民間賃貸等の入居者は、27325名(2017年1月16日現在)。本市から全国へ避難されている届出数は、4344名となっています(2017年1月1日現在)。
本年3月31日で応急仮設住宅供与(住宅支援)が打ち切りになりますが、住宅がまだ、決まってなく不安定な方もいるのではないかと思います。本市から全国各地に避難されている方の状況は、県の意向調査や訪問の結果、どのようになっていますか。4月以降すでに住居を確保された人数、確保されていない人数、郡山市に戻られる人数はどのように把握されていますか。
② 課題を抱える方々への対応
また、様々な家庭の事情、例えば、高齢、1人暮らし、病気、介護、シングルマザー、DVなどの課題を複数抱えている状況の方には、無理に退去を迫らず、居住が継続できる緩和措置を県や国に要望すべきと考えます。見解をお伺いします。
③ 避難者への各支援策
県内の他市町村から本市へ避難されている方への各支援策は、4月以降も継続されるのかどう か。
3)被ばく防護
① 指定廃棄物火災事故の再発防止
昨年5月16日未明、郡山市日和田町にある産業廃棄物中間処理施設で火災が発生し、施設内に保管した放射性物質濃度8000㏃/㎏超の指定廃棄物の保管容器が燃えました。再発防止策として、泡消火器・火災報知器の設置、灰貯留サイロに熱センサや注水装置の設備は整っているかを確認されたのか。
② 放射能汚染から命と健康を守る法律制定
被ばく防護について、整合性のとれた法律制定が、市民から求められており学習会が全国各地で開かれています。この件については、昨年3月議会でも取り上げ、法律について研究検討すべきと申し上げました。
放射能汚染物取り扱いの原則は集中管理であり、拡散しないことです。しかし、原発事故後、それまで放射性物質に関するクリアランスは100Bq/kgだった基準が、2011年8月公布の特措法で8,000Bq/kgに緩められました。このことは、核廃棄物管理・処分の技術的三原則である、「1、被ばくの最小化、2、生活環境汚染の最小化、3、経済的国民負担の最小化」に照らし合わせても問題と言えます。
8,000Bq/kg以下の汚染物質が安易に燃やされ、汚染焼却灰のセメント化や不法投棄事件発覚など希釈、拡散が起きました。放射性物質の定義をクリアランスレベル100Bq/kgに一元化して、改めて環境基本法の下、強い規制力を持つ「(仮称)放射能汚染防止法」を研究すべきと考えます。見解は。
2、 学校図書館の充実について
学校図書館関係の地方財政措置は、学校図書館図書整備費等5か年計画により、平成29年度~平成33年度は、合計約2350億円と前期5か年より525億円増額になりました。内訳は、図書整備費約1100億円、新聞整備費約150億円、学校司書配置費約1100億円。平成29年度単年度でみると、図書整備費約220億円、新聞整備費約30億円、学校司書約220億円、総額約470億円と単年度では約105億円増えています。
学校図書館関係の地方財政措置は平成14年度からの第2次5か年計画が650億円で、第5次計画では実に3.6倍になっております。
1)文部科学省のこの新5か年計画と地方財政措置は、学校図書館の教育的意義、学校司書の果たす役割の果たす役割の重要性を認識しての地方財政措置だと考えます。本市は、新5か年計画と地方財政措置の大幅増額をどのように受け止め、どのように対応しようとしているのですか。
2)本市における平成29年度の図書整備費、学校司書配置費及び学校司書1人当たりの予算について、小学校、中学校それぞれ平成28年度予算と比較増減を含めて、お示しください。
3)平成27年4月から施行された学校図書館法の一部改正により、全国でも県内でも学校司書を各市町村の責任で募集・採用するところが急激に増えています。
しかし、学校司書の雇用と労働条件問題については、本議会においても何度も取り上げられてきておりますが、本市の対応は、旧態依然のままで変わっておりません。
学校司書のPTAへの委任雇用から、市の責任ある直接雇用へと、積極的に改善を図るべきと考えます。見解は。
3、土地区画整理事業について
1)荒井北井土地区画整理事業
① 事業完了が住民や権利者から待たれています。平成28年度の事業の進捗状況と平成29年度の事業の内容について、県の認可はいつ頃になるのか、また、登記の見通し時期についてお伺いします。
② 平成29年度予算で、保留地処分金が、前年度と比較して1億3815万4千円増えました。その理由をご説明ください。
2)徳定土地区画整理事業
笹川大善寺線については、平成30年度の供用開始を目途に工事が進められています。
土地区画整理事業の事業計画では、平成30年事業完了としていますが、無理があるのは明らかです。事業計画の変更について、完了年度どのように考えて県と協議をしているのか、また、笹川大善寺線4車線の完了年度をいつごろにするのか。
3)大町土地区画整理事業
郡山駅西口前に先日新しいホテルがオープンし、市民の交流と賑わいを取り戻し明るい話題となっています。同じ駅前地区である大町土地区画整理事業についても、その完成が待たれています。平成32年度換地処分をする計画で事業が進められていますが、平成29年度の事業予定と平成32年度の換地処分の見通しは。
4、市職員の退職管理と再就職について
文部科学省の組織的な天下り斡旋問題について、国会内でも審議され、中間報告が出されました。国家公務員法の再就職等の規制及び、地方公務員の退職管理の適正の確保についての通知等も示されています。それでは本市の状況についてお伺いします。
1)改正地方公務員法による元職員による働きかけの規制、在職中のポストや職務内容による規制範囲の違い、退職管理に係る規則違反に対する制裁措置等について、元職員及び職員への周知啓発・研修等は、どのようになっていますか。
2)退職する管理退職の再就職や再任用の状況は、どのようになっていますか。平成26年、平成27年、平成28年4月1日現在の公益財団法人施設、市長部局、教育委員会所管施設等への人数と役職についてお示しください。
3)再就職や再任用先について、どこの部署が、どのように決めているのか伺います。
4)職務の公正な執行及び公務に対する住民の信頼確保を図る観点から、職員の再就職状況を公表し、市民に対して積極的に情報公開を進めるべきと考えます。見解は。
5、市民に開かれた市政のために
市民に開かれ、市民が主役、透明性の高い市政を実現するには、積極的に情報公開・情報提供の充実を図ることに異論はないと考えます。その基盤となるべく、次の2点についてお伺いします。
1)各種審議会(付属機関)の情報公開充実
委員名や審議会議録の公表が、会によってばらつきがあり、進んでいないところも見受けられます。IT活用を推進している本市の姿勢が十分に活かされていないのは残念に思います。担当課(行政マネジメント課)で、一括集約するなどして、速やかにWEBサイトに掲載し充実を図ることについての見解は。
2)各委員の重複や兼務をできるだけ避け、多くの市民が、多様性を尊重し、年齢、性別、障害の有無に左右されず積極的に関わり参加できるよう進めることについて、見解は。